
皆さんは普段、自分の呼吸法について意識したことはありますか?普段何気なくしている呼吸ですが、実は鼻ではなく、口で呼吸をする癖が慢性化してしまうと、それは体にとって良くない様々な問題を引き起こす原因になってしまうんです。
これは決して大げさに言っているのではなくて、口呼吸によって引き起こされる問題の中には知らないと本当に怖いようなものもあり、なんと最近では、口呼吸は歯並びや顔つきにまで影響してくるということが分かってきているんです。そのため、特に歯科医師の方々がこの口呼吸の危険性について指摘し、その改善を呼びかけています。
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その他にも口呼吸によって引き起こされる問題には様々なものがあるのですが、なんと口呼吸は、肌荒れや頬のたるみなど、美容面にまで影響を及ぼすということが指摘されています。もし、肌荒れが起きやすいという方は、普段気が付くと、口で「はあ、はあ」と浅い呼吸をしてしまっているというようなことはありませんでしょうか?
そこで今回の記事では、口呼吸と肌荒れとの関連について詳しくまとめますとともに、その他口呼吸が引き起こすとされる様々な問題に関する情報についてご紹介していきたいと思います。
目次
肌荒れの原因は口呼吸?普段肌荒れが起きやすい方へ…

口呼吸と鼻呼吸、この2つは同じ「呼吸」ではありますが、実は口呼吸は非常に問題の多い間違った呼吸法であるということが指摘されており、現在多くの医師の方がその改善を呼びかけています。
そして、なんと最近では、口呼吸は肌荒れや頬のたるみなど、美容面にまで影響してくるとまで言われているんです。呼吸と肌荒れ、あまり関係が無いように思えるこの2つですが、いったい口呼吸が肌荒れの原因になるとはどういうことなのでしょうか?
実はその原因は、口呼吸による免疫力の低下にあるとされています。口呼吸によって免疫力が低下するというのは非常に有名な話で、これは、鼻と口との本来の役割の違いが大きく関係しています。
まず、そもそも口というのは本来物を食べるための器官であって、呼吸をするための器官ではありません。実は口で呼吸ができるのは哺乳類の中でも私達人間だけであるといわれており、人間以外の哺乳類は呼吸のために口を使うということはできないそうです。
口呼吸は非常に不自然な呼吸法であるといわれており、これは言語を話し、直立で歩くようになった人間において、咽頭が後退することによって可能になった正しくない呼吸法なのです。
これに対して、本来哺乳類は鼻で呼吸をするように出来ている生き物なので、鼻は正しい意味で「呼吸をする」という機能に秀でています。実は、鼻で取り入れる空気と口で取り入れる空気には全然違いがあるそうで、鼻は空気の中の細菌やほこりなどを取り除くフィルターとしての機能を果たしてくれているんです。

鼻毛やそれよりさらに細い繊毛、そして粘膜などの働きによって空気からほこりや細菌を取り除き、さらにその空気を鼻の奥で加湿し、温めてから肺へと送ります。一方、口から取り入れた空気はこういった処理をされずにそのまま肺へと送られてしまうので、その空気の質には大きな違いが生じてしまうのです。また口呼吸は口内の乾燥も招き、細菌の増加や感染を助長してしまう原因にもなります。こうした違いから口呼吸は免疫力の低下につながってしまうといわれているのですが、これは納得の理由ですよね。
人は24時間呼吸を繰り返しているわけですから、口呼吸か鼻呼吸かという僅かな違いは、時間を経ることに大きな違いへと変わっていってしまいます。自分はなんだか風邪をひきやすいと感じる方は、栄養を摂ったり、よく寝たりということも大切ですが、口呼吸になっていないかという部分にも今後は是非注目してみてください。
そして、その口呼吸による免疫力の低下は、肌荒れにも影響してくるということが指摘されています。肌荒れについて気にしたことがあるという方は、その原因として免疫力の低下が挙げられているのをご存知の方も多いでしょう。
内側から生じる免疫力の低下は肌のバリア機能にも影響し、ほこりや細菌の影響を受けやすくなってしまった結果、これがニキビや吹き出物などの肌荒れの原因になってしまうのです。
また、口呼吸は口周りの筋力の低下を招き、これが頬のたるみにもつながってしまいます。まさに、口呼吸は美容の敵と言えますね…!
もし肌荒れが起きやすい方は是非自分の呼吸法から見直してほしいと思いますが、実は、口呼吸によって引き起こされる可能性がある問題はまだまだあるんです…
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口呼吸によって引き起こされる問題はこちら!小さい子供がいる方必見です…

ここまで、口呼吸は免疫力の低下を招き、それが肌荒れにも影響するという話をしましたが、口呼吸によって引き起こされる可能性がある問題にはこの他にも色々なものがあります。
特に、小さいころから口呼吸が慢性化してしまうと、それはちょっとしらないと怖いような問題を引き起こしてしまう可能性がありますので、要注意です。それでは、口呼吸によって引き起こされる問題にはどのようなものがあるのか、詳しくまとめていきたいと思います。
1:集中力の低下や体の疲れを引き起こす

口呼吸が慢性化してしまうと、それは集中力の低下や体の疲れを引き起こす原因になってしまうということも指摘されています。
実は過去に行われた研究において興味深いデータを示すものがあり、なんと口呼吸は、鼻呼吸に比べて、体への酸素供給量が18%も減少するということが報告されています。
何となく口の方がたくさん空気を取り込めているような気がしてしまいますが、実は空気中の酸素を肺胞に取りこませるためには空気の湿度や温度が重要であり、その点に着目すると、口から吸った空気に比べ、鼻から取り込んだ空気の方が、結果的によく肺胞になじむんだそうです。鼻から取り込んだ空気と口から取り込んだ空気にはその質に違いが生じるという話は先ほどもお伝えしましたよね。
こういった理由もあって、口呼吸をしてしまう方は何となく集中力が低下しやすかったり、体が疲れやすいといわれています。なんだか最近体がだるい…そう感じる方は、もしかしたらいつの間にか口呼吸をしてしまっているようなことはありませんか?
2:口臭や歯周病の原因になる

口呼吸が慢性化してしまうと、口臭が強くなったり、虫歯や歯周病がひどくなる可能性があるとされています。これは口呼吸によって口内が乾燥し、口内細菌の繁殖を抑える役割を担う唾液が不足してしまうのがその原因です。
知らない方も多いかもしれませんが、私たちの口内には、実に300種類もの細菌が存在しているといわれています。ただ、こういった細菌も普段は唾液の自浄作用によってその繁殖が抑えられているわけですが、口呼吸が慢性化してしまうと、乾燥した環境を好む細菌はここぞとばかりに増えてしまい、結果細菌の塊であるプラークなどもできやすくなって、これが歯周病や口臭の原因になってしまうのです。
3:睡眠時無呼吸症候群の原因になる

睡眠時無呼吸症候群とは、その名前の通り、睡眠中に息ができなくなり、10秒以上の無呼吸を何度も何度も繰り返してしまう病気です。中には、1分以上も呼吸が止まってしまう方もいるそうです(-_-;)
この病気の方は、無呼吸の影響から何度も夜中に脳が起きてしまうため、結果十分な休養が取れず、昼間に眠気が表れてしまうのがその主な症状として知られています。
しかし、この病気が近年注目されている理由はそこではなく、実はこの病気は、症状をそのままにしておくと、脳血管障害、高血圧、心不全などの重大な病気のリスクが高くなる可能性があるということが分かってきているんだそうです。
睡眠時無呼吸症候群はその多くの方がひどいいびきの症状を伴うそうなので、これにあてはまる方は注意が必要ですが、今回お話している口呼吸が睡眠時無呼吸症候群の原因になる可能性があるのは、口呼吸が低位舌と呼ばれる症状の原因になる可能性があるからです。
皆さんは普段、自分の舌の位置を意識することなんてほとんどないと思うのですが、口をしっかりと閉じて舌の位置を意識すると、舌は上の歯のすぐ後ろにあって、口の中の天井部分に軽くくっついているということが分かると思います。
これが、本来正しいとされている舌の位置なのですが、口で呼吸をするために口をぽかんとあけてみると、その舌は天井から離れてしまいますよね。このぽかん口で口呼吸をする習慣が身についてしまうと、いつの間にか舌は段々と喉の奥の方に落ち込んでしまうようになり、この症状を、低位舌と呼ぶのです。以下の画像を見ていただくと低位舌がどんなものか分かりやすいかと思います。

そして、この低位舌こそが、口呼吸を慢性化させてしまう1つの原因として指摘されています。上の画像を見ていただくと、低位舌の方は正常な方に比べ、舌によって気道がふさがれてしまい、息を吸いづらそうですよね?すると、低位舌の方はさらに息を吸いやすいように口で呼吸をする癖がついてしまうんだそうです。まさに悪循環ですね…!
そして、この低位舌の症状が特にひどくなるのが寝ている時であり、今起きている状態でも、口をあけて上を向くと、舌は何となく喉の方に落ち込んでしまうというのが分かると思います。そして、この低位舌の症状がひどくなると、寝ているときに喉に落ち込んだ舌によって呼吸が苦しくなり、その抵抗からいびきが出たり、睡眠時無呼吸症候群の症状が表れてしまうと考えられているのです。
ちなみに、この睡眠時無呼吸症候群は何となく中年の方に多い病気というイメージがある方も多いと思うのですが、子供でも発症することがあるそうです。詳しくはこちらのサイトなどを参考にしてみてください。
4:骨格や歯並びにまで影響を及ぼす

実は、口呼吸が小さいころから身についてしまうと、それは顔の骨格や歯並びにまで影響してくるということが分かってきています。口呼吸が骨格や歯並びにまで影響すると聞いても、いまいちピンとこないと思うのですが、実はこれにも、先ほど説明した舌の位置が大きく関係しています。
まず、先ほど舌は、上の歯のすぐ後ろにあって、天井に軽くくっついているのが正しい位置であるという話をしたのですが、そのまま唾を飲み込むと、その舌に、天井を押し返すような力が入るということが分かると思います。
実はこれがとても重要で、この舌が天井を押し返す力は、正中口蓋縫合と呼ばれる上あごのつなぎ目を押し拡げる重要な役割を担っていると考えられています。
このつなぎ目は12歳位まではまだ柔らかく、容易に広がるそうなのですが、舌の力がこのつなぎ目を広げ、上あごを正しく成長させることによって、歯が並ぶスペースが確保されることが、綺麗な歯並びを作るためには非常に重要なことなんだそうです。正中口蓋縫合は以下の写真を参考にしてください。

人は1日に2000回近くものを飲み込むといわれており、そう考えると、この力がいかに重要なものであるかということはよくわかりますよね。
また、小さい頃から口呼吸が身についてしまった方は出っ歯になりやすく、その影響から、まるで顎が無いかのような、独特な顔つきに成長してしまう可能性があることが分かってきています。この顔つきはアデノイド顔貌と呼ばれているのですが、このアデノイド顔貌については以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。
→※アデノイド顔貌は治るの?その特徴や原因の口呼吸について解説します!
また、低位舌は上あごの成長を妨げ、出っ歯になりやすくしてしまうというだけではなく、歯と歯の間に隙間を作ってしまうこともあるんだそうです。例えば以下の写真がそうなのですが、これをみるといかに舌の位置が大事かというのがよくわかりますよね^^;低位舌が進行し、上の歯と下の歯の間でその舌が常に前歯を押すような感じになってしまうと、このような歯の生え方をしてしまうんですね。

また、低位舌の方は寝ているときに呼吸が苦しくなってしまうため、その結果横を向いて寝てしまうようになり、その影響から顔のどちらかの側面に偏って重力がかかってしまうため、これも歯並びを悪くする原因になると指摘されています。歯並びと口呼吸、及び低位舌は本当に密接な関係を持っているんですね(-_-;)
5:腎臓病の原因になる可能性がある

まだあるのかよ!と思ってしまいますが、実は口呼吸は、iga腎症と呼ばれる腎臓病の発症リスクを高めてしまう可能性があるということが現在指摘されています。このiga腎症とは、体内に存在するigaと呼ばれる抗体が抗原と結合して複合体を作り、それが腎臓内部の器官の一部分に蓄積することによって、段々と腎臓が機能不全に陥ってしまう病気です。この病気は、症状が進行すると透析治療も必要になります。
口で呼吸をすることが腎臓にまで影響するってどういうこと?本当に関係あるの?と、私も最初は思ったのですが、どうやらこの話に嘘は無いようで、口呼吸が確実に関係しているという証拠は無いようですが、この患者を2000人以上診てきたという堀田さんという医師の方によると、その患者の多くにおいて慢性的な口呼吸患者において見られる特徴が観察されたということらしいのです。これはいったいなぜなのでしょうか…
詳しくは以下の記事でまとめていますので、気になる方は是非読んでみてください。
まとめ

今回の記事では、口呼吸は免疫力の低下を招き、それが肌荒れにも影響するということについてお伝えしますとともに、その他口呼吸によって引き起こされる可能性がある様々な問題に関する情報について詳しくまとめました。
なんだか最近風邪をひきやすい、体がだるい、肌荒れが起きやすい、こういった体調の変化を感じる方は、もしかしたら自分が口呼吸になってしまっていないかちょっと意識してみてください。もし、「あ、今口呼吸になってた…」というようなことがありましたら、是非早めに鼻呼吸への改善に取り組むようにしましょう。
口呼吸の改善方法についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
今回の記事は以上になります、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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