
クループ症候群とは、基本的には風邪による症状の1つとして考えられているもので、その特徴として、ケンケンケン、という動物が鳴いているかのような独特な咳の症状がみられるようなもののことを言います。
このような咳の症状は犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)と呼ばれているのですが、この咳は特に小さい子供によく見られるといわれており、具体的にはクループ症候群の症状は0~5歳くらいまでの気管の構造がまだ未発達である小さな子供にみられることが多いといわれています。これに対して、大人になるほど犬吠様咳嗽のような症状はあまり見られなくなるそうです。
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ここでもう一度いっておきますが、クループ症候群とは基本的には風邪の症状の一種です。クループ症候群という独特な名前から何か特別な病気のように思ってしまっている方もいるかも知れませんが、風邪による喉の炎症が、喉の奥にある喉頭という部分にまで及んでしまうと、その結果咳や声にその特徴が見られるようになり、そのような症状のことをクループ症候群と呼んでいるのです。
そのため、クループ症候群は基本的には通常の風邪と同様な処置を行うのですが、中には重症化してしまうケースや、入院治療が必要にある場合もあります。そこで今回の記事では、クループ症候群とはいったいどのような症状のことをいうのか詳しくまとめますとともに、重症化が起きてしまうのはどういう時なのかということや、入院が必要になるケースについて詳しくまとめていきたいと思います。
目次
小さい子供は要注意!クループ症候群ってどんな症状なの?

クループ症候群とは、基本的には風邪の症状の1つで、その炎症が喉頭にまで及んでしまった場合に、その咳や声に特徴が表れるようなものを総称して「クループ症候群」と呼んでいます。特に小さい子供であるほどこのような症状が出やすいといわれています
ちなみに、その喉頭がどこなのかというのは以下の図を参考にしてください。

何らかの細菌やウイルス、特にウイルスによる感染によって上気道における急性炎症が起きてしまうようなものを風邪(正しくは「風邪症候群」)と呼ぶのですが、その上気道もまた大きく3つに分けることができ、その炎症が上気道の中では一番深いところにある喉頭にまで達してしまうと、最初にも説明した犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)という独特な咳の症状がみられるようになってしまいます。
また、この喉頭の部分には声を出すために大切な器官である声帯が存在しているため、クループ症候群の症状がみられる際には、声嗄れなどが起こってしまうのもその特徴の1つです。
厳密には、アレルギー反応などによって喉頭が狭まり、やはり同様に動物が鳴いているかのような咳が出てしまうものもクループ症候群と呼ぶのですが、基本的にはクループ症候群の原因の大半は感染症によるものです。このように、その原因が複数考えられるような場合には、その症状に「症候群」という言葉を用います。風邪という病気もその原因となる細菌やウイルスがただ1つではないので、厳密には風邪症候群なのです。
ちなみに、このクループ症候群という名前に含まれている「クループ」とは、初期近代英語の「馬のように鳴く」という意味を持つ、「croup」という動詞に由来しているそうです。つまり、風邪などの感染症に伴い、動物が鳴くような咳の症状がみられるものを、以前からクループ症候群と呼んでいたということなんですね。
ちなみに、そのクループ症候群における咳の症状がどんなものか、というのは以下の動画を参考にしてください。
確かにこの動画の中の子供がしている咳を聞いてみると、ゲホゲホ、ゴホゴホ、という一般的な咳の症状とは異なり、何かの動物が鳴いているように聞こえますよね。もし、自分の子供にこのような咳の症状がみられた場合には、早めに医師に相談をするようにしてください。
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クループ症候群は入院が必要なの?重症化してしまうケースとは?

風邪をひいてしまったときにはそんなに頻繁に入院が必要になるケースというものはありませんが、クループ症候群の症状が見られた場合には、入院が必要になるケースも少なくありません。中には命に係わるほど重症化してしまったり、実際に命を落としてしまったケースも過去には何件もあるため、入院が必要と判断されれば、すぐに入院をして適切な治療を受ける必要があります。
このクループ症候群はさらに、喉頭炎、喉頭気管炎、喉頭気管気管支炎、急性喉頭蓋炎という4つの症状に分けることができ、このうち特に、急性喉頭蓋炎と診断された場合には、重症化が懸念され、即刻入院となる可能性が高いといわれています。
では、この急性喉頭蓋炎とはどのような症状なのか、ということについて説明したいと思いますが、この症状の名前に含まれている「喉頭蓋」とは、食べ物が気管に入らないようにするための蓋のことを言います。
ここで改めて気管がどのような構造になっているのかを表している図を見ていただきたいのですが、鼻や口から肺までの空気の通り道は、途中から気管と食道とに分かれているのですが、食べ物を飲み込むときには、その食べ物が気管に入ることが無いよう、喉頭蓋という蓋が気管に蓋をすることによって、食べ物はスムーズに胃へと送られていきます。

そして、その名前からもわかりますように、この喉頭蓋はクループ症候群において炎症が起きているとされる喉頭の部分にあるわけですが、その炎症が喉頭蓋にまで影響を及ぼしてしまうと、喉頭蓋の機能にまで影響が及び、それが呼吸困難などの症状を引き起こす原因になってしまうことがあるのです。呼吸機能と密接な関係がある器官であるからこそ、それが炎症を起こしてしまうとこのように重症化が起きてしまうことがあるんですね。
もし、急性喉頭蓋炎にまで症状が発展してしまった場合には、即刻入院が必要になる可能性が高いです。特に、小さい子供はただでさえ体力が少ないですから、症状が回復するまでは入院をして、厳重な管理のもと治療を受けさせてあげることが大切です。
どのくらい入院が必要になるのか、というのは人それぞれのようですが、大体3日から1週間ほど入院をするという子供が多いようです。クループ症候群の症状は過去に命を落としてしまったケースも少なくないそうなので、もしその特徴的な症状が見られた場合には、早めに医師の方に相談をするようにしましょう。
まとめ

今回の記事ではクループ症候群とはいったいどのような症状なのかということについて詳しくまとめますとともに、入院が必要になるのはどんな時なのか、といった情報について詳しくまとめました。
このクループ症候群は特に体力の少ない小さい子供に多い症状なので、早めに医師に相談をすることが大切ですが、急性喉頭蓋炎ではなければ入院も必要ではない、ということではありません。
急性喉頭蓋炎ではなくても、苦しそうに呼吸をしていたり、実際に呼吸が困難な状況になっていて、それによって血中の酸素飽和度の減少などがみられる場合には、医師が総合的に判断して、入院が必要ですといわれることも十分にあり得ます。
クループ症候群に限らず、どの感染症も同様のことが言えますが、クループ症候群の場合は、特に呼吸機能の低下が起きやすいということが言えます。もし、夜中になって子供が苦しそうに咳をし始めた場合には、決して朝まで様子を見ようとはせず、救急に連絡して詳しい状況を説明するようにしましょう。
今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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