※シムビコートとは?うがいした水を飲むのは危険?

シムビコート(シムビコートタービュヘイラー)は、特に気管支喘息の治療に用いられる吸入タイプのお薬です。30吸入タイプと、60吸入タイプの2つのタイプのものがあり、基本的には朝夕1吸入ずつ継続的に使用して、時間をかけて気管支喘息の症状を改善していきます。

ここで、気管支喘息とはいったいどんな病気なのかというと、これは、何らかの原因によって気管支に慢性的に炎症が生じるようになってしまう呼吸器疾患のことを言います。この病気の怖いところは、その炎症部位が何らかの刺激を受けると急激な収縮を起こし、結果呼吸が困難になってしまうことがあるというところで、そうならないように気を付けながら、吸入薬を使って徐々にその炎症を鎮めていくことが気管支喘息の治療の基本となっています。

では、なぜ吸入薬を使うとその炎症が治まっていくのかという話になりますが、この吸入薬にはステロイドという成分が含まれていて、このステロイドが抗炎症剤としての効果を発揮します。ステロイドには免疫の働きを抑制する効果があるので、炎症部位、つまり免疫が過剰に働いてしまっている場所にステロイドを作用させると、徐々にその炎症を鎮めていくことができるのです。

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ただ、この吸入ステロイドを使用するにあたっては、1つ大切な注意点があります。それは、使用後には必ずうがいをするということです。これは、もし気管支喘息の治療薬を処方される場合には必ず医師からも説明があると思いますが、吸入ステロイドを使用した後は必ずうがいをして、その水は飲むことなくちゃんと吐き出してください。

こういった部分についてはきちんと医師からも説明があると思いますので、そのうがいをした水を飲むということは恐らくないと思うのですが、もしこの部分が少し曖昧になっている方は、是非この記事を最期まで読んでみてください。今回の記事では、シムビコートとはいったいどのようなお薬なのかということについて詳しくまとめますとともに、使用後にうがいをするのは何故なのか、また、その水を飲むとどうなるのか、といったことについて詳しくまとめていきたいと思います。

目次

シムビコートってどんなお薬なの?気管支喘息の治療方法はこちら!

シムビコートは、特に気管支喘息の治療に用いられるお薬であり、様々ある喘息治療薬の中でもよく用いられるお薬の1つです。

では、このシムビコートはいったいどんなお薬なのか、ということについて詳しく説明する前に、そもそも気管支喘息とはどんな病気なのかということについて簡単に説明したいと思います。

最初にも説明しましたが、気管支喘息とは気管支の慢性炎症を特徴とする呼吸器疾患の1つです。アレルギー反応やたばこ、お酒、運動、ストレス、解熱鎮痛剤(これに関する詳細はこちら)など様々な原因によって重症化することが分かっており、最悪の場合は命を落としてしまうこともあるため注意が必要な病気です。

そのため、喘息の症状が悪化しないように気を付けながら、吸入ステロイドなどのお薬を使ってその症状を徐々に改善していくというのが喘息の治療の基本であり、医師からもう大丈夫といわれるまでは継続してお薬を使い続ける必要があります。自己判断でやめてしまうとまた症状が悪化してしまう可能性もあるので、症状が落ち着いてきたら必ずかかりつけの医師の方に相談をするようにしましょう。

また、実際には喘息の治療薬は、喘息の症状をコントロールしながらその改善を目指すための長期管理薬(コントローラー)と、万が一発作が起きてしまったときにその症状を鎮めるための発作治療薬(リリーバー)という2つのタイプのものに分けることができます。もし、喘息と診断され、その治療を行っていくとなった場合には、この長期管理薬と発作治療薬の両方が処方されるので、それぞれの薬をいつ使うのかということをきちんと把握しておくことが大切です。

ちなみに、長期管理薬、発作治療薬の中にもまたいくつかの種類のものがあるので、喘息治療薬についてもっとよく知りたいという方は、是非一度以下の記事に目を通してみてください。

【※喘息大人の治療に使われる薬の種類一覧はこちら】吸入ステロイドの効果とは?…

さて、ではここでシムビコートはどんなお薬なのかという話に入っていきたいと思いますが、このシムビコートは喘息の症状をコントロールするための長期管理薬に分類されるお薬であり、気管支の炎症を抑えるためのステロイドと、その炎症による影響から細くなってしまった気管支を拡げるための気管支拡張剤が一緒に入っている吸入タイプの合剤になります。

以前はステロイドと気管支拡張剤は別々であるのが一般的でしたが、近年ではこうしたステロイドと気管支拡張剤が一緒になっている合剤を治療に用いるのが主流になってきています。こういった合剤にもまたいくつか種類があるのですが、シムビコートの場合は、「ブデソニド」というステロイド成分と、「ホルモテロール」という気管支拡張成分が含まれており、呼吸を楽にしながら炎症を徐々に抑えていくという効果が期待されるお薬となっています。

また、このシムビコートにはもう1つ重要な特徴があり、実はこのシムビコートは、長期管理薬として用いるだけではなく、発作が起きてしまった際の発作治療薬としても使えるお薬として認められています。

実は、気管支拡張剤には即効性のあるものと、遅効性で長時間作用するタイプのものがあるのですが、基本的に長期管理薬としては、後者の遅効性で長時間作用するタイプのものが用いられます。

しかし、このシムビコートに含まれているホルモテロールという成分は、長時間作用型の成分でありながら、即効性があるということが認められ、平成24年の4月から発作治療薬としても使用できるお薬として認定されたのです。

では、これにはいったいどんなメリットがあるのかというと、実は喘息の患者の中には、発作が起きてしまったときにも長期管理薬のみで対処しようとしてしまう方が結構いるそうで、そういう問題を解決するためには、このシムビコートというお薬は非常に使い勝手がよく、優秀なお薬であると言えます。

長期管理薬と発作治療薬をどんな時に使うのか把握しておくことが大切であるという話を先ほどしましたが、でも確かに、自分が発作を起こしているのかどうかというのは、初めて発作を起こしてしまったときには判断が難しいですし、いつも使わないお薬より、とりあえずいつも使っているお薬で対処してみようと考えるのは不思議なことではないですよね。

ただ、もちろんそういう場合に、普通の長期管理薬だけで対処をしようとすると、重症化が起きてしまう可能性も十分にあり得ます。なので、1つで長期管理薬としても発作治療薬としても使えるシムビコートは、とても優秀なお薬と言えるのです。

ただ、こういったステロイドを含んだ吸入薬を使用する場合には、使用した後にうがいをしなければならないという決まりがあります。では、これはいったいなぜなのかということについて次に詳しくまとめていきたいと思います。

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シムビコートの使用後にうがいをするのは何故?その水を飲むとどうなるの?

シムビコートに限った話ではなく、基本的に吸入ステロイド剤を使用した後は、うがいをして口の中をゆすぐ必要があります。そして、その水は飲むことなく吐き出してください。

では、なぜステロイドを吸入した後にうがいをする必要があるのかというと、実はステロイドを吸入した後にうがいをして、口の中に残ったステロイド成分を洗い流さないと、口腔カンジダ症という感染症が引き起こされてしまうことがあるのです。

このカンジダとはカビの一種であり、これ自体はなんら珍しいものではありません。ただ、シムビコートのような吸収ステロイドの使用後にうがいをしないと、このカンジダが口の中で大量に増えてしまうことがあります。

これは一体なぜなのかというと、吸入ステロイドは免疫の作用を弱めるお薬なので、口の中にその成分が残ってしまっていると、その影響から口の中の免疫力が低下し、結果カンジダのような細菌の繁殖が起こってしまいます。吸入ステロイドは、使用した時点できちんと気管支の炎症部位まで直接届いているため、口の中にその成分を残しておく必要はありません。必ずうがいをして、飲むことなくその水は吐き出してください。

もし水を飲んでしまった場合、それによってすぐに何らかの副作用が表れるということは考えにくいですが、もちろん体に良いというわけではありません。ただ、内服型のステロイド薬があるくらいなので、吸入ステロイドの成分を含んだ水を飲むくらいで何か怖い副作用があるとは思えませんが、もし気になるようなことがありましたら医師に相談をしてみるようにしましょう。

特に、小さい子供ですと誤ってその水を飲むことがあるかもしれませんので、そういったことが無いように親が注意してみてあげることが大切です。

また、もちろんうがいをしないのもNGです。実は、吸入ステロイドの使用後にそのままうがいをしない方って結構いるそうなんですが、それは先ほども申し上げましたように口腔カンジダ症などの原因になりますし、うがいをしないということは結局そのまま口の中に残ったステロイド成分を飲むことになってしまいます。もし、吸入ステロイドを使用した後は、必ず水でうがいをして、口内に残った余分な成分を洗い流すようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、シムビコートがどんなお薬なのかということについて詳しくまとめますとともに、シムビコートの使用後にうがいをしなければならないのはいったいどうしてなのかということについて詳しくまとめました。

こういった注意点については、お薬が処方されるときに、もちろん医師からきちんと説明がされていると思います。ただ、なぜうがいをする必要があるのか、ということについてきちんと把握をしていないと、うがいをするのをうっかり忘れてしまったということがあるかもしれません。

吸入ステロイドを使用した際には、もうその成分は気管支に直接届いているため、口内に余分な成分を残しておく必要はありません。必ず口を水でゆすいで、その水は飲むことなく吐き出してください。

今回の記事は異常になります、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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