
口呼吸と鼻呼吸、この2つは同じ「呼吸」ではありますが、実はこのうち口呼吸は非常に問題の多い危険な呼吸法であるということが指摘されており、現在多くの医師の方がその改善を促しています。
特に、この口呼吸が小さいころから慢性化してしまうと、それは子供の顔つきや歯並びの成長にまで影響してくるということが分かってきています。口呼吸が慢性化してしまうと、前歯が突出し、下あごが後退してしまうことによって、アデノイド顔貌と呼ばれる独特な顔つきになってしまう恐れがあるんです。
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また、慢性的な口呼吸は虫歯を誘発しやすいということも指摘されています。これまでに一度は虫歯の治療を受けたことがあるという方も多いのではないかと思いますが、なぜ口呼吸と虫歯が関係してくるのでしょうか。
知らないと怖い口呼吸が引き起こす問題。今回の記事では、口呼吸と口内トラブルとの関連について特に詳しくまとめていきたいと思います。
目次
口呼吸が前歯の突出の原因に?知らないと怖い歯並びと口呼吸との関連とは?

ちょっと脅かすような見出しで申し訳ありませんが、実際、口呼吸が歯並びに及ぼす影響というのは、知らないと怖いなと私は思いました。
私はもう成人していますので、口呼吸が歯並びに影響してくるようなことはありませんが、もし今回この記事をご覧になってくださっている方の中に、今小さい子供がいるという方や、これから子供がほしいと考えている方がいらっしゃいましたら、ぜひその子が口呼吸になってしまわないように気を付けていただければと思います。
現在、口呼吸は様々な問題を引き起こす原因になってしまうということが分かってきていますが、実は小さいころからの口呼吸は歯並びにまで影響し、前歯が出やすくなる原因になってしまうということが指摘されています。口呼吸が慢性化してしまうと、前歯が突出し、下あごが後退してしまうことによって形成される、アデノイド顔貌と呼ばれる独特な顔つきになってしまう恐れがあるんです。

上の図はそのアデノイド顔貌がどんなものなのかというのを絵で表したものになるのですが、もっと極端なことを言うと、アデノイド顔貌とは、まるで下の顎が無いかのような顔つきのことを言います。そういった顔つきの方をこれまでに見たことがあるという方もいると思うのですが、その骨格は、常に口をぽかんとあけてしまい、口呼吸をしてしまうようになると形成されてしまうということが指摘されているんです。
では、なぜこの顔つきがアデノイド顔貌と呼ばれているのかというと、そもそもこの「アデノイド」とは、鼻の奥にある免疫組織のことを言います。この免疫組織は5歳くらいまで大きくなり、その後は段々と小さくなっていくことが分かっているのですが、中にはこれが大きくなりすぎたり、なかなか小さくならないという方もいるそうで、結果これが原因で鼻づまりが起き、口呼吸が慢性化してしまうことによって形成されるのが、このアデノイド顔貌と呼ばれる顔つきなのです。
アデノイドの位置は、以下の図を参考にしてください。

なので、アデノイド顔貌という名前ではありますが、結果その独特な顔つきになってしまう原因は慢性的な口呼吸なんです。口呼吸自体は、アデノイドの肥大だけではなく、その他の原因による鼻づまりや、姿勢などによって誘発されてしまうこともありますので、何より大切なことは、口呼吸の症状が見受けられたら、その原因を探り、早めに改善に取り組むことです。
また、口呼吸が歯並びに影響してくるのは、ただ口をぽかんとあけてしまっているからというわけではないんです。実は口呼吸は舌の位置にまで影響し、その舌の位置こそが歯並びに影響してくる可能性があるんです。
これだけだと意味が分かりませんが、皆さんは、そもそも舌には正しい位置があるということをご存知でしょうか?これまで意識したことが無かったという方も多いと思うのですが、今口を閉じた時に、自分の舌がどの位置にあるかというのをちょっと確認してみてください。
もしその時に、舌の先が上の歯のすぐ後ろにあり、舌の平らな部分が上あごに軽くくっついているという場合には、とりあえず安心していただいて大丈夫です。それがまさに正しいとされている舌の位置になります。
しかし、この時もし舌が天井にくっついていないという方は要注意!そのような方は低位舌と呼ばれる症状が進行している可能性があり、この低位舌の症状が歯並びと大きく関係しているんです。
低位舌とは、舌が段々と低位、つまり喉の奥に落ち込んで行ってしまう症状のことを言います。言葉だと分かりづらいと思いますので、是非以下の図を参考にしていただきたいのですが、低位舌の方においては、舌が喉に落ち込み、本来正しいとされる位置にないということが分かると思います。

では、なぜこの舌の位置が歯並びに影響してくるのかと言いますと、今、正しい位置に舌があった方は、何かを飲み込むときに、その舌に天井を押し返すような力が入るというのが分かるかと思います。実はこの力が成長期においては非常に重要なんだそうで、この舌が天井を押し返す力は、正中口蓋縫合と呼ばれる上あごのつなぎ目を押し拡げる大切な役割を担っていると考えられています。
このつなぎ目は12歳位まではまだ柔らかく、容易に広がるそうなのですが、舌の力がこのつなぎ目を広げ、上あごを正しく成長させることによって、歯が並ぶスペースが確保されることが、綺麗な歯並びを作るためには非常に重要なことなんだそうです。逆にこのスペースがきちんと確保されないと、歯並びが悪くなったり、前歯が出やすくなる原因になってしまう可能性があるそうです。
正中口蓋縫合は以下の写真を参考にしてください。

本当にその程度の舌の力に意味があるのか、と思ってしまいそうですが、人は1日に2000回近くものを飲み込むといわれており、そう考えると、この力がいかに重要なものであるかということはよくわかりますよね。
また、低位舌は上あごの成長を妨げ、前歯をでやすくしてしまうというだけではなく、歯と歯の間に隙間を作ってしまうこともあるんだそうです。例えば以下の写真がそうなのですが、これをみるといかに舌の位置が大事かというのがよくわかりますよね^^;低位舌が進行し、上の歯と下の歯の間でその舌が常に前歯を押すような感じになってしまうと、このような歯の生え方をしてしまうことがあるんです。

低位舌というのは、口呼吸が慢性化し、舌が本来の位置から離れてしまうことによって進行してしまう症状です。また、この低位舌は気道の圧迫も招くため、さらに息を吸おうとして、逆に口呼吸を慢性化させてしまう原因にもなってしまいます。もし、子供が口呼吸をしてしまっていたら、是非早めに改善に取り組むようにしましょう。
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口呼吸をしている人は虫歯になりやすいって本当?虫歯と口呼吸との関連とは…

ここまで説明した内容だけでも、口呼吸とはいかに怖いものなのかというのがよくわかっていただけたのではないかと思うのですが、実は口呼吸にはこれ以外にも様々な問題を誘発する原因になってしまうということが分かってきています。
その1つが、虫歯を誘発しやすいということ。では、口呼吸をしてしまう方はなぜ虫歯になりやすいといわれているのでしょうか。
と、その前に、皆さんの中にはこれまでに虫歯の治療を受けたことがあるという方も多いと思うのですが、そもそもこの虫歯とはいったいどんな病気なのか、知っているようで実は知らないという方もまた多いのではないでしょうか?
そこで簡単に説明したいと思うのですが、虫歯とは、ミュータンス菌、通称虫歯菌と呼ばれている細菌が、歯の表面に歯垢(しこう)を作り、その歯垢の中で酸を分泌することによって、だんだんと歯が溶けて行ってしまう病気のことを言います。歯垢はプラークとも呼ばれており、これは簡単にいうと細菌が集まってできた塊です。
よく、甘いものを食べると虫歯になりやすいと言いますが、実はこのミュータンス菌は砂糖を材料にして酸を作りだすことが分かっています。そのため、甘いものを食べるとミュータンス菌は活発に活動するようになり、虫歯も進行しやすいということなんです。
さて、ではなぜ口呼吸が虫歯を誘発しやすいのかということについてですが、これは口呼吸が口内の乾燥を招きやすい、というのがその理由です。
実は私たちの口の中には、実に300種類以上にも及ぶ細菌が存在しているといわれており、こういった細菌は普段、唾液の自浄作用によってその活性がある程度抑えられています。
ミュータンス菌もその例外ではないわけですが、口呼吸をしてしまう方は口内がとても乾燥しやすいため、細菌も増加しやすく、これが虫歯や歯周病などの口内トラブルを進行させる1つの原因になってしまうと考えられているんです。
まとめ

今回の記事では、歯並びの悪化や虫歯などの口内トラブルと、口呼吸との関連について詳しくまとめました。
今回の記事を読んでいただいただけでも、口呼吸はいかに危ない呼吸法であるかというのがよくわかっていただけたのではないかと思うのですが、今回ご紹介した内容は、口呼吸が引き起こす問題の一部にすぎません。それ以外の問題に関する情報や、その口呼吸の改善方法に関する情報は、以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方は是非一度ご覧になってみてください。
今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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