口呼吸と鼻呼吸、この2つは同じ「呼吸」ではありますが、実は口呼吸は非常に多くのデメリットを伴う間違った呼吸であるということが指摘されており、現在多くの医師がその改善、及び治療を呼びかけています。
特にこの口呼吸の危険性について指摘し、治療を呼びかけているのが歯科医師の方々です。何故歯科医師の方々が口呼吸の危険性について注目しているのかというと、実は近年、慢性的な口呼吸はなんと歯並びにまで影響してくるということが段々と分かってきているからなんです。
スポンサードリンク
この詳細についてはまた後程詳しくまとめていきたいと思いますが、今回この記事をご覧になってくださっている方の中には、口呼吸について何らかの問題を感じ、その治療を行いたいと考えている方が多いのではないかと思います。そこで、何科の病院に相談をしたらいいのか知りたいということで記事をご覧になってくださっているのだと思いますが、そういった方々は、そもそもなぜ自分が口呼吸をしてしまうのか、その原因について把握していますか?
最近、口呼吸をしてしまう方は増加傾向にあり、特に日本は、欧米に比べて口呼吸をしてしまう割合が多いといわれています。はたしてこれはいったいどうしてなのか、今回の記事では、口呼吸をしてしまう原因や、口呼吸が気になる方は何科の病院に相談をしたら良いのか、という内容を中心にまとめていきたいと思います。
目次
口呼吸の治療は何科の病院に相談をしたらいいの?その詳細はこちら!

自分が口呼吸をしてしまう癖があったり、なんだか自分の子供がどうしても口呼吸をしてしまう癖があるということで、その治療を行いたいと考えている方って結構少なくないと思います。口呼吸って見た目も良くないですし、後程詳しく説明しますが、それによって引き起こされる問題の中には知らないと本当に怖いものもあるんです。
ではいったい何科の病院に相談をしたら良いのかということですが、その口呼吸をしてしまうようになる原因によって、相談をするべき病院は変わってきます。まず、慢性的な鼻づまりが原因となって口呼吸をしてしまっているという場合には、耳鼻咽喉科のある病院に相談をするようにしましょう。
何とも当たり前の話ですが、鼻づまりの原因には色々なものがあり、しっかりと病院で診てもらわないと、いつまでたっても鼻づまりが良くならないなんてこともあり得ます。例えば、もし最近鼻づまりがひどくて口呼吸になってしまっているという場合、その原因が鼻茸とよばれるポリープである場合には、切除をしないといつまでたっても良くなりません。
また、小さいお子さんが鼻づまりの症状から口呼吸になってしまっている場合には、鼻の奥にあるアデノイドと呼ばれる組織の肥大がその原因になっている可能性もあります。
鼻づまりによって口呼吸になってしまっているといっても、その鼻づまりの原因は人それぞれ違ったりします。もし、自分は鼻づまりが原因だと感じる方は、耳鼻咽喉科の医師にまずは相談をしてみるようにしましょう。
また、口呼吸をしてしまう原因として、歯並びの悪さも大きく関係してきます。例えば、出っ歯になってしまっていて、それが原因で口が閉じづらくなってしまっていることによって口呼吸になってしまっている場合には、歯科医師に相談するのが一番ですね。
すごく当たり前のような話ですが、自分がなぜ口呼吸をしているのか、その原因について考えるうえで参考になればと思います。また、もし口呼吸というより、夜に口呼吸をしてしまい、そのせいでいびきをかいてしまうのが気になる、という場合には、呼吸器内科などで相談に乗ってくれるそうです。私も喘息の症状がありますので、呼吸器内科にはこれまでに何度もお世話になりました。
ただ、耳鼻咽喉科も、歯科も、呼吸器内科も、全てが口呼吸について相談に乗ってくれるか、というのはわかりません。もし治療に関してどこかの病院に相談したいなと思ったら、まずは電話で相談に乗ってもらうのが良いかもしれませんね(^^)
そもそも、なぜ口呼吸になってしまうのか…

最近、日本では口呼吸をしてしまう方が増加傾向にあるといわれており、子供の大半は口呼吸であるとも言われています。本当かどうか定かではありませんが、8割は口呼吸と指摘する医師の方もいます。
過去に幼児を対象に行われた調査では、保護者からの申告で、約21%の割合の幼児において口呼吸が認められたそうです。また、小学校高学年を対象に行われた専門家の診察では、その割合は倍以上の約半数の方において見られたということです。いずれにせよ口呼吸をしてしまうようにある子供は増加傾向にあるということは間違いないようです。
先ほど、鼻づまりや歯並びが口呼吸を誘発する原因になってしまうという話をしましたが、これはある意味仕方のないことではありますよね。鼻がつまっていたら、残るは口で呼吸をするしかありません。特に小さいお子さんの場合、鼻がつまっていてもそれほど気にせず、いつの間にか口呼吸が慢性化してしまったというパターンもたくさんあると思います。
しかし、特に鼻にも歯並びにも異常がないのに口呼吸が癖になってしまうということもあるそうです。特に日本人は欧米の人に比べて日ごろから口呼吸をしてしまっている方が多く、これは小さいころにおしゃぶりを早くにやめてしまうことが大きく関わっているということが指摘されています。
実は、まだ母乳を飲んでいる赤ちゃんの頃は、誰もがみんな鼻呼吸であるということが言われています。しかし、その鼻呼吸が定着する前におしゃぶりをやめてしまうと、いつの間にか口呼吸をしてしまうようになる方が増えてしまうといわれているんです。日本では長くても2歳くらいでおしゃぶりをやめる子が多いんじゃないかなと思いますが、なんと欧米では4歳くらいまでおしゃぶりをさせているという家庭も多いそうですよ。ちょっと日本じゃ考えにくいですよね^^;
そしてその口呼吸が、さらに口呼吸をしやすいように顔を成長させてしまい、気が付いたら慢性化してしまった、ということになるんです。口呼吸が、口呼吸をしやすいように顔を成長させるとはいったいどういうことなのか、詳しくは次の項目でまとめていきたいと思います。
スポンサードリンク
口呼吸によって引き起こされる問題はこちら!口呼吸が歯並びや顔つきにまで影響するってご存知ですか?

口で呼吸をするか、鼻で呼吸をするか、たったこれだけの違いでも、それがずっと続いてしまうと、どうやらそれは体にとっては大きな違いとなり、ある症状として表れてしまう可能性があるそうです。
では、口呼吸によって引き起こされる問題にはいったいどんなものがあるのか、詳しくまとめていきたいと思います。
1:感染症の発症リスクを高める

まず、口呼吸が慢性化してしまっている方は、鼻呼吸をしている方に比べて、感染症にかかるリスクが高くなるといわれています。
そもそも、口と鼻はどちらも呼吸ができる器官ではあるのですが、その本来の役割にはちゃんと違いがあり、鼻には、繊毛や粘液で異物を取り除くことで、空気をある程度綺麗にするフィルターとしての働きがある他、冷たい空気を加湿して温かい状態にしてから肺の方へ送る役割を担っています。
一方、口で呼吸をすると、冷たい空気を異物を多く含んだまま吸い込んでしまうようになるため、その影響から自然と感染症を発症するリスクは高くなってしまうそうです。
2:口臭や歯周病の原因になる

口呼吸が慢性化してしまうと、口臭が強くなったり、虫歯や歯周病がひどくなる可能性があるとされています。これは口呼吸によって口内が乾燥し、口内細菌の繁殖を抑える役割を担う唾液が不足してしまうのがその原因です。
知らない方も多いかもしれませんが、私たちの口内には、実に300種類もの細菌が存在しているといわれています。ただ、こういった細菌も普段は唾液の自浄作用によってその繁殖が抑えられているわけですが、口呼吸が慢性化してしまうと、乾燥した環境を好む細菌はここぞとばかりに増えてしまい、結果細菌の塊であるプラークなどもできやすくなって、これが歯周病や口臭の原因になってしまうのです。
3:睡眠時無呼吸症候群の原因になる

睡眠時無呼吸症候群とは、その名前の通り、睡眠中に息ができなくなり、10秒以上の無呼吸を何度も何度も繰り返してしまう病気です。中には、1分以上も呼吸が止まってしまう方もいるそうです(-_-;)
この病気の方は、無呼吸の影響から何度も夜中に脳が起きてしまうため、結果十分な休養が取れず、昼間に眠気が表れてしまうのがその主な症状として知られています。
しかし、この病気が近年注目されている理由はそこではなく、実はこの病気は、症状をそのままにしておくと、脳血管障害、高血圧、心不全などの重大な病気のリスクが高くなる可能性があるということが分かってきているんだそうです。
睡眠時無呼吸症候群はその多くの方がひどいいびきの症状を伴うそうなので、これにあてはまる方は注意が必要ですが、今回お話している口呼吸が睡眠時無呼吸症候群の原因になる可能性があるのは、口呼吸が低位舌と呼ばれる症状の原因になる可能性があるからです。
皆さんは普段、自分の舌の位置を意識することなんてほとんどないと思うのですが、口をしっかりと閉じて舌の位置を意識すると、舌は上の歯のすぐ後ろにあって、口の中の天井部分に軽くくっついているということが分かると思います。
これが、本来正しいとされている舌の位置なのですが、口で呼吸をするために口をぽかんとあけてみると、その舌は天井から離れてしまいますよね。このぽかん口で口呼吸をする習慣が身についてしまうと、いつの間にか舌は段々と喉の奥の方に落ち込んでしまうようになり、この症状を、低位舌と呼ぶのです。
そして、この低位舌の症状が特にひどくなるのが寝ている時であり、今起きている状態でも、口をあけて上を向くと、舌は何となく喉の方に落ち込んでしまうというのが分かると思います。そして、この低位舌の症状がひどくなると、寝ているときに喉に落ち込んだ舌によって呼吸が苦しくなり、その抵抗からいびきが出たり、睡眠時無呼吸症候群の症状が表れてしまうと考えられているのです。
ちなみに、この睡眠時無呼吸症候群は何となく中年の方に多い病気というイメージがある方も多いと思うのですが、子供でも発症することがあるそうです。詳しくはこちらのサイトなどを参考にしてみてください。
また、もし今現在この睡眠時無呼吸症候群の症状に心当たりがある方は、先に申し上げましたように、呼吸器内科のある病院に治療の相談をするようにしましょう。
4:骨格や歯並びにまで影響を及ぼす

実は、口呼吸が小さいころから身についてしまうと、それは顔の骨格や歯並びにまで影響してくるということが分かってきています。口呼吸が骨格や歯並びにまで影響すると聞いても、いまいちピンとこないと思うのですが、実はこれにも、先ほど説明した舌の位置が大きく関係しています。
まず、先ほど舌は、上の歯のすぐ後ろにあって、天井に軽くくっついているのが正しい位置であるという話をしたのですが、そのまま唾を飲み込むと、その舌に、天井を押し返すような力が入るということが分かると思います。
実はこれがとても重要で、この舌が天井を押し返す力は、正中口蓋縫合と呼ばれる上あごのつなぎ目を押し拡げる重要な役割を担っていると考えられています。
このつなぎ目は12歳位まではまだ柔らかく、容易に広がるそうなのですが、舌の力がこのつなぎ目を広げ、上あごを正しく成長させることによって、歯が並ぶスペースが確保されることが、綺麗な歯並びを作るためには非常に重要なことなんだそうです。正中口蓋縫合は以下の写真を参考にしてください。

人は1日に2000回近くものを飲み込むといわれており、そう考えると、この力がいかに重要なものであるかということはよくわかりますよね。
また、小さい頃から口呼吸が身についてしまった方は出っ歯になりやすく、その影響から、まるで顎が無いかのような、独特な顔つきに成長してしまう可能性があることが分かってきています。この顔つきはアデノイド顔貌と呼ばれているのですが、このアデノイド顔貌については以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。
→※アデノイド顔貌は治るの?その特徴や原因の口呼吸について解説します!
先ほど申し上げた、口呼吸が、口呼吸しやすいような顔に成長させてしまうというのはこのアデノイド顔貌のことで、上の歯が出っ歯になり、顎が後退してしまうことによって、自然と口が閉じづらくなってしまうのです。
5:腎臓病の原因になる可能性がある

まだあるのかよ!と思ってしまいますが、実は口呼吸は、iga腎症と呼ばれる腎臓病の発症リスクを高めてしまう可能性があるということが現在指摘されています。このiga腎症とは、体内に存在するigaと呼ばれる抗体が抗原と結合して複合体を作り、それが腎臓内部の器官の一部分に蓄積することによって、段々と腎臓が機能不全に陥ってしまう病気です。この病気は、症状が進行すると透析治療も必要になります。
口で呼吸をすることが腎臓にまで影響するってどういうこと?本当に関係あるの?と、私も最初は思ったのですが、どうやらこの話に嘘は無いようで、口呼吸が確実に関係しているという証拠は無いようですが、この患者を2000人以上診てきたという堀田さんという医師の方によると、その患者の多くにおいて慢性的な口呼吸患者において見られる特徴が観察されたということらしいのです。これはいったいなぜなのでしょうか…
詳しくは以下の記事でまとめていますので、気になる方は是非読んでみてください。
まとめ

今回の記事では、口呼吸を治療したい方は何科の病院に相談をしたら良いのか、その詳細についてまとめますとともに、そもそも口呼吸になってしまう原因や、口呼吸によって引き起こされる問題に関する情報などについて詳しくまとめました。
今回ご紹介したような、口呼吸による様々な問題を発症しないためにも、もし自分が口呼吸だなと感じたり、お子さんが口呼吸をしていることに気が付いたら、是非早めに病院に相談するか、矯正グッズなどを使って治療に取り組んでみてください。
口呼吸を改善させるための矯正グッズに関する情報はこちらの記事でまとめています。
今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)
スポンサードリンク
コメントを残す