皆さんは普段、自分が鼻で呼吸をしているのか、口で呼吸をしているのか意識したことはありますか?また、今口と鼻の両方でそれぞれ呼吸をしてみた時、いったいどちらの方が楽だと感じるでしょうか?
おそらくこの時、口で呼吸をする方が何となく楽だなと感じる方は多いと思います。実際、きっとぼーっとしているときに口呼吸になってしまっている方は多いのではないでしょうか。そういった症状に心あたりがある方も多いかもしれませんが、これは、口呼吸が自分にとって楽になってしまっているという証拠に他なりませんね。
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しかし、もしこの先いつの間にか口呼吸になってしまっている自分に気が付いたら、もしそっちの方が楽だと感じても、是非早めに意識して鼻呼吸への改善に取り組んでみてください。実はこの口呼吸、最近では非常に問題の多い間違った呼吸法であることが分かってきているんです。
そこで今回の記事では、じゃあいったい口呼吸は何がいけないのか、口呼吸が引き起こす可能性がある様々な問題に関する情報などについて詳しくまとめていきたいと思います。
目次
口呼吸が引き起こす問題はこちら!口呼吸の方が楽だと感じる方は要注意です!

普段、ぼーっとしているときに、気付いたら口呼吸をしてしまっているようなことはありませんか?例えば、家でスマホやパソコンなどをいじっているときなど、周りの目を気にしていない時です。
口呼吸と鼻呼吸、比べてみると口呼吸の方が楽、という方は多分多いと思うのですが、実はその口呼吸は非常に様々な問題を引き起こす原因になってしまいますので要注意!そういった問題の中には、あとあと取り返しのつかないような深刻な問題もあるんです。
では、実際口呼吸はどんな問題を引き起こす原因になってしまう可能性があるのか、詳しくまとめていきたいと思います。
1:感染症の発症リスクを高める

まず、口呼吸が慢性化してしまっている方は、鼻呼吸をしている方に比べて、感染症にかかるリスクが高くなるといわれています。
そもそも、口と鼻はどちらも呼吸ができる器官ではあるのですが、その本来の役割にはちゃんと違いがあり、鼻には、繊毛や粘液で異物を取り除くことで、空気をある程度綺麗にするフィルターとしての働きがある他、冷たい空気を加湿して温かい状態にしてから肺の方へ送る役割を担っています。
一方、口で呼吸をすると、冷たい空気を異物を多く含んだまま吸い込んでしまうようになるため、その影響から自然と感染症を発症するリスクは高くなってしまうそうです。
2:集中力の低下や体の疲れを引き起こす

口呼吸が慢性化してしまうと、それは集中力の低下や体の疲れを引き起こす原因になってしまうということも指摘されています。
実は過去に行われた研究において興味深いデータを示すものがあり、なんと口呼吸は、鼻呼吸に比べて、体への酸素供給量が18%も減少するということが報告されています。
何となく口の方がたくさん空気を取り込めているような気がしてしまいますが、実は空気中の酸素を肺胞に取りこませるためには空気の湿度や温度が重要であり、その点に着目すると、口から吸った空気に比べ、鼻から取り込んだ空気の方が、結果的によく肺胞になじむんだそうです。
こういった理由もあって、口呼吸をしてしまう方は何となく集中力が低下しやすかったり、体が疲れやすいといわれています。なんだか最近体がだるい…そう感じる方は、もしかしたらいつの間にか口呼吸をしてしまっているようなことはありませんか?
3:口臭や歯周病の原因になる

口呼吸が慢性化してしまうと、口臭が強くなったり、虫歯や歯周病がひどくなる可能性があるとされています。これは口呼吸によって口内が乾燥し、口内細菌の繁殖を抑える役割を担う唾液が不足してしまうのがその原因です。
知らない方も多いかもしれませんが、私たちの口内には、実に300種類もの細菌が存在しているといわれています。ただ、こういった細菌も普段は唾液の自浄作用によってその繁殖が抑えられているわけですが、口呼吸が慢性化してしまうと、乾燥した環境を好む細菌はここぞとばかりに増えてしまい、結果細菌の塊であるプラークなどもできやすくなって、これが歯周病や口臭の原因になってしまうのです。
4:睡眠時無呼吸症候群の原因になる

睡眠時無呼吸症候群とは、その名前の通り、睡眠中に息ができなくなり、10秒以上の無呼吸を何度も何度も繰り返してしまう病気です。中には、1分以上も呼吸が止まってしまう方もいるそうです(-_-;)
この病気の方は、無呼吸の影響から何度も夜中に脳が起きてしまうため、結果十分な休養が取れず、昼間に眠気が表れてしまうのがその主な症状として知られています。
しかし、この病気が近年注目されている理由はそこではなく、実はこの病気は、症状をそのままにしておくと、脳血管障害、高血圧、心不全などの重大な病気のリスクが高くなる可能性があるということが分かってきているんだそうです。
睡眠時無呼吸症候群はその多くの方がひどいいびきの症状を伴うそうなので、これにあてはまる方は注意が必要ですが、今回お話している口呼吸が睡眠時無呼吸症候群の原因になる可能性があるのは、口呼吸が低位舌と呼ばれる症状の原因になる可能性があるからです。
皆さんは普段、自分の舌の位置を意識することなんてほとんどないと思うのですが、口をしっかりと閉じて舌の位置を意識すると、舌は上の歯のすぐ後ろにあって、口の中の天井部分に軽くくっついているということが分かると思います。
これが、本来正しいとされている舌の位置なのですが、口で呼吸をするために口をぽかんとあけてみると、その舌は天井から離れてしまいますよね。このぽかん口で口呼吸をする習慣が身についてしまうと、いつの間にか舌は段々と喉の奥の方に落ち込んでしまうようになり、この症状を、低位舌と呼ぶのです。以下の画像を見ていただくと低位舌がどんなものか分かりやすいかと思います。

そして、この低位舌こそが、口呼吸を慢性化させてしまう1つの原因として指摘されています。上の画像を見ていただくと、低位舌の方は正常な方に比べ、舌によって気道がふさがれてしまい、息を吸いづらそうですよね?すると、低位舌の方はさらに息を吸いやすいように口で呼吸をする癖がついてしまうんだそうです。まさに悪循環ですね…!
そして、この低位舌の症状が特にひどくなるのが寝ている時であり、今起きている状態でも、口をあけて上を向くと、舌は何となく喉の方に落ち込んでしまうというのが分かると思います。そして、この低位舌の症状がひどくなると、寝ているときに喉に落ち込んだ舌によって呼吸が苦しくなり、その抵抗からいびきが出たり、睡眠時無呼吸症候群の症状が表れてしまうと考えられているのです。
ちなみに、この睡眠時無呼吸症候群は何となく中年の方に多い病気というイメージがある方も多いと思うのですが、子供でも発症することがあるそうです。詳しくはこちらのサイトなどを参考にしてみてください。
5:骨格や歯並びにまで影響を及ぼす

実は、口呼吸が小さいころから身についてしまうと、それは顔の骨格や歯並びにまで影響してくるということが分かってきています。口呼吸が骨格や歯並びにまで影響すると聞いても、いまいちピンとこないと思うのですが、実はこれにも、先ほど説明した舌の位置が大きく関係しています。
まず、先ほど舌は、上の歯のすぐ後ろにあって、天井に軽くくっついているのが正しい位置であるという話をしたのですが、そのまま唾を飲み込むと、その舌に、天井を押し返すような力が入るということが分かると思います。
実はこれがとても重要で、この舌が天井を押し返す力は、正中口蓋縫合と呼ばれる上あごのつなぎ目を押し拡げる重要な役割を担っていると考えられています。
このつなぎ目は12歳位まではまだ柔らかく、容易に広がるそうなのですが、舌の力がこのつなぎ目を広げ、上あごを正しく成長させることによって、歯が並ぶスペースが確保されることが、綺麗な歯並びを作るためには非常に重要なことなんだそうです。正中口蓋縫合は以下の写真を参考にしてください。

人は1日に2000回近くものを飲み込むといわれており、そう考えると、この力がいかに重要なものであるかということはよくわかりますよね。
また、小さい頃から口呼吸が身についてしまった方は出っ歯になりやすく、その影響から、まるで顎が無いかのような、独特な顔つきに成長してしまう可能性があることが分かってきています。この顔つきはアデノイド顔貌と呼ばれているのですが、このアデノイド顔貌については以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。
→※アデノイド顔貌は治るの?その特徴や原因の口呼吸について解説します!
また、低位舌は上あごの成長を妨げ、出っ歯になりやすくしてしまうというだけではなく、歯と歯の間に隙間を作ってしまうこともあるんだそうです。例えば以下の写真がそうなのですが、これをみるといかに舌の位置が大事かというのがよくわかりますよね^^;低位舌が進行し、上の歯と下の歯の間でその舌が常に前歯を押すような感じになってしまうと、このような歯の生え方をしてしまうんですね。

また、低位舌の方は寝ているときに呼吸が苦しくなってしまうため、その結果横を向いて寝てしまうようになり、その影響から顔のどちらかの側面に偏って重力がかかってしまうため、これも歯並びを悪くする原因になると指摘されています。歯並びと口呼吸、及び低位舌は本当に密接な関係を持っているんですね(-_-;)
6:腎臓病の原因になる可能性がある

まだあるのかよ!と思ってしまいますが、実は口呼吸は、iga腎症と呼ばれる腎臓病の発症リスクを高めてしまう可能性があるということが現在指摘されています。このiga腎症とは、体内に存在するigaと呼ばれる抗体が抗原と結合して複合体を作り、それが腎臓内部の器官の一部分に蓄積することによって、段々と腎臓が機能不全に陥ってしまう病気です。この病気は、症状が進行すると透析治療も必要になります。
口で呼吸をすることが腎臓にまで影響するってどういうこと?本当に関係あるの?と、私も最初は思ったのですが、どうやらこの話に嘘は無いようで、口呼吸が確実に関係しているという証拠は無いようですが、この患者を2000人以上診てきたという堀田さんという医師の方によると、その患者の多くにおいて慢性的な口呼吸患者において見られる特徴が観察されたということらしいのです。これはいったいなぜなのでしょうか…
詳しくは以下の記事でまとめていますので、気になる方は是非読んでみてください。
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スポーツ選手に喘息の方が多いのは口呼吸が関係していた?…

皆さんは、スポーツ選手には意外と気管支喘息の患者が多いということをご存知でしょうか?気管支喘息とは、気管支に慢性的に炎症が生じてしまうようになる免疫疾患の1つで、これを治療するためには吸入ステロイドによる長期的な抗炎症治療が必要になります。
最近では、レスリングの吉田沙保里選手が実は喘息を発症していた、ということで話題になっていましたが、吉田選手以外にも、トップアスリートの方で喘息を発症してしまう方というのは意外と多いんだそうです。スポーツ選手ってなんだか気管支などもよく鍛えられていて、そういった呼吸器疾患を患うというイメージは僕の中ではあまりなかったのですが、実はその逆で、スポーツに力を入れて取り組んでいる方ほど、実は喘息の発症リスクも高くなってしまう傾向にあるんだそうです。
そしてそれは、もはや言うまでもなく「口呼吸」が1つの原因として挙げられています。皆さんもこれまでに一度はスポーツ経験があると思いますので、感覚的にわかると思うのですが、スポーツをするときって、鼻で呼吸をするのはちょっと苦しいですよね。口呼吸の方が、皆さん絶対に楽だと感じると思います。
しかし、このスポーツ時の口呼吸も、健康面について考えるとNGな行為なんです。それは、先ほど説明した口呼吸によって引き起こされる様々な問題についてみてみても明らかですよね。腎臓病の原因になる可能性もあるくらいですから、この口呼吸が免疫系に影響を及ぼし、気管支喘息の原因になってしまったとしてもなんら不思議な話ではありません。
実は、当ブログの管理人である私も、以前は気管支喘息の症状に悩んでいた時期がありました。小さいころは風邪などひいたこともなかったのに、いつのまにか風邪をひきやすくなってしまい、免疫力が低下したな~と本気で悩んでいた時期もあったんです。
しかし、今考えてみると、それはもしかしたら口呼吸が原因だったんじゃないかなとすごく思います。私は小学生のころから高校3年生までずっとスポーツと関わって生きてきたのですが、特に長距離走が得意で、めちゃめちゃ口呼吸していたんですよね…。小さいころからもともとアレルギー体質ではあったのですが、そういったスポーツ時の口呼吸が喘息の発症につながってしまったということは、可能性として大いにあり得ることだなと思います。
まとめ

今回の記事では、口呼吸が引き起こす様々な問題に関する情報について詳しくまとめました。
口呼吸と鼻呼吸とでは、口呼吸の方が楽だと感じる方はきっと多いと思うのですが、それによるデメリットを考えると、早めに鼻呼吸への改善、定着に取り組んだ方があとあと自分のためになるのは間違いありません。
スポーツをしている時には、少しくらい口で呼吸をしてしまうことは仕方のない部分もあるのではないかと思いますが、家でぼーっとしているときなど、普段の生活の中で口呼吸をするのが癖になってしまっているという方は、是非早めにその改善に取り組むようにしましょう。
口呼吸の改善方法に関する情報は以下の記事で詳しくまとめています。気になる方は是非一度ご覧になってみてください。
今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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