※アスピリン喘息とインフルエンザの関連とは?

アスピリン喘息とは、現在大人の喘息患者の約10%ほどが患っているといわれる疾患です。この症状はアスピリンに代表される解熱鎮痛剤の成分によって引き起こされ、薬の使用から約1時間ほどで、鼻水、鼻づまりの症状や、気管支が収縮することによって発作等の症状が表れるといわれています。そのため、アスピリン喘息の症状がある方は、一般に解熱鎮痛剤の服用は禁忌とされているんです。

一方、これとは全く異なる病気にインフルエンザがあります。私も2回ほどかかってしまったことがありますが、40度以上の高熱にうなされ、寒気もひどく、とても苦しんだのをよく覚えています。毎年多くの方が罹患する病気ですので、流行する時期はマスク、手洗いうがいなどの対策が必須ですね。

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どうしてここでインフルエンザの話を出したかと言いますと、実は、そのインフルエンザを発症してしまった場合も、解熱鎮痛剤を使用してはいけない場合があるといわれているのです。アスピリン喘息とインフルエンザは全く異なる病気ですが、どちらも解熱鎮痛剤の使用が禁忌であるのはどうしてでしょうか。

そこで今回の記事では、なぜこの2つの病気において解熱鎮痛剤の使用が禁忌とされているのか、、その理由について詳しくまとめていきたいと思います。

インフルエンザとは?

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まずはじめにインフルエンザとはどういった病気であるか説明していきたいと思います。

まず、インフルエンザとは、そのウイルスの型によって、A型、B型、C型に分類されますしかし、このうち主に問題となるのは、A型とB型です。さらに、そのA型のインフルエンザウイルスは、主にソ連型と香港型という2種類に分けられます。

インフルエンザウイルスは飛沫感染によって感染し、1日から3日ほど体内に潜伏します。その後、寒気を伴う高熱の症状を引き起こすのがその特徴で、鼻水、咳、のどの痛み、吐き気、嘔吐、下痢などの症状を伴う場合がありますが、肺炎や中耳炎などの合併症を起こさない場合は、通常長くとも10日ほどでこれらの症状は改善する傾向にあります。

このインフルエンザは、現在では約15分ほどの検査でインフルエンザかどうかの確認ができ、型の鑑別も可能です。またインフルエンザは型の種類によってその症状や流行時期が異なりますので、これについて以下で詳しく説明したいと思います。

まず、A型インフルエンザは他の型に比べ高熱の症状が現れるのが特徴で、38度から40度ほどの熱が出ることが多いといわれています。また、咳や喉の痛みなどの症状に加え、関節や筋肉などにも痛みが生じるのも特徴の1つです。主に11月から2月頃の乾燥した時期に流行します。

また、このA型インフルエンザは、人間以外の動物にも感染する場合があります。鳥インフルエンザや豚インフルエンザなどよくニュースで取り上げられているものは、このA型のインフルエンザウイルスによるものです。

また、A型のウイルスは細かく分類すると100種類以上もの種類に分類されるのですが、そのうち人間に感染するものはごくわずかであるといわれています。

次に、B型のインフルエンザですが、こちらはA型のように40度まではいかず、高くても38度ほどの熱ですむといわれています。また、B型の場合は胃痛、下痢、などの消化器に影響が出るのも特徴の1つであるといわれています。B型インフルエンザは、11月から3月ほどまで感染する可能性があり、A型よりも少し長い間流行するといわれています。

このB型インフルエンザウイルスは種類が2種類のみで、A型のように他の動物に感染することはなく、人間のみに感染します。また、症状が出ると、A型よりも長く熱の症状が続くようです。

最後にC型インフルエンザですが、こちらは主に免疫の弱い幼児が感染しやすく、大人にはかかりずらいという特徴があります。A型やB型とは違い、1年を通して感染する可能性がありますが、流行することは通常ありません。感染すると38度ほどの熱が出るとされています。

C型のインフルエンザを発症すると、主に鼻水などの症状が表れるそうですが、酷くはなりにくいので、インフルエンザと気付かないうちに症状が落ち着いてしまう場合もあるといいます。また、ウイルスは1種類のみで、通常一度感染すると再び感染することはないため、C型はそれほど心配する必要はないようです。C型に関しては、豚への感染も確認されているようです。

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インフルエンザ脳症とは?

ここまで、インフルエンザの症状について詳しく説明してきましたが、インフルエンザを発症した場合に併発してかかってしまう可能性がある病気として、インフルエンザ脳症という症状があります。そして、実はこの症状の存在こそが、インフルエンザの患者には解熱鎮痛剤を投与してはいけないといわれている理由なんです。では、そのインフルエンザ脳症とはどういった症状であるか詳しく説明していきたいと思います。

まず、インフルエンザ脳症とは、ウイルスの感染に伴い、免疫が異常に働くことで、脳に異常が起こってしまう病気です。インフルエンザ脳症を発症すると、意識障害、けいれん、異常行動、言動などの症状が表れるとされています。また、インフルエンザ脳症の症状は大人でも発症する可能性はありますが、その多くは子供の患者で見られるそうです。

また、このインフルエンザ脳症の症状は、死亡率は約30%ほどであるといわれ、助かったとしても後遺症が残る場合が多いという非常に恐ろしい病気なんです。

では、どうしてインフルエンザの患者には解熱鎮痛剤を投与してはいけないかというと、その解熱鎮痛剤の効果によって、このインフルエンザ脳症の症状が重症化する可能性があると考えられているからです。そのメカニズムについて詳しくは解明されていませんが、40度ほどある熱を、解熱鎮痛剤の効果よって無理に下げてしまおうとすると、それが特に幼児に対しては大きな負担になるということがその原因として考えられています。

特にアスピリン等の強い解熱作用のある成分によってこの症状は重症化しやすいといわれているのですが、こういったものは、現在市販でも手に入りますので、インフルエンザの際誤って服用することがないように注意が必要です。

アスピリン喘息とは?

同じく、アスピリン等の解熱鎮痛剤の成分によって重症化してしまう症状にアスピリン喘息というものがあります。これは現在大人の喘息患者のうち約10%ほどが罹患していると考えられており、この症状を患う方は市販で売られているほとんどの解熱鎮痛剤を使用することが出来ません。

アスピリン喘息は、解熱鎮痛剤の服用から1時間ほどで表れ、鼻水、鼻づまりの症状や、発作などの症状が表れます。また、この症状は重症化しやすいといわれており、重症化すると、呼吸困難、意識障害などの症状が現れ、命を落とす危険もあるため、早急な対処が必要になります。

この、アスピリン喘息の症状は後天的に発症するとされる疾患であるため、ある日から突然解熱鎮痛剤が使用できなくなる可能性さえあります。そもそも、喘息の症状自体大人になってから発症してしまう場合も多いですので、大人になるまで喘息と無縁だった方も、誰もがこの症状を発症してしまう可能性があるんです。

では、どうしてアスピリン喘息の患者は解熱鎮痛剤を使用すると喘息症状が悪化してしまうのでしょうか。そのメカニズムについて解説したいと思います。

まず、そもそも私たちが解熱鎮痛剤を使用するときというのは、頭痛や生理痛など、体に痛みが生じているときですよね。この時、その周りではそういった痛みの原因になる炎症が生じており、これはプロスタグランジンと呼ばれる成分によって引き起こされるということが分かっています。そこで、解熱鎮痛剤は、このプロスタグランジンの生成を抑えるよう作用することによって、炎症を鎮め、結果痛みを抑えてくれるのです。

具体的には、このプロスタグランジンはアラキドン酸と呼ばれる成分から合成されるのですが、この際シクロオキシゲナーゼと呼ばれる酵素がその反応を助けるということが分かっています。そこで解熱鎮痛剤は、この酵素シクロオキシゲナーゼの働きを阻害することによって、結果アラキドン酸からプロスタグランジンへの生成を抑え、その効果を発揮してくれるのです。

ただ、通常の方であれば解熱鎮痛剤に期待される効果はここまでなのですが、アスピリン喘息の患者では、このアラキドン酸からプロスタグランジンの合成を阻害すると、今度は新たにアラキドン酸からロイコトリエンと呼ばれる成分を大量に合成してしまうと考えられています。

実はこれが大きな問題であり、このロイコトリエンとはアレルギー反応が起こった際に体内に放出され、アレルギー反応における諸症状、すなわち鼻炎や気管支の収縮といった症状を引き起こす原因になるということが分かっています。実際にはアレルギー反応はigeと呼ばれる抗体が関係して起こる反応なので、アスピリン喘息の症状はアレルギー反応とは異なるのですが、結果的に解熱鎮痛剤の服用によってアレルギー反応の様な現象が起きてしまうというのが、このアスピリン喘息という疾患なのです。

このアスピリン喘息の症状は私たちがよく目にする薬によって引き起こさる症状ですので、心当たりがない場合は放置して悪化してしまう可能性があります。是非今回の記事をきっかけに覚えていただき、もしも症状が出てしまった場合は、早急に医師に診てもらって正しい治療を受けるようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、解熱鎮痛剤の使用が禁忌であるといわれる、インフルエンザ脳症と、アスピリン喘息という2つの病気について説明していきました。

どちらの病気も、重症化すると命に関わる病気です。是非、今回の記事をきっかけに多くの方に覚えていただき、間違った対応をとることが無いようにしていただければと思います。

また、今回はインフルエンザウイルスの特徴について詳しく解説しましたが、「ウイルス」と「細菌」という2つの病原体はその性質に大きな違いがあります。これにつては以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方は是非一度ご覧になってみてください。

細菌とウイルスの違いとは?…

最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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