アスピリン喘息は血液検査でわかるのか?

気管支喘息の患者は近年増加傾向にあるといわれており、現在では国内に400万人以上の患者が居るといわれています。また、喘息はまだ体が成長段階にある子供に多い病気と思われている方もいるかもしれませんが、大人になってから急に喘息になってしまう方もいます。このような場合、重度の病気や、出産などの大きな体調の変化がその原因として挙げられます。

また、気管支喘息によって亡くなる方は、近年でも年間約2000人近くいるといわれています。発作が起き、重症化してしまわないようにするためには、自分がどのようなものが原因で発作が起きてしまうのかを知り、それを日常の生活から排除するようにすることが大切です。

喘息の原因は主に、アトピー型と非アトピー型のものに分類されます。アトピー型とはアレルギーが原因によっておこるもので、その原因は、花粉、ダニ、ペットの毛、食品など人によって様々です。非アトピー型とは、アレルギー以外の要因のことを指し、ストレス、香水の香り、冷気などが挙げられます。

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このうち、アレルギー性の喘息の場合は、自分がどのような物質に対して反応してしまうのか、血液検査をすることで調べることが出来ます。この記事では、どうして血液検査をすることによって喘息の原因を特定することが出来るのか詳しく書いていきたいと思います。

また、主に大人の気管支喘息の患者の中には、解熱鎮痛剤の成分によって発作が引き起こされてしまう方もおり、この症状はアスピリン喘息と呼ばれています。解熱鎮痛剤は、ロキソニンやバファリンなど現在薬局に行けば普通に買うことが出来る一般的なお薬ですね。頭痛や生理痛などの症状があるときに服用するという方も多いのではないでしょうか?

ではどうしてこの疾患の患者は、解熱鎮痛剤を服用すると発作が誘発されてしまうのでしょうか?また、自分がこの疾患の可能性があるのかどうか、血液検査をすることで調べることが出来るのでしょうか?

今回の記事では、気管支喘息における血液検査の役割と、アスピリン喘息と血液検査の関連などについてまとめていきたいと思います。

血液検査とigEとは?

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気管支喘息の主な原因は気道に慢性的に起こっている炎症です。この疾患の患者は、炎症によって気管支が健康な方に比べて敏感になっており、収縮しやすくなっています。そして、そこに何らかの刺激が加わると気管支が収縮し、息がしづらくなって発作が起こるというのが基本的なメカニズムになります。

そのため、気管支喘息の治療は吸入ステロイドによる長期管理によってこの炎症を徐々に鎮めていくことが基本となります。もし、発作が起こってしまった場合には、気管支拡張剤や、吸入ステロイドよりも強い経口ステロイドなどによって対応します。これらのお薬がない場合は、症状が現れたらすぐに病院へ行き治療を受けるようにしましょう。

また、気管支喘息の患者は、何より発作の原因となるものを避けることが第一です。そのためには、自分がどのようなものが原因で発作が起こってしまうのか調べることが大切です。アレルギーが原因で起こる喘息の場合、自分がどのようなアレルゲン物質に対して反応してしまうかは血液検査をすることによって調べることが出来ます。

血液検査によって調べるのは、血液中にある特異的igE抗体と呼ばれるものの量です。igEとは、哺乳類の体の中に存在する免疫グロブリンと呼ばれる糖タンパクの一種です。igEは、花粉に対するigEや、ダニに対するigEなど、アレルゲン物質に対して様々なものがあります。もし、血液検査によって、血液中のダニに対するigEが多く検出された場合は、その人はダニに対して過敏に反応しやすいということが分かります。

このように、基本的にはこの特異的igE抗体の量が多い人ほど特定のアレルゲン物質に対して過敏に反応してしまうと考えられています。しかし個人差もあるそうで、もし血液検査によって特定のものに対するigE抗体が多く検出された場合、それが確実にアレルギーの反応の強さと結びつくということはということはははっきりとは言えないようです。血液検査によってわかるのは、あくまでigEの量であり、注意すべき指標ですので、これが多いからと言って、例えば特定の食べ物に対するigE抗体が多く検出された場合はそれが確実に食べられないというわけでもないようです。しかし、心当たりなどがある場合などはもちろん避けた方が良いでしょう。

特定の物質に対する血液内のigEの量が人によって異なるのは、人によってどのようなものを異物として認識してしまうのかが異なるからです。花粉症の方は、健康な方ならば特に反応しない花粉を異物だと認識してしまうことによって、それを排除しようとする働きから花粉に特異的なigEが作られます。その結果花粉が体に侵入してきた際、この抗体が反応することによって、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンといったアレルギーの原因物質が放出され、その作用によって鼻水、鼻づまりの症状が起こり、もともと気管支が収縮しやすい喘息の患者は発作などが現れてしまうのです。

アレルギー反応の基本的なメカニズムは、このようにigE抗体によって説明することが出来ます。それでは、アスピリン喘息における解熱鎮痛剤の成分への過敏性も血液検査をすることによって調べることが出来るのでしょうか?

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アスピリン喘息は血液検査によってわかるのか?

アスピリン喘息とは解熱鎮痛剤を服用すると、鼻水、鼻づまりの症状や、発作などが誘発されてしまうといわれる疾患です。現在大人の喘息患者の約10%ほどがこの症状を患っているといわれています。これに対し、小児の患者はほとんどいないため、この疾患は後天的に発症すると考えられています。

症状だけを見ると、この疾患の症状はアレルギー反応と似ていますが、血液検査をすることによって調べることが出来るのでしょうか?実は、この症状は血液検査では調べることが出来ないというのがその答えです。何故なら、この疾患はigEが関係するアレルギー反応が原因ではなく、解熱鎮痛剤の作用メカニズムが関係している症状だからです。では、この疾患はどのようにして引き起こされるのか説明したいと思います。

まず、私たちが解熱鎮痛剤を使用したいとき、つまり熱や頭痛などの症状があるとき、体の内部ではその原因となるプロスタグランジンと呼ばれる成分が合成されています。

この、プロスタグランジンには、体温調節枢に作用して体温をあげたり、痛みの原因となる炎症を生じさせたりする働きがあります。解熱鎮痛剤の成分は、このプロスタグランジンの生成を抑えることによって熱や痛みを緩和させることが出来るのです。

もう少し具体的に説明しますと、このプロスタグランジンはアラキドン酸と呼ばれる成分から合成されるのですが、この際シクロオキシゲナーゼと呼ばれる酵素がこの反応を促します。解熱鎮痛剤の成分は、この酵素シクロオキシゲナーゼの働きを阻害することによってアラキドン酸からロイコトリエンへの流れを抑制することが出来るのです。これが解熱鎮痛剤に期待される通常の作用メカニズムになります。

しかし、アスピリン喘息の患者は、解熱鎮痛剤の成分によってこのアラキドン酸からロイコトリエンへの流れを抑制してしまうと、今度はアラキドン酸からロイコトリエンを合成してしまうと考えられています。先ほどアレルギー反応の際少し説明しましたが、このロイコトリエンはアレルギーの症状を引き起こす原因物質です。つまり、アスピリン喘息の症状はアレルギー反応とは異なりますが、結果的にアレルギーと同じような症状が引き起こされてしまうのです。

このように、アスピリン喘息はigE抗体による反応ではないため、血液検査では自分がアスピリン喘息かどうか調べることはできません。この疾患かどうか調べるためには、大学病院などの大きな病院へ行き、実際にこの疾患の原因物質を服用するなどして、症状が現れるかどうかを確認する負荷試験を受ける必要があります。これは危険を伴う検査なので大きな病院でしか検査を行っていないそうです。また検査の際には、その危険性を考慮して入院が必要になるようです。

まとめ

今回の記事では、気管支喘息における血液検査の役割や、アスピリン喘息と血液検査の関連等についてまとめていきました。

アレルギーの場合は、自分がどのようなものに反応しやすいのか血液検査によって調べることが出来ますが、アスピリン喘息の場合は、igE抗体がこの疾患の原因ではないため、血液検査ではこの疾患かどうか調べることは出来ません。この疾患かどうか知りたい場合は、まずはお近くの大きな病院で負荷試験を行っているかどうか問い合わせてみてください。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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