※クループ症候群とは?大人と子供の症状の違いはこちら!

秋から冬の空気が乾燥する時期には、細菌やウイルスの活動も活発になり、子供でも大人でも感染症にかかりやすくなってしまいますが、こういった時期に特に注意していただきたいのが、主にそういった病原性微生物の感染によって引き起こされるクループ症候群と呼ばれている症状です。

クループ症候群とは、特に生後数か月の赤ちゃんから、小さい子供のうちによくみられる症状であり、いわゆる喉の風邪の一種なのですが、一般的な風邪よりも少し奥にまで炎症が及んでしまった場合に、このクループ症候群と診断されることがあります。風邪とクループ症候群は基本的に同じものではありますが、クループ症候群と診断される場合には、その症状がちょっと普通の風邪とは変わってくるんです。

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具体的には、クループ症候群になってしまった場合、犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)と呼ばれる、まるで犬が鳴いているかのように聞こえる咳の症状がみられるようになります。ケンケンケンというような咳の症状が表れるようになり、それをきいただけでも、普通の風邪とはちょっと違うなということが分かります。

先ほど、このクループ症候群は特に子供に多い感染症であるというお話をしましたが、もちろんこれは風邪の一種なので、大人の方でも発症してしまう場合もあります。そこで今回の記事では、クループ症候群という病気がどのような感染症なのかわかりやすくまとめますとともに、子供と大人でその症状にどのような違いが生じてくるのか、ということについても詳しくまとめていきたいと思います。

クループ症候群とは?

クループ症候群とは、いわゆる風邪の一種なのですが、ちょっとした風邪とはその炎症が生じる位置に違いがあるため、それによって表れる症状が少し変わってきます。

まず、これを分かりやすく説明したいと思いますので、一度以下の図をご覧になってみてください。

この図では、口や鼻から、肺にかけての空気の通り道がどのようにして区分されているのかが示されているのですが、まず、その空気の通り道は、大きく上気道下気道の2つに分けることができます。

このうち、上気道における細菌やウイルスの感染によって炎症が引き起こされてしまう症状の総称が風邪(風邪症候群)という病気であり、その原因となる病原体は1種類だけではありません。実際には、風邪の原因はその8割くらいが主に不特定のウイルスであるといわれています。

ちなみに、細菌とウイルスという言葉はよく耳にしますが、この2つがどう違うのかというのは以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方は是非一度ご覧になってみてください。

【ストップ】長引く咳は細菌感染症が原因かも!細菌とウイルスの違いや抗生物質に関する情報はこちら…

さて、ではここまでを簡単にまとめますと、風邪とは主にウイルスによって上気道における炎症が引き起こされる病気、ということになりますが、上の図をもう一度見ていただくと、その上気道は更に、鼻腔咽頭喉頭という3つに分けられているということが分かると思います。鼻腔というのが鼻の穴の奥にある空洞で、口を大きく開けた時にその奥の方に見えるのが咽頭であり、目では見えませんが、食道と気道が分岐するあたりの部分を喉頭と呼びます。

これを分かっていただいたうえで説明しますと、一般的な風邪という症状は、上気道の中でも特に鼻腔や咽頭部分において炎症が引き起こされてしまう症状のことを言います。しかし、その炎症がその下の喉頭まで拡がってしまい、喉頭部分が腫れあがってしまうと、それによって咳や声に特徴的な症状が表れるようになってしまうことがあり、こういった症状のことを、風邪という病気の中でも特にクループ症候群と呼んでいるのです。

クループ症候群の症状とは?大人と子供の症状の違いはこちら!

では、クループ症候群になるとどのような症状が表れるようになるのかというと、その代表的な症状として挙げられるのが、声嗄れや犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)と呼ばれる特徴的な咳の症状です。

まず、声嗄れの方から説明したいと思いますが、私たちが声を出すためには声帯の働きが重要であるということは皆さんご存知だと思いますが、実はこの声帯という器官は喉頭の部分にあるため、クループ症候群における喉頭の炎症が生じると、声帯もその影響を受けて声が嗄れてしまうことがあるのです。

そして、クループ症候群かどうか判断するうえで非常に重要な症状となるのが、犬吠様咳嗽という、まるで犬が鳴いているかのように聞こえる咳の症状です。ケンケンケン、という変わった咳が出るのがその特徴で、この犬吠様咳嗽がどんなものなのかというのは、以下の動画を参考にしてください。

咳というとゲホゲホ、ゴホゴホというようなものが一般的ですが、確かにこのお子さんの咳は、そのようなものとはちょっと違うということが分かりますよね。犬吠様咳嗽は犬やオットセイが鳴いているように聞こえる、とよく言われているのですが、この動画を見てみると、確かにそういった動物が鳴いているように聞こえます。

ちなみに、クループ症候群という名前に含まれている「クループ」とは、初期近代英語の「馬のように鳴く」という意味を持つ、「croup」という動詞に由来しているそうです。つまり、喉頭周辺の炎症の影響から、動物が鳴いているような咳が出てしまう風邪のことを、クループ症候群と呼ぶようになったということなんですね。

さて、ではこのクループ症候群という病気は子供と大人でどのような症状の違いが生じてくるのかという話になりますが、先ほど説明した犬吠様咳嗽の症状は、特にまだ呼吸器の成長が途中である子供のうちによく見られる症状であり、大人になってくると気管も十分に太くなってくるため、喉頭炎が起こっても、大人の場合には犬吠様咳嗽の症状はあまり見られないといわれています。

子供の場合には、この犬吠様咳嗽の症状などに加えて、炎症が更に下気道にまで及んでしまうと気管が細くなってしまい、喘鳴(ぜんめい)の症状が表れてしまうこともあると言います。喘鳴とは気管が細くなっている影響から、そこを空気が通る際に生じてしまう音のことであり、ゼーゼー、ヒューヒューというような音が鳴るようになってしまいます。この喘鳴は特に気管支喘息の患者によく見られる症状として知られています。

そのため、このクループ症候群という病気は、特に小さい子供が注意すべき症状であるといえるのですが、クループ症候群と診断されたからと言って、それがすぐに命に係わるほど重症化したりするわけではありません。(後に詳しく説明しますが、場合によっては重症化してしまうケースもあります。)ただ、やはりどんな感染症もこじらせてしまうと怖いのは確かなので、もし自分のお子さんにケンケンケン、というようなちょっと変わったような咳の症状が見られたら、クループ症候群の症状を疑って早めに医師に相談をした方が良いでしょう。

また大人の方であっても、ただの風邪かと思っていたら、声がひどく嗄れてしまったという場合には、炎症が声帯に影響を与えてしまうほど深いところまで及んでしまっている可能性があります。そういう時は決して無理はせず、詳しい症状を医師の方に相談して、安静にして過ごすようにしてください(^^)

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真性クループと仮性クループとは?クループ症候群の原因は1つだけではありません…

まず、今回はクループ症候群という症状に関するお話をしているわけですが、この「症候群」という言葉は、その原因がいくつか考えられる場合に用いられる言葉であるということを、もし知らなかったという方は是非覚えておいてください。

例えば、この記事の中でもすでにそれに関する内容を少し書いていたのですが、風邪という病気の正式な名前は「風邪症候群」であり、これは、その原因となる病原体が1つではないからなんです。もう一度書きますが、不特定のウイルスや細菌の感染によって、主に上気道において炎症が生じてしまう病気の総称を、風邪症候群と呼びます。

例えば、結核や百日咳などの感染症には、症候群という言葉は用いられません。これは結核という病気の原因は結核菌であり、百日咳の原因は百日咳菌という特定の細菌であるということが分かっているからです。

実際、風邪をひいたときにはその原因が何なのかを特定することは非常に難しいことであり、風邪という病気は、特に何か特別なことをしなくても、ほとんどの場合は免疫の力によって自然に治ってしまいます。そのため、あえてその原因を必死になって特定することはせず、何らかのウイルスなどによって喉の炎症が起きてしまう病気を、風邪症候群と呼んでひとくくりにしているというわけなんです。

さて、では話を少し戻したいと思いますが、今回お話しているクループ症候群という病気も、「症候群」なので、その原因は1つではありません。ここまでは主に細菌やウイルスの感染によっておこるものについてまとめてきたわけですが、実はそれ以外には、アレルギー症状などによってもこのクループ様の症状が表れてしまうということがあるんだそうです。

近年では段々とアレルギーの症状があるという方も増えてきているといわれていますが、もしお子さんが、夜になるとケンケンケン、と動物のような咳をしてしまうという場合で、特に熱などはないという場合には、ダニによってアレルギーの症状が引き起こされてしまっている可能性もあり得ます。実際には、ダニアレルギーと呼ばれているものは、ヒョウダニというものに分類されるダニが持っている、システインプロテアーゼという酵素を吸い込んでしまうことによって起こり、それが喉や鼻の炎症を引き起こす原因になってしまうんです。

他にも、心の問題などもクループ症候群を引き起こす原因になりえるとも一部では言われていますが、こういったケースが実際にそのような症状を引き起こすのは本当に稀なケースのようです。ただ、心の問題が咳を引き起こすということは本当にあることで、このような症状は心因性咳嗽と呼ばれ、治すのは簡単なことではないといわれています。

長々と説明しましたが、結論としては、クループ症候群という症状は、そのほとんどのケースがウイルス感染によって引き起こされるといわれています。風邪症候群もそのほとんどがウイルス感染によるものであるといわれていますので、風邪症候群の延長線上に位置するのが、このクループ症候群ということなんですね。クループ症候群が感染症以外の原因によって引き起こされることもある、ということは、参考までに覚えておいてください(^^)

ちなみに、もう少し詳しく説明しますと、細菌やウイルスの感染によっておこる感染性のクループ症候群は、さらに真性クループ仮性クループという2つのものに大別されるそうです。この基準となるのは、その原因がジフテリア菌によるものか、そうでないかということであり、ジフテリア菌が原因となってクループ症候群が引き起こされている場合を真性クループと呼び、それ以外の病原体によって引き起こされている場合を仮性クループと呼ぶそうです。

ただ、最近ではほとんどの子供がジフテリアの予防接種を受けるため、真性クループがみられることはほとんどないといわれています。これも、是非参考までに覚えておいてください。

クループ症候群の症状が命に係わるほど重症化するのはどんな時?

今回お話しているクループ症候群という病気は、その原因となるウイルスや細菌の違いなどによって、その症状にも少し違いが生じてくると言います。ウイルスや細菌は1つ1つがその特徴や感染力なども異なるので、これはある意味当然のことともいえますね。

先ほど、真性クループがジフテリアによるもので、それ以外の原因によるものを仮性クループと呼ぶという話をしましたが、仮性クループと一口に言っても、その原因には、パラインフルエンザウイルスや、アデノウイルス、RSウイルスなどのウイルスの他、黄色ブドウ球菌や、肺炎レンサ球菌などの細菌など、また様々なものが現在挙げられています。

こういったものをすべて覚える必要はないのですが、クループ症候群は、その感染部位の違いによって、だいたい大きく4つのものに分けることができるそうです。

まず、ここまで読んでいただいた方には分かっていただけていると思いますが、クループ症候群は、喉頭周辺の炎症によって引き起こされる症状であるということを最初の方にお話ししました。しかし、この喉頭の炎症に加えて、その下の下気道や、周辺のどこにまで炎症が拡がっているかによって、クループ症候群という病気は、喉頭炎喉頭気管炎喉頭気管気管支炎急性喉頭蓋炎という更に4つの症状に分けることができるのです。

このうち、特に皆さんによく覚えておいていただきたいのが、急性喉頭蓋炎と呼ばれる症状です。これは、クループ症候群の中でも珍しい症状とは言われているのですが、それとあわせて、クループ症候群の中でも最も危険な症状であるとも言われており、これが起きてしまうと、命に係わるほど重症化してしまうこともあると言います。

喉頭蓋とは、気管を塞ぐ役割を担っている蓋のことであり、食べ物が入ってしないようにしてくれている重要な器官なのですが、ここが炎症を起こしてしまい、腫れあがってしまうと、急に気管がつまってしまって窒息状態に陥ってしまうんだそうです。

私たちがものを飲み込むときには同時に呼吸をするということはできませんが、これは喉頭蓋が気管をふさいでくれているため。しかし、この喉頭蓋が炎症を起こして正しく機能しなくなると、呼吸ができなくなってしまうということなんですね。

クループ症候群という病気はそれがすぐに命に係わるというようなものでもなく、普通はちゃんと治療をすれば回復するといわれているのですが、その炎症が周囲や下気道にまで及んでしまうと、重症化を招いてしまうということも十分にあり得ます。もし、子供がケンケンケン、と変わった咳をしていたらなるべく早く医師に相談をするようにして、もし夜中にそのような症状が表れ、苦しそうに呼吸をしていたら、ためらわずに119番に連絡をするようにしてください。

まとめ

今回の記事では、クループ症候群とはいったいどんな病気なのか詳しく説明しますとともに、子供と大人でどのように症状が変わってくるのか、ということについても詳しくまとめました。

このクループ症候群という病気は特に子供に多くみられる症状であり、大人よりも子供の方が重症化しやすい傾向にある病気といわれています。子供の場合は気管がまだ発達している最中であり、周囲の組織との距離、上気道と下気道との距離などが近いため、炎症部位が拡大しやすいのです。そのため、もちろん大人でも感染症には注意が必要ですが、子供の方がより十分な注意が必要となります。

皆さん、クループ症候群という病気がどんなものなのか、よくお分かりいただけたでしょうか。是非、秋から冬にかけては、こういった感染症にかかることが無いように十分に気を付けてください。

今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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