これまでに、朝起きると口の中がからからになっていたことや、夜寝ている間のいびきなどを指摘されたことなどはありませんか?もしそういった症状や指摘に心当たりがある方は、夜寝ている間に口呼吸をしてしまっている可能性が高いので要注意です。
口呼吸と鼻呼吸、この2つは同じ「呼吸」ではありますが、実はこのうち口呼吸は非常に問題の多い間違った呼吸法であるということが指摘されており、現在多くの医師の方がその改善を呼びかけています。特に、歯科医師の方々はこの口呼吸による問題に着目しているようで、なんと最近では、慢性的な口呼吸が歯並びや顔つきにまで影響してくるということが分かってきているんです。口呼吸と歯の健康との関連についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
→【※注意】口呼吸をすると前歯がでたり虫歯になりやすいって本当?
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しかし、起きている間の口呼吸を改善することも大切ですが、実は夜寝ている間の口呼吸を改善することも重要で、寝ている間の口呼吸を放っておくと、それはいずれ睡眠時無呼吸症候群という病気の発症につながってしまう可能性があるということが指摘されています。
この病名を知っている方は多いかもしれませんが、その実態や、なぜこの病気が危険であるといわれているのかというところまでは知らない方も少なくないと思います。そこで今回の記事では、夜寝ている間の口呼吸が引き起こす、睡眠時無呼吸症候群について特に詳しくまとめていきたいと思います。
目次
夜の口呼吸に要注意!寝ている間の口呼吸が引き起こす睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群とは、その名前からもわかりますように、夜寝ている間に何度も何度も無呼吸の症状に陥ってしまうようになる病気です。無呼吸は基本的に10秒以上息が止まってしまうようなものを指すそうですが、中には1分以上の無呼吸を夜の間に何十回も繰り返してしまう方もいるそうです(*_*)
無意識のうちに息が止まってしまうというのは考えただけでも怖いものがありますが、実際こういった無呼吸の体への影響というのは大きいようで、こういった無呼吸の症状をそのままにしてしまうと、それはいずれ心不全や高血圧、脳血管障害などの重大な病気の発症リスクを高めてしまうということが分かってきています。そして、これが睡眠時無呼吸症候群という病気が注目されている大きな理由です。
では、なぜ口呼吸をすることが睡眠時無呼吸症候群の発症につながってしまうのかというと、これは、慢性的な口呼吸の症状によって、舌が本来あるべき位置から、喉の奥に落ち込んでしまう低位舌と呼ばれる症状が進行してしまうためであると考えられています。ちょっと言葉だけだと分かりづらいと思いますの、まず低位舌がどんなものかというのは、是非以下の写真を参考にしてください。

これをみていただきますと、正常な方と低位舌の方とでは、その舌の位置が異なるということがよくわかっていただけるのではないかと思います。また、低位舌の方においては、喉の奥に落ち込んだ舌が気道を圧迫してしまっているということもわかりますよね?
更に、夜寝ている時というのは、仰向けに寝てしまうと舌が重力の影響からさらに喉の奥に落ち込んでしまうため、この影響から低位舌の患者は気道がふさがってしまい、狭まった気道を通る際の空気の抵抗からいびきが出たり、ひどくなると息ができなくなって無呼吸に陥ってしまう、ということになるのです。
さて、では皆さんが今低位舌の疑いがあるかどうか簡単なチェックをしてみましょう。そもそも、これまで舌の位置なんて気にしたこともなかったという方も多いかもしれませんが、もし今低位舌の疑いがある場合には、いつ睡眠時無呼吸症候群を発症してもおかしくありませんので、是非確認してみてください。
そのチェックは非常に簡単です。ただ口をぴったりと閉じた時に、自分の舌がどこにあるのかを確認していただきたいのですが、もしその時に舌の先が上の歯のすぐ後ろにあり、舌の平らな部分が上あごに軽くピタッとくっついている方は、とりあえず安心していただいて大丈夫です。それが、舌が本来あるべきであるといわれる正しい位置になります。
しかし、口を閉じた時に、舌が上あごにくっついておらず、上の歯と下の歯の間で歯を押すようなことになってしまっている方は要注意!そのような方は低位舌が進行してしまっている可能性が高く、先ほども言いましたがいつ睡眠時無呼吸症候群を発症してしまってもおかしくありません。
先ほどの確認で舌が正しい位置にあった方も、今口をぽかんとあけてしまうと、舌が天井を離れ、何となく落っこちてしまうということが分かっていただけるかと思います。この積み重ねが、舌の機能を弱らせ、慢性的な低位舌の症状へとつながってしまいまうのです。
また、その低位舌によって気道が圧迫されると、今度はさらに呼吸をしやすいように口呼吸が慢性化してしまいます。つまり、口呼吸が低位舌を招き、その低位舌が口呼吸を慢性化させるという悪循環のようになってしまうわけです。
もし今既に睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるという方は、まずは一度医師に相談をすることが大切です。この病気は特に呼吸器内科の医師が専門的にみてくれるそうなので、もし近くにその専門の医師がいる場合には、まずは一度相談して、治療に取り組んでみるようにしましょう。
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低位舌、及び口呼吸を治す方法とは?

夜寝ている間に口呼吸をしてしまうということは、無意識のうちに口を開いてしまうということなので、これを改善するというのはなかなか簡単なことではありません。
ですが、口呼吸が問題視されるようになった現在では、この夜寝ている間の口呼吸を改善する様々なグッズも販売されていますので、そういったものを活用してみるのは非常に有効な手段の1つです。そこでここからは、夜寝ている間の口呼吸を治すための方法について詳しくまとめていきたいと思います。
口呼吸を改善する方法1:ガムを噛む

口呼吸を治すための方法として、ガムを噛むという方法を提唱している医師の方がいます。確かに、ガムを噛んでいるときは、自然と口が閉じられますよね。
ただ、これは夜寝ている間の口呼吸とは直接的には関係ないように思えてしまいますが、夜寝ているときに口呼吸をしてしまう方というのは、普段昼間にも無意識のうちに口呼吸になってしまっている可能性は大いにあり得ます。また、このガムを噛むという方法は、記事の中でお話した低位舌を改善するためにも有効なんだそうです。
ガムを使った低位舌改善トレーニングについては、こちらのサイトなどを参考にしてみてはいかがでしょうか?
口呼吸を改善する方法2:矯正グッズを使う

皆さんは、現在口呼吸を改善するための様々な矯正グッズが販売されているということをご存知でしょうか?こういった商品は特に夜寝ている間の口呼吸を治す方法として非常に役に立つと思いますので、夜のいびきを指摘されたことがあったり、朝起きると口の渇きがひどいなど、寝ている間に口呼吸をしている可能性がある方は、まずはそういったものを活用してみるというのも1つの方法として有効だと思います。
ではどんな商品があるのかと言いますと、夜の口呼吸の矯正グッズとして定番中の定番とも言えるのが、口が開かないように固定しておくテープです。

上の画像は小林製薬から販売されているナイトミンという商品なのですが、これ以外にもいくつかの会社から同様の商品が販売されています。口を開かないように固定する非常にシンプルな商品ではありますが、レビューを見ると結構その効果を実感している方はいらっしゃるようです。
ただ、ちょっと問題なのは、数の割に少々値段が高いという点だと思います。中には絆創膏で十分、と言っている方もいらっしゃったので、まずは絆創膏で試してみて、はがれてしまうようなら、ナイトミンのような商品を試してみるというふうにするといいのではないでしょうか。
その他、口が開かないように固定するサポーターなども色々と販売されています。

なんだかいかにも効果がありそうな気がしますが、こういったサポータータイプの商品は、効果を実感している方がいらっしゃる一方で、付けてみる跡がついて、ちょっと痛いとレビューを書いている方もいました。もちろんそれは商品にもよると思いますので、サポータータイプのものを試してみたいという方は、是非色々な商品のレビューなどを見比べてから購入するようにしましょう。
また、このサポーターに少し似た商品で、口だけを隠し、鼻を出すことによって鼻呼吸を促すマスクなども販売されています。例えば以下の画像のようなもので、このマスクは「美呼吸マスク」と検索していただくと見つけられると思います(^^)

ゴムで耳が痛くならないか心配だったけど、大丈夫でしたというレビューがありましたので、非常に使いやすい商品だと思います。お値段も1000円くらいですので、1つ持っておくといいかもしれませんね。
また、この他にもマウスピースのような商品も口呼吸を治すグッズとして販売されています。例えば、三晴社から販売されているブレストレーナーなどがその1つです。

本気で口呼吸を改善したいと考えている方は、今ご紹介したような商品を1つは持っておいてもいいのではないかと思います(^^)どれもそんなにとびぬけてお値段が高いわけではありませんので、是非こういったものを活用してみてください。
口呼吸を改善する方法3:あいうべ体操

最近、口呼吸を治す方法として、あいうべ体操と呼ばれる体操が徐々に広まりつつあるのですが、皆さんはご存知でしたでしょうか?このあいうべ体操はみらいクリニックの院長を務める今井一彰さんという方が考案した方法なのですが、本も出版されている他、過去にはテレビでも紹介されています。
このあいうべ体操は、その名前からもわかりますようにあ~い~う~べ~と口を大きく動かすことによって、口周りの筋肉や、舌を鍛えることで、口呼吸の改善を促す方法です。最後のべ~では、舌を顎につくようにだすそうです。
このあいうべ体操の詳しいやり方は、以下の画像が参考になると思います。簡単な方法ですので、口呼吸が気になる方は是非空いた時間に取り組むようにすると良いのではないでしょうか(^^)

口呼吸改善の専用マウスピース、スリープスプリントとは?

先ほど、口呼吸を改善するための矯正グッズとして、ブレストレーナーをご紹介しましたが、病院によっては、口呼吸及び無呼吸を改善するための、その患者に合った形のマウスピースを作ってくれるところもあります。
この口呼吸の治療に用いられるマウスピースはスリープスプリントと呼ばれるタイプのもので、歯ぎしりを防いだり、スポーツ選手が付けるようなマウスピースとは、その機能に決定的な違いがあります。
スリープスプリントの例はこちら↓

実はスリープスプリントと呼ばれるタイプのものは、舌の歯(つまり下あご)が前に出るように作られており、これが低位舌によって圧迫される気道を拡げるのに有効なんだそうです。
スリープスプリントについて気になるという方は、是非近くの病院でこういったものを取り扱っているか聞いてみてはいかがでしょうか?
まとめ

今回の記事では、夜寝ている間の口呼吸が引き起こす、睡眠時無呼吸症候群に関する情報について詳しくまとめました。
1分間息を止めるのって、自分でやってみると思ったよりもつらいなと思いました。こういった無呼吸が夜寝ている間に無意識に何度も何度も起こると考えると、ちょっとゾッとしますよね(-_-;)
体への負担は半端ではなさそうなので、もし現在いびきや無呼吸などの症状を指摘されているという方は、特に気にならないからと言って決してそのままにはしないように気を付けてください。
今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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