※クループ症候群の原因はウイルス?細菌とウイルスの違いとは?

クループ症候群とは、主に風邪などの感染症に伴って発症することがあり、声嗄れや喘鳴(ぜんめい)、そしてまるで動物が鳴いているかのような犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)と呼ばれる咳の症状などを特徴とする病気のことを言います。厳密には、感染症だけではなく、アレルギー反応などもその原因になるといわれていますが、そのほとんどは感染症によるものであると考えられています。

このクループ症候群は、まだ喉の構造が未発達である、生後数か月の赤ちゃんから小さい子供において多くみられる症状として知られており、具体的には、喉の奥にある喉頭と呼ばれる部分が炎症を起こして腫れてしまうと、それに伴ってクループ症候群の諸症状がみられるようになってしまうものと考えられています。

この喉頭とは気管と食道がちょうど分岐するあたりの部分のことをいい、声帯などもこの部分にあるため、その影響から特徴的な症状として声嗄れ(嗄声:させい)などの症状がみられるようになります。しかし、特に大人の場合は、仮に喉頭の部分にまで炎症が及んだとしても、それが必ずしもクループ症候群における犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)などの症状を引き起こしてしまうというわけではありません。

スポンサードリンク



何らかの細菌やウイルスによる感染、特に不特定のウイルスの感染によって上気道に急性の炎症が生じるようになってしまう症状の総称を、一般的に「風邪」と呼ぶのですが、この喉頭という部分はその上気道の一番奥に位置している部分なので、喉頭が炎症を起こすということ自体はそんなに珍しいことではないのです。

ただ、このクループ症候群は、その症状が軽ければ自宅療養という形になりますが、中には入院が必要になるケースや、命に係わるほど重症化してしまうケースというものもあります。

そこで今回の記事では、クループ症候群とはいったいどのような病気なのか、また、どんな場合に重症化が起きてしまうのかということについて詳しくまとめますとともに、その原因となっているウイルスなどに関する情報について詳しくまとめていきたいと思います。

クループ症候群の原因とは?重症化が起きるのはどんな時?

クループ症候群とは、特にまだ喉の構造が未発達である小さい子供に多くみられる症状のことであり、声嗄れや喘鳴、特に犬吠様咳嗽と呼ばれる咳の症状などを特徴とする病気のことを言います。

クループ症候群と聞くと、その名前から何か特別な病気なのではないかと思う方は少なくないのではないかと思いますが、この病気は、一般的な風邪などの感染症に伴って発症する症状の1つであり、決して珍しいものではありません。具体的には、喉の奥にある喉頭という部分が感染症の影響から炎症を起こして腫れてしまうと、このクループ症候群の諸症状が表れてしまうものと考えられています。

ちょっと言葉だけでは分からないと思いますので、その喉頭がどの部分にあるのか、というのは以下の図を参考にしてください。

上の図は、鼻や口から肺までの空気の通り道がどのようになっているのかを示したものになりますが、まずその空気の通り道は、上気道と下気道という大きく2つの部分に分けることができます。

そして、このうち上気道はさらに3つの部分に分けることができるのですが、このうちその一番奥に位置している部分が、先ほどお話した喉頭という部分になります。この喉頭はちょうど気管と食道が分岐しているとても重要な部分です。

このクループ症候群という病気は、基本的にはしっかりと治療を行えば、もちろん治らない病気ではありません。しかし、中にはその症状がひどく、入院が必要になったり、命に係わるほど重症化してしまったり、実際に命を落としてしまうケースもあるため、もし自分の子供にクループ症候群の症状が見られた場合には、早めに医師に相談をして、その後の様子を注意深く見守ってあげることが大切です。

では、このクループ症候群の症状はどのような時に重症化してしまうことがあるのかと言いますと、その喉頭部分における炎症が、喉頭蓋という器官にまで影響を与えてしまったときが非常に怖いといわれています。この喉頭蓋という器官は、近年この病気以外の観点からもとても注目されている重要な器官なのですが、皆さんはこれがどんなものだかご存知でしょうか?

結論から言いますと、この喉頭蓋とは、私たちが食べ物を飲み込むときに、それが気管の方に入ってしまわないように蓋をしてくれる非常に重要な器官として知られています。私達の喉は、喉頭の部分で初めて気管と食道が分岐するように作られているため、この喉頭蓋がないと、食べ物が肺の方に流れ込んでいってしまうことになるのです。

そして、近年では、この喉頭蓋の機能低下が、高齢者における誤嚥性肺炎の大きな原因になってしまっているということが知られています。すなわち、食べ物が肺の方に流れていってしまうと、その食べ物と一緒に入り込んだ細菌やウイルスが肺で繁殖してしまうというのがこの誤嚥性肺炎で、近年では肺炎が日本人の死因の第3位となっているのは、この誤嚥が大きく関係しているのです。

さて、では話を戻しますが、この喉頭蓋が炎症を起こして腫れてしまうと、その影響から呼吸が困難になり、早めの処置を行わなければ命に係わるほど重症化してしまう場合があるといわれています。このような症状はクループ症候群の中でも特に急性喉頭蓋炎という名称で知られているのですが、この急性喉頭蓋炎が起きてしまった場合には、炎症を弱めるためのステロイドの投与や、喉の筋肉の収縮を弱めるアドレナリンなどの投与が必要になるため、すぐに医師に相談をするか、自宅で起きてしまった場合には救急車を呼ぶこともためらってはいけません。

私たちが生きる為には肺に酸素を届ける必要がありますが、その空気の通り道をふさぐための気管が炎症を起こしてしまうというのは、それを聞いただけでもこれがいかに危険なことかというのは良くわかりますよね。もし、クループ症候群の症状が表れ、なんだか呼吸が苦しくなってきたという場合には、決してそのままにはせず、早めに医師に相談をするようにしましょう。

さて、今回の記事ではクループ症候群の特徴について詳しくまとめてきましたが、そのクループ症候群における犬吠様咳嗽とはいったいどのようなものを言うのかというのは、以下の動画を参考にしてください。これを聞いていただくと分かりますが、確かに、この動画の中の子供の咳は、普通の風邪でみられるようなゲホゲホ、ゴホゴホというようなものとは違うということが分かりますよね。まるで、何かの動物が鳴いているかのように聞こえます。

ちなみに、このクループ症候群という名前に含まれている「クループ」とは、初期近代英語の「馬のように鳴く」という意味を持つ、「croup」という動詞に由来しているそうです。つまり、喉頭周辺の炎症の影響から、動物が鳴いているような咳が出てしまう風邪のことを、いつしかクループ症候群と呼ぶようになったということなんですね。

もし、自分の子供の咳がなんだかちょっと変と感じたり、ケンケンケンという咳がみられる場合には、喉頭部分にまで炎症が及んでしまっているのがその原因かもしれません。もしそのような症状が見られた場合には、そういった特徴があるということを医師の方に詳しく相談するようにしましょう。

スポンサードリンク



クループ症候群の原因とは?ウイルスと細菌ってどう違うの?

このクループ症候群という症状は風邪などの感染症に伴って発症することがある症状という説明をしましたが、中には、どんなウイルスや細菌がその原因になっているのかと気になる方も多いのではないかと思います。

また、中には何か特定の病原体のみがその原因になっているのではないかと思っていた方もいるかも知れませんが、このクループ症候群はそういった病気とは異なります。

例えば、肺結核は結核菌と呼ばれる細菌が原因となっている病気で、百日咳も百日咳菌という細菌だけが引き起こす病気として知られていますが、このクループ症候群という病気は、そういった何か特別な病原体のみが原因となっている病気というわけではなく、あくまで何らかの病原体の感染によって喉頭付近に炎症が起き、その結果犬吠様咳嗽などの症状がみられるものをクループ症候群と呼んでいるのです。

ただ、現在までに、どういった細菌やウイルスが感染すると、このクループ症候群の症状が引き起こされやすいのかというのは段々と分かってきています。

具体的に説明すると、ウイルスでは、パラインフルエンザウイルス、麻疹、アデノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなどがその原因となることが分かっていますが、インフルエンザウイルス以外は検査キットが基本的にはないため、その場でその原因を特定するということはできません。ちなみに、パラインフルエンザウイルスは、普通のインフルエンザウイルスとは全くの別物です。

また、改めて説明いたしますが、私たちがよく知る「風邪」という病気は、特に今挙げたようなウイルスの感染が原因となって、上気道における急性の炎症が起きてしまう病気の総称のことを言うため、これもまた何か特定の細菌やウイルスがその原因となっているというわけではありません。

割合的には、その8割以上がウイルス性であると考えられており、上記以外ではライノウイルスやコロナウイルスなどのウイルスがその原因として非常に多いといわれています。

さて、ではそのウイルス性のクループ症候群に対し、細菌ではどのような原因が挙げられるのかというと、クループの症状を引き起こす細菌としては、ジフテリア菌、黄色ブドウ球菌、肺炎レンサ球菌、インフルエンザ球菌などがその原因として挙げられます。

ちなみに、このうちジフテリア菌が原因になっているものを特に真性クループと呼び、それ以外の病原体が原因となっているものを仮性クループと呼び区別しているのですが、最近ではジフテリアの予防接種を受ける方が大半なので、その真性クループの割合は非常に減ってきているといわれています。以前は、クループの大半がジフテリア菌によるものと考えられていたため、このような区別がされていたようです。

また、細菌の方の原因としてインフルエンザ菌という名前を挙げましたが、これは私たちがよく知るインフルエンザという感染症の原因となるものではありません。インフルエンザという感染症の原因となるのはインフルエンザウイルスの方で、このインフルエンザ菌の方は全く関係ないのです。

なぜこんなややこしいことになっているかというと、実は以前、1800年代にインフルエンザという病気が流行した時に、その原因として分離されたのちに、実は違うということが分かったのがこの細菌で、結果その名前だけが残ってしまい今に至るということになってしまっているそうです。ただ、インフルエンザの原因にはなりませんが、今回お話しているクループ症候群などを引き起こす原因にはなるため、注意すべき細菌の1つであるということには間違いありません。

さて、ここまでクループ症候群はいったいどんな病原体がその原因となっているのか、ということについて詳しく説明してきましたが、皆さんはそもそも、ウイルスと細菌っていったいどう違うのか、ということについてご存知でしょうか?この2つは同じ病原体ではありますが、実はその実態は全くの別物なのです。

まず、細菌の方は細胞を1つだけ持っていますが、そもそもウイルスの方は細胞さえも持たず、遺伝子をタンパク質で覆っただけの存在として知られています。また、現在生物の最小単位は細胞を持っているかどうかとも言われているため、このウイルスという存在は生物であるかどうかも曖昧な存在なんです。

この細菌とウイルス、知れば知るほどそれは全く別物であるということがよくわかります。この細菌とウイルスの違いについては、以下の記事の中で詳しくまとめていますので、気になる方は是非一度ご覧になってみてください。

【ストップ】長引く咳は細菌感染症が原因かも!細菌とウイルスの違いや抗生物質に関する情報はこちら…

まとめ

今回の記事では、クループ症候群とはいったいどのような病気なのかということについて詳しくまとめますとともに、その原因となる細菌やウイルスに関する情報について詳しくまとめました。

ちなみに、記事の中でお伝えした急性喉頭蓋炎の症状は、主に細菌の感染が原因となっていることが多いといわれており、その細菌感染が疑われる場合には、基本的には抗生物質を使用した治療が行われていくことになります。

この「抗生物質」というお薬の名前はほとんどの方が聞いたことがあると思いますが、実はこのお薬は、細菌にのみ効果を発揮するお薬であり、ウイルスの方には効果を示しません。これは一体どうしてなのかということも、細菌とウイルスの違いについて書いた記事の方で解説していますので、皆さん是非一度ご覧になってみてください。

今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)

スポンサードリンク



関連記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です