【※注意※】アスピリン喘息の症状とは?

皆さんは、気管支喘息と聞くとどのような症状を思い浮かべるでしょうか?おそらくこの病気ではないという方も、喘息は発作や咳が出る病気という認識はあると思います。

では、そのような症状はどうして引き起こされてしまうのでしょうか。

実は、喘息と一口に言ってみても、その症状が悪化する原因には色々なものが挙げられます。例えば、アレルギー体質の方であれば、花粉やハウスダストなどが症状を悪化させる原因になりますし、人によってはストレスもそういった症状を引き起こす原因になりえます。

アレルギー反応においては、その反応が起こった際体内に放出されるヒスタミンやロイコトリエンといった化学物質が、喘息患者における気管支の炎症を悪化させたり、気道の収縮を招くことがその悪化の原因になると考えられています。また、ストレスに関しては、これがホルモンバランスの乱れを招くことから、喘息症状の悪化に限らず、免疫力の低下にもつながるといわれているのです。

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また、この他にも、タバコの煙や運動、お酒など、喘息症状を悪化させる原因には様々なものが挙げられるのですが、その気管支喘息の患者の中には、ロキソニンやバファリンなど、私たちがよく知っているような解熱鎮痛剤によって喘息症状の悪化が起きてしまうという方もおり、このような症状は現在、アスピリン喘息という名称で知られています。

実はこのアスピリン喘息の症状はとても重症化しやすいといわれており、もしこれにあてはまるような症状が起きてしまった場合には、早急に医師に相談をする必要があります。薬を飲んで症状が重症化すると聞くとこれは一種のアレルギー反応のようにも思えますが、実はそのメカニズムはアレルギー反応とはちょっと違うんです。

では、なぜ喘息患者の中には解熱鎮痛剤によって症状が悪化してしまう方がいるのか、今回の記事では、アスピリン喘息とはどのようなものなのかということについて詳しくまとめていきたいと思います。

目次

アスピリン喘息のメカニズムとは?

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それではまずはじめに、この疾患の概要について説明したいと思います。

まず、アスピリン喘息とは、ロキソニンやバファリンなどの解熱鎮痛剤に含まれる成分によって、鼻づまりや発作などのアレルギーの様な症状が誘発されてしまう病気のことを言います。

ちなみに、「アスピリン」とはアセチルサリチル酸という成分を有効成分とする解熱鎮痛剤のことなのですが、このアスピリン喘息の症状自体は、アスピリン以外のほとんどの解熱鎮痛剤がその症状を引き起こす原因になりえます。例えば、ロキソニンは解熱鎮痛剤の中でも非常に有名ですし、これをよく使用するという方もいるかもしれませんが、アスピリン喘息の患者においてはこれも症状を誘発する原因になりえます。

では、それはいったいなぜなのかというと、解熱鎮痛剤は、その有効成分に違いはあれど、それらが体内で作用して、痛みなどを和らげる作用メカニズム自体はほとんど同じであるからなんです。逆に言うと、その作用メカニズムがアスピリン喘息の症状の誘発に大きく関係していると言えます。

では、その作用メカニズムとはいったいどのようなものなのかというと、解熱鎮痛剤に含まれている有効成分は、体内に摂取されると、痛みの原因になるプロスタグランジンと呼ばれる成分が生成されるのを阻害するよう作用します。

まず、人の体の中で痛みが生じているとき、その周りではその原因となる炎症が生じています。そして、その炎症を引き起こすの原因となっているのがプロスタグランジンという成分なのです。痛みというのは体に異変が起きていることを知らせる重要なシグナルではあるのですが、これが生成されるほど、本人にとっては痛みはつらいものになってしまいます。

そのため、このプロスタグランジンの生成を抑制し、炎症を抑えて痛みを和らげることができるよう設計されたものが解熱鎮痛剤というお薬であり、その解熱鎮痛剤の中でも最も歴史があるものの1つが、アスピリン喘息という名前の由来にもなっている「アスピリン」というお薬なんです。

では、そのプロスタグランジンという成分はいったいどのようにしてその生成が阻害されるのかということについてもう少し詳しく説明をしたいと思いますが、解熱鎮痛剤に含まれる有効成分は、具体的にはそのプロスタグランジンがアラキドン酸という成分から合成される経路を阻害します。

もっと詳しく説明すると、このプロスタグランジンがアラキドン酸から合成されるとき、シクロオキシゲナーゼと呼ばれる酵素の働きによってその合成が進むのですが、解熱鎮痛剤に含まれる成分は、このシクロオキシゲナーゼの働きを阻害することによって、結果的にプロスタグランジンの生成を防ぎ、炎症を鎮め、痛みを抑えることが出来るのです。

つまりアラキドン酸→プロスタグランジンの反応を促すシクロオキシゲナーゼという酵素の働きを阻害する、というのが解熱鎮痛剤の作用メカニズムになります。

ただ、ここからが非常に重要なのですが、アスピリン喘息の症状がある方というのは、体内でそのアラキドン酸からプロスタグランジンへの経路が阻害されてしまうと、今度はそのアラキドン酸からロイコトリエンという成分を大量に合成してしまうと考えられています。

このロイコトリエンという成分は、最初にも少し説明しましたが、アレルギー反応が起きた際に体内に放出され、気道収縮などを招く原因物質として知られています。つまり、このアスピリン喘息という疾患は、解熱鎮痛剤の服用によって、結果的に重度のアレルギーの様な症状が起きてしまう病気なのです。

ちなみに、花粉症やダニアレルギーといったアレルギー反応は、IgEと呼ばれる抗体が関与して起こる一連の反応のことであり、今回お話しているアスピリン喘息の症状とはそのメカニズムに違いがあります。ただ、そのアレルギー反応自体も喘息症状を悪化させる原因になることは十分にありえるため、喘息患者の方は注意しなければなりません。

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アスピリン喘息の症状とは?

それでは次に、アスピリン喘息の症状がある方は、薬を服用したあと具体的にどのような症状が表れるのか詳しく説明したいと思います。

とその前に1つ申し上げておきたいのですが、実はこのアスピリン喘息という症状は後天的に発症する可能性が高い疾患として知られており、その患者の大半が大人であるといわれています。特に、大人になってから気管支喘息を発症してしまった方の中に多くみられるということも言われていますので、もしこれに該当する方は、これから解熱鎮痛剤を服用することがある際には十分に注意してください。

では、具体的にその症状について説明をしたいと思いますが、まずアスピリン喘息の症状がある方というのは、その原因となる薬を服用すると、およそ1時間以内に何らかの症状が表れ始めるといわれており、通常数時間から半日、重症の場合は一日以上に渡って様々な症状が表れといわれています。

具体的には、息苦しさ、それよりひどい発作の症状などが表れることがある他、鼻水や鼻づまりなどの症状が出ることがあるというのも1つの特徴として挙げられています。

また、結膜の充血や、下痢や腹痛、吐き気などの症状を引き起こす場合もあるそうです。もしこれらの症状が表れてしまった場合には、決して我慢をせず、早めに医師に相談をすることが大切です。アスピリン喘息に限った話ではなく、そもそも喘息という病気は命を落とすこともある病気ですし、中でもこのアスピリン喘息の症状は非常に重症化しやすいといわれています。

そのため、もし薬を飲んでから体調が悪くなってしまった場合には、周りに人がいる場合には必ず自分の異変を伝えてください。そのうえで、なるべく誰かに付き添ってもらって病院へ行くようにしましょう。

まとめ

今回の記事ではアスピリン喘息の概要や、アスピリン喘息を発症してしまった場合に起こる様々な症状についてお伝えしていきました。

もう一度申し上げますが、このアスピリン喘息という症状は特に大人になってから後天的に発症する可能性がある病気として知られています。そのため、それまで特に問題なく解熱鎮痛剤を服用できていたという方でも、もし喘息の症状があるという方は、服用の際には十分に注意してください。

また、このアスピリン喘息の症状については、他にも気を付けなければならない点がいくつかあります。その1つが「パラベン」という成分に関するお話なのですが、実は化粧品や歯磨き粉などに含まれていることがある「パラベン」という防腐剤は、そのアスピリン喘息の症状を誘発する原因になることがあるんだそうです。

これについては以下の記事で詳しくまとめていますので、もしよろしければ一度ご覧になってみてください。

アスピリン喘息とパラベンの関係とは…

今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました。

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