
皆さんはこれまでに、扁桃腺が腫れてしまったという経験はありませんか?扁桃腺とは、喉の奥の両脇にあるリンパ組織のことで、口から侵入してくる細菌やウイルスに対抗するための抗体などを作り、体を守る役割を担っています。
私は以前扁桃腺がひどく腫れてしまったことがあるのですが、あまりにも痛くて全く食事ができなかったのをよく覚えています。お腹はすいていても扁桃腺が痛くてものが飲み込めないので、仕方なく喉の痛みに効くといわれるはちみつ大根を作って、その汁をすすっていました…笑
スポンサードリンク
私と同じように、扁桃腺が腫れてしまい、その激痛に苦しんだことがあるという方は多いと思うのですが、その扁桃腺の腫れが結構頻繁に起こってしまうという方は、ちょっと自分が口呼吸をしてしまっていないか意識してみるようにしてください。
鼻呼吸と口呼吸、この2つは同じ「呼吸」ではありますが、実は口呼吸は様々な危険を伴う間違った呼吸法であるということが指摘されており、現在多くの医師の方がその改善を呼びかけています。そしてなんと最近では、その慢性的な口呼吸がある腎臓病の原因となり、その結果、扁桃腺を摘出しなければならないという事態にまで発展してしまう可能性があるんです。
ちょっと話が飛躍しているように聞こえるかもしれませんが、口呼吸が腎臓病と関連しているというのはどうやら本当のことらしいので、皆さんも自分の呼吸法については是非気を付けてください。ということで今回の記事では、口呼吸が腎臓病と関係しているとはいったいどういうことなのか、そして扁桃腺を摘出しなければならないのはいったいどうしてなのか、口呼吸が引き起こす問題に関する情報について詳しくまとめていきたいと思います。
目次
【扁桃腺が腫れやすい方要注意!】慢性的な口呼吸が引き起こす腎臓病とは…

口呼吸が腎臓病の原因になると聞いたとき、ほとんどの方がそれって本当なの?と不思議に思うと思いますし、私自身最初はそう思いました。しかしこれは、その腎臓病の患者を2000人以上診てきた堀田修さんという医師の方が指摘していることであり、堀田さんの話によると、その患者の多くにおいて、慢性的な口呼吸によっておこる、上あごの突出や下あごの後退、唇の肥大や乾燥などの特徴が見られたというのです。(最近では、慢性的な口呼吸は歯並びや顔つきに影響してくるということがわかってきています)
その腎臓病とはiga腎症と呼ばれる病気であり、この病気は簡単に言うと、体内で生成されるigaと呼ばれる抗体が腎臓周辺に蓄積することによって、だんだんと腎臓の機能が低下していってしまう病気のことを言います。この病気は症状が悪化すると人工的に血液をろ過しなければならない透析治療も必要になる病気で、難病に指定されています。
この病気のメカニズムは未だに完全に解明されているわけではないのですが、実はその原因は扁桃腺にあるのではないかということが最近では分かってきているそうです。口呼吸が原因であると言ったり、扁桃腺が原因であると言ったり、ちょっとわかりにくくて申し訳ないのですが、わかりやすくまとめると、慢性的な口呼吸によって口内の免疫力が低下し、扁桃腺における炎症が起きやすくなることによって、iga腎症の症状が進行してしまうのではないかと考えられているのです。
実はこのiga腎症の原因となるigaと呼ばれる抗体は扁桃腺で作られており、口から入ってきた細菌を無力化するために複合体を形成します。そして、その複合体が腎臓周辺に蓄積することによって発病するのがそのiga腎症と呼ばれる病気なのですが、口呼吸をすると細菌やウイルスを吸い込みやすくなる他、口内が乾燥して扁桃腺における細菌感染が起きやすくなり、必然的にigaが多く産生されてしまうため、それが腎臓にまで影響を及ぼしてしまうと考えられているというわけなんです。
もちろん、そう考えられているのにはちゃんと理由があって、iga腎症の患者が扁桃腺を摘出したところ、その症状が回復したという例があるんだそうです。
本来であればiga複合体もちゃんと処理をされて排出されるはずなのですが、慢性的な口呼吸はその処理が追いつかないほどiga複合体の形成を促してしまうというのが、iga腎症という病気の根本的な原因であったというのです。まさか喉にある扁桃腺の働きが、腎臓病にまで関係しているというのは驚きですよね。
そして、なんといっても怖いのが、その根本的な原因である口呼吸です。実は最近では、その口呼吸は非常に様々な問題を引き起こす原因になるということが分かってきています。
スポンサードリンク
口呼吸が引き起こす問題とは?口呼吸で顔つきが変わるってどういうこと?…

先ほど少しだけ触れましたが、実は小さいことから口呼吸をしてしまうと、それはその子供の歯並びや顔つきまで変えてしまう原因になってしまうということが最近では分かってきています。
また、その他にも慢性的な口呼吸は様々な問題を引き起こす原因になってしまうということが分かってきているんです。ではその問題とはいったい何なのか、詳しくまとめていきたいと思います。
1:感染症の発症リスクを高める

これは先ほどのiga腎症の話とも関係する話ですが、口呼吸が慢性化してしまっている方は、鼻呼吸をしている方に比べて、感染症にかかるリスクが高くなるといわれています。
そもそも、口と鼻はどちらも呼吸ができる器官ではあるのですが、その本来の役割にはちゃんと違いがあり、鼻には、繊毛や粘液で異物を取り除くことで、空気をある程度綺麗にするフィルターとしての働きがある他、冷たい空気を加湿して温かい状態にしてから肺の方へ送る役割を担っています。
一方、口で呼吸をすると、冷たい空気を異物を多く含んだまま吸い込んでしまうようになるため、その影響から自然と感染症を発症するリスクは高くなってしまうそうです。
2:集中力の低下や体の疲れを引き起こす

口呼吸が慢性化してしまうと、それは集中力の低下や体の疲れを引き起こす原因になってしまうということも指摘されています。
実は過去に行われた研究において興味深いデータを示すものがあり、なんと口呼吸は、鼻呼吸に比べて、体への酸素供給量が18%も減少するということが報告されています。
何となく口の方がたくさん空気を取り込めているような気がしてしまいますが、実は空気中の酸素を肺胞に取りこませるためには空気の湿度や温度が重要であり、その点に着目すると、口から吸った空気に比べ、鼻から取り込んだ空気の方が、結果的によく肺胞になじむんだそうです。
こういった理由もあって、口呼吸をしてしまう方は何となく集中力が低下しやすかったり、体が疲れやすいといわれています。なんだか最近体がだるい…そう感じる方は、もしかしたらいつの間にか口呼吸をしてしまっているようなことはありませんか?
3:口臭や歯周病の原因になる

口呼吸が慢性化してしまうと、口臭が強くなったり、虫歯や歯周病がひどくなる可能性があるとされています。これは口呼吸によって口内が乾燥し、口内細菌の繁殖を抑える役割を担う唾液が不足してしまうのがその原因です。
知らない方も多いかもしれませんが、私たちの口内には、実に300種類もの細菌が存在しているといわれています。ただ、こういった細菌も普段は唾液の自浄作用によってその繁殖が抑えられているわけですが、口呼吸が慢性化してしまうと、乾燥した環境を好む細菌はここぞとばかりに増えてしまい、結果細菌の塊であるプラークなどもできやすくなって、これが歯周病や口臭の原因になってしまうのです。
4:睡眠時無呼吸症候群の原因になる

睡眠時無呼吸症候群とは、その名前の通り、睡眠中に息ができなくなり、10秒以上の無呼吸を何度も何度も繰り返してしまう病気です。中には、1分以上も呼吸が止まってしまう方もいるそうです(-_-;)
この病気の方は、無呼吸の影響から何度も夜中に脳が起きてしまうため、結果十分な休養が取れず、昼間に眠気が表れてしまうのがその主な症状として知られています。
しかし、この病気が近年注目されている理由はそこではなく、実はこの病気は、症状をそのままにしておくと、脳血管障害、高血圧、心不全などの重大な病気のリスクが高くなる可能性があるということが分かってきているんだそうです。
睡眠時無呼吸症候群はその多くの方がひどいいびきの症状を伴うそうなので、これにあてはまる方は注意が必要ですが、今回お話している口呼吸が睡眠時無呼吸症候群の原因になる可能性があるのは、口呼吸が低位舌と呼ばれる症状の原因になる可能性があるからです。
皆さんは普段、自分の舌の位置を意識することなんてほとんどないと思うのですが、口をしっかりと閉じて舌の位置を意識すると、舌は上の歯のすぐ後ろにあって、口の中の天井部分に軽くくっついているということが分かると思います。
これが、本来正しいとされている舌の位置なのですが、口で呼吸をするために口をぽかんとあけてみると、その舌は天井から離れてしまいますよね。このぽかん口で口呼吸をする習慣が身についてしまうと、いつの間にか舌は段々と喉の奥の方に落ち込んでしまうようになり、この症状を、低位舌と呼ぶのです。以下の画像を見ていただくと低位舌がどんなものか分かりやすいかと思います。

そして、この低位舌こそが、口呼吸を慢性化させてしまう1つの原因として指摘されています。上の画像を見ていただくと、低位舌の方は正常な方に比べ、舌によって気道がふさがれてしまい、息を吸いづらそうですよね?すると、低位舌の方はさらに息を吸いやすいように口で呼吸をする癖がついてしまうんだそうです。まさに悪循環ですね…!
そして、この低位舌の症状が特にひどくなるのが寝ている時であり、今起きている状態でも、口をあけて上を向くと、舌は何となく喉の方に落ち込んでしまうというのが分かると思います。そして、この低位舌の症状がひどくなると、寝ているときに喉に落ち込んだ舌によって呼吸が苦しくなり、その抵抗からいびきが出たり、睡眠時無呼吸症候群の症状が表れてしまうと考えられているのです。
ちなみに、この睡眠時無呼吸症候群は何となく中年の方に多い病気というイメージがある方も多いと思うのですが、子供でも発症することがあるそうです。詳しくはこちらのサイトなどを参考にしてみてください。
5:骨格や歯並びにまで影響を及ぼす

実は、口呼吸が小さいころから身についてしまうと、それは顔の骨格や歯並びにまで影響してくるということが分かってきています。口呼吸が骨格や歯並びにまで影響すると聞いても、いまいちピンとこないと思うのですが、実はこれにも、先ほど説明した舌の位置が大きく関係しています。
まず、先ほど舌は、上の歯のすぐ後ろにあって、天井に軽くくっついているのが正しい位置であるという話をしたのですが、そのまま唾を飲み込むと、その舌に、天井を押し返すような力が入るということが分かると思います。
実はこれがとても重要で、この舌が天井を押し返す力は、正中口蓋縫合と呼ばれる上あごのつなぎ目を押し拡げる重要な役割を担っていると考えられています。
このつなぎ目は12歳位まではまだ柔らかく、容易に広がるそうなのですが、舌の力がこのつなぎ目を広げ、上あごを正しく成長させることによって、歯が並ぶスペースが確保されることが、綺麗な歯並びを作るためには非常に重要なことなんだそうです。正中口蓋縫合は以下の写真を参考にしてください。

人は1日に2000回近くものを飲み込むといわれており、そう考えると、この力がいかに重要なものであるかということはよくわかりますよね。
また、小さい頃から口呼吸が身についてしまった方は出っ歯になりやすく、その影響から、まるで顎が無いかのような、独特な顔つきに成長してしまう可能性があることが分かってきています。この顔つきはアデノイド顔貌と呼ばれているのですが、このアデノイド顔貌については以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。
→※アデノイド顔貌は治るの?その特徴や原因の口呼吸について解説します!
また、低位舌は上あごの成長を妨げ、出っ歯になりやすくしてしまうというだけではなく、歯と歯の間に隙間を作ってしまうこともあるんだそうです。例えば以下の写真がそうなのですが、これをみるといかに舌の位置が大事かというのがよくわかりますよね^^;低位舌が進行し、上の歯と下の歯の間でその舌が常に前歯を押すような感じになってしまうと、このような歯の生え方をしてしまうんですね。

また、低位舌の方は寝ているときに呼吸が苦しくなってしまうため、その結果横を向いて寝てしまうようになり、その影響から顔のどちらかの側面に偏って重力がかかってしまうため、これも歯並びを悪くする原因になると指摘されています。歯並びと口呼吸、及び低位舌は本当に密接な関係を持っているんですね(-_-;)
まとめ

今回の記事では、口呼吸が腎臓病を引き起こす原因になるとはいったいどういうことなのか、口呼吸とiga腎症との関連についてまとめますとともに、その他口呼吸が引き起こす様々な問題に関する情報について詳しくまとめました。
風邪をひきやすかったり、扁桃腺が腫れやすい方は、もしかしたら普段自分が口呼吸をしてしまっていることが無いかよく意識してみてください。そして、もし口呼吸かもしれないと思ったら是非早めにその改善に取り組むようにしましょう。
口呼吸の改善方法についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
今回の記事は以上になります、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
スポンサードリンク
コメントを残す