※アスピリン喘息及び運動誘発性喘息とは?

気管支喘息は現在国内に約450万人ほどの患者がいるといわれており、これは国民の約3~5%もの人々が患っているということを意味しています。また、その患者数は年々増加しているとされており、この病気によって亡くなる方は、現在でも国内で年間約2000人近くいらっしゃいます。

喘息は重症化してしまうと、このように命に係わることもある非常に注意すべき病気ですので、もし現在喘息の症状がある方は、症状がひどくなってしまったときに適切な対処法をとれるようにしておくことが大切です。喘息の対処法についてはこちらの記事で詳しくまとめていますので、よろしかったらご覧になってみてください。

【※喘息大人の発作がでた時の対処法とは?】薬がない時の対処法もご紹介します…

この病気の原因としては、しばしば、ダニ、カビ、ペットの毛などのアレルゲン物質が挙げられることが多いですが、その根本的な原因は気管支に慢性的に生じるようになってしまう炎症であることが分かっています。普通気管支などの喉の炎症は、細菌やウイルスが気道の細胞に感染した際に、その免疫反応として見られるものですが、気管支喘息を発症すると、この炎症が慢性的に生じることによって、気道が過敏な状態となり、わずかな刺激でさえも気道の収縮を招く原因となってしまうのです。アレルギー反応が気管支喘息の症状を悪化させる原因となるのは、アレルギー反応が起きた際に体内に放出されるヒスタミンロイコトリエンなどの化学物質が、気道の炎症を悪化させ、収縮を促すためです。

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このように、気管支喘息の患者の多くは、アトピー型、つまり上に挙げたような様々なアレルゲン物質によって引き起こされると考えられているのですが、実は、患者の中には、非アトピー型で、アレルゲン物質以外の要因によって症状が引き起こされてしまう方もいます。

そして、そのような、非アトピー型のものとして挙げられるのが、アスピリン喘息運動誘発性喘息です。アスピリン喘息とは、薬局でも普通に販売されているロキソニンなどの解熱鎮痛剤の成分によって発作が引き起こされてしまうもので、一方運動誘発性喘息とは、激しい運動を行った後に発作などの症状が誘発されてしまうものを言います。

では、通常のアトピー型のものと、アスピリン喘息、そして運動によって引き起こされる運動誘発性喘息とではそのメカニズムにどのような違いがあるのか詳しく説明していきたいと思います。

アトピー型の喘息とは?気管支喘息のメカニズムはこちら!

それではまずは、アトピー型の症状のメカニズムについて紹介していきたいと思います。

アトピー型の喘息とは、アレルギー反応によって引き起こされる症状のことを指します。アレルギー反応と言えば花粉症を患っている方は特に多いですね。花粉症はなんと現在国民のうち約4人に1人が患っているといわれています。また、同じくアトピー性の病気としては、アトピー性皮膚炎なども挙げられますね。

話は少しそれますが、最近の研究によりますと、生まれたばかりの赤ちゃんに、保湿クリームを塗るなどして毎日保湿するようにすると、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギーの発症のリスクを抑えられるんだそうです(^^)赤ちゃんの肌はとても潤っているように見えますが、実はとても乾燥しやすいためダメージを受けやすく、しっかりと保湿をしてバリアを張ってあげることが大切なんです。

アレルギーの原因には、花粉の他にも、カビ、ダニ、また卵に代表される食べ物など、実に様々なものが挙げられます。しかし、アレルギー反応の大まかなメカニズムはどれも同じで、こういったアレルゲン物質に、ige抗体と呼ばれるものが反応することによって引き起こされます。

ige抗体とは免疫グロブリンと呼ばれるものの一種で、体内に存在する糖タンパクです。アレルギー症状をを引き起こす方は、体の中に、アレルゲン物質に特異的に結合するige抗体を持っており、これが反応を起こすことによって、様々な症状を引き起こされます。

具体的には、このige抗体というものは、私たちの体内において肥満細胞と呼ばれるものの表面に付着しています。そして、体内にアレルゲン物質が侵入すると、このige抗体がその抗原に結合し、その信号が肥満細胞に伝わり、肥満細胞からヒスタミンや、ロイコトリエンといった化学物質が分泌されます。すると、この信号はその後全身へと伝わり、鼻炎や発作などのアレルギー症状を引き起こす原因となるのです。この流れを図に表すと以下のようになります。

また、僅かなアレルゲン物質に対して、これらのアレルギー反応が過敏に起こり、ショック状態になってしまうものを、アナフィラキシーと呼びます。蜂に二度刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こすという話は聞いたことが無いでしょうか?これは、一度目に刺されたときにできた特異的ige抗体が過敏に反応することによって引き起こされます。

以上がアレルギー反応のメカニズムになります。アトピー型の喘息患者の場合は、この一連の反応の際に分泌されたヒスタミンやロイコトリエンによって、気管支平滑筋が収縮することによって発作などの症状が引き起こされてしまうのです。喘息患者の中には全くアレルギーのない方もいらっしゃいますが、特に子供においては、喘息患者の多くは何らかの物質に対してアレルギー反応を示します。

アスピリン喘息とは?

アスピリン喘息とは、ロキソニンやバファリンなどの解熱鎮痛剤の成分によって発作などの症状が引き起こされてしまうものをいいます。アスピリンとはアセチルサリチル酸と呼ばれる成分を主成分とする解熱鎮痛剤のことを言いますが、実際には解熱鎮痛剤はほとんどのものがこの症状を誘発する原因となります。

この症状は現在大人の気管支喘息患者の約10%ほどに見られるものであり、子供の患者はほとんどいないことから、大人になってから後天的に発症する疾患であると考えられています。特に、大人になってから気管支喘息を発症してしまった方はこの症状を併発しやすいとされているため、大人になってから気管支喘息を発症した方は解熱鎮痛剤を服用する際には十分な注意が必要です。

では、なぜアスピリン喘息の患者は、解熱鎮痛剤を服用すると発作が誘発されてしまうのか、そのメカニズムについて詳しく説明したいと思います。

まず、頭痛や生理痛など、私たちの体内で痛みが生じているとき、その周りでは炎症が生じています。この炎症はプロスタグランジンと呼ばれる成分によって引き起こされており、解熱鎮痛剤の多くは、このプロスタグランジンの産生を抑え、炎症を鎮めることによって鎮痛作用を示します。

具体的には、このプロスタグランジンはアラキドン酸と呼ばれる成分から作られるのですが、その際シクロオキシゲナーゼと呼ばれる酵素がその合成を助けます。そして、解熱鎮痛剤の成分の多くは、このシクロオキシゲナーゼの働きを阻害することによって、結果アラキドン酸→プロスタグランジンへの合成を抑えることができるのです。

通常であれば、解熱鎮痛剤はこれ以上の作用を示すことはないのですが、アスピリン喘息の症状を患っている場合、このアラキドン酸からプロスタグランジンの合成を抑制してしまうと、今度は新たに余ったアラキドン酸からロイコトリエンを大量に産生してしまうと考えられています。

このロイコトリエンとは、さきほどのアレルギー反応の説明でも書いたように、気管支の収縮を招く原因物質です。そのため、この疾患の患者は、解熱鎮痛剤を服用すると、大量に作られたロイコトリエンによって、発作などの症状が引き起こされてしまうのです。つまり、アスピリン喘息とは、アレルギー反応ではありませんが、結果的にアレルギー反応のような症状を引き起こしてしまう疾患なのです。

この症状は、服用薬以外にも、解熱鎮痛作用のある成分の含まれた、湿布薬、座薬、点眼薬などによっても誘発される恐れがあるため、これらの使用の際にも注意が必要になります。このアスピリン喘息について更に詳しい情報を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

【※パラベンが発作の原因に?】アスピリン喘息と化粧品や歯磨き粉の劣化を防ぐ防腐剤の関連について解説します!

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運動誘発性喘息とは?激しい運動は控えましょう!

最後に、激しい運動によって引き起こされる運動誘発性喘息について説明したいと思います。

運動誘発性喘息とは、その名前の通り運動によって発作などの症状が誘発されてしまうものを指し、具体的には、息が切れるような運動を10分ほど続けると症状が表れる可能性があるといわれています。この症状は、運動をすることによって気道表面の水分が失われたり、気道が冷やされたりといったことが刺激となって引き起こされると考えられていますが、詳しいことは未だに完全には分かっていません。

また、運動によって引き起こされる運動誘発性喘息の場合も、抗ロイコトリエン薬が治療に有効であることから、運動によってもアレルギーの原因物質が産生されることが分かってきています。人間の体の仕組みは不思議ですね。

この運動によって引き起こされる運動誘発性喘息の症状は、一般的には30分ほど休めば自然と治まるといわれていますので、それほど深刻に考える必要はないかと思います。しかし、症状が治まらない場合は、先ほど述べた抗ロイコトリエン薬や吸入ステロイドなどによって治療を行う必要がありますので、こういった薬は常に携帯しておくようにしましょう。

運動誘発性喘息の症状がある場合は運動を行う前にしっかりとウォーミングアップを行うことが重要です。いきなり体に負担の大きい運動をすると、症状が誘発されやすくなってしまいます。しっかりとウォーミングアップを行い、軽い運動から徐々に運動強度を上げ、体が順応できるようにしましょう。

運動は、激しく運動すると上記のように気管支の収縮を招く可能性がありますが、実は適度な運動、特に水泳は気管支喘息の改善に効果的であることが分かっています。私自身、大人になってから気管支喘息を発症してしまったのですが、吸収ステロイドによる治療に加えて、運動療法として水泳を取り入れた結果、今ではほとんど喘息の症状は感じずに普段の生活が送れるようになりました。

何故水泳が良いのかというと、腕を大きく回し、しっかりと息を吸って吐き切るという一連の運動が、喘息の改善に効果的なんだそうです。また、水泳は水中で行うため、気道が乾燥する恐れはほとんどないですし、体への負荷も大きく無いのもメリットです。

もし喘息の症状にお悩みの方は、水泳を取り入れ、無理のない範囲で行ってみてはいかがでしょうか(^^)?私としてはとてもおすすめです。

まとめ

今回の記事では、アレルギーによって引き起こされる喘息と、非アレルギー性であるアスピリン喘息、運動誘発性喘息などに関する情報をまとめました。

喘息と言ってもその原因には非常に多くのものが挙げられるんですね。今回、非アトピー型のものとして、運動誘発性喘息とアスピリン喘息を挙げましたが、中には全くアレルギーの症状はないのに、香水の香りやたばこの煙による刺激などによって発作が引き起こされてしまう方もいます。これも一種の非アトピー型の喘息です。喘息はその治療法はとても進歩しましたが、いまだ完全な解明は難しいのが現状です。

喘息患者にとって、激しい運動を行うことは望ましくありませんが、体の健康を維持するためにも、適度な運動を行うことは非常に重要です。水泳を行えなくも、普段から体を動かし、適度に運動するようにしましょう。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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