口呼吸と鼻呼吸、この2つは同じ「呼吸」ではありますが、実は口呼吸は非常にデメリットの多い危険な呼吸法であるということが指摘されており、現在様々な医師の方がその改善を呼びかけています。
口呼吸が関連するとされる問題には色々あるのですが、その1つが、口呼吸によって口内の唾液が乾燥してしまうことです。これにより唾液の自浄作用が働きにくくなり、口内細菌が繁殖しやすくなることによって、口臭の悪化や歯周病の悪化などが起こりやすくなるということが指摘されています。
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また、慢性的な口呼吸は舌の位置までをも変えてしまい、それによって睡眠時無呼吸症候群と呼ばれる病気を発症させてしまう可能性があるということも指摘されてします。舌の位置を変えてしまうと聞いても、そもそも舌の位置なんてこれまでに意識したことが無いという方も多いと思いますが、実は舌の位置には正しいとされる位置と、誤った位置というものがあるんです。
今回は口呼吸に関する情報を中心にまとめていきたいと思いますが、今挙げたものは口呼吸によって引き起こされる可能性がある問題のほんの一部であり、口呼吸が関連する問題にはもっと怖いものもあります。ではその問題とはいったい何なのか、記事の中で詳しく解説していきたいと思います。
目次
気が付くと口の中が乾いてませんか?口呼吸による唾液の乾燥に要注意!

まず、そもそも皆さんは自分が鼻で呼吸をしているのか、口で呼吸をしているのかこれまでに意識してきましたでしょうか?呼吸は無意識のうちにしているものですので、もしかしたらそんなに気にしたことはなかったかもしれませんね。
ただ、気が付くと口の中がよく乾いているという方は、もしかしたらいつの間にか口呼吸をしてしまっている可能性がありますので、これからは是非口で呼吸をしていないか意識して生活をするようにしてみてください。先ほども説明しましたが、唾液の乾燥は口内の自浄機能を低下させ、細菌の増殖を招き、これが口臭や歯周病の原因になってしまうといわれているんです。
人と関わって生きていく上では、口臭を気にすることはエチケットとしてとても大切なことですが、実は人の口の中には、実に300種類以上にも及ぶ細菌が住み着いているといわれています。想像すると何とも気持ちが悪いですが^^;、こういった細菌類は口の中にいても普段は特別何か悪いことをするというわけではなく、唾液の自浄作用によってその増殖は最小限に抑えられています。
しかし、唾液が乾燥してしまうと細菌類は増殖しやすくなり、その塊であるプラークもできやすくなるといわれています。寝ている間は誰もが唾液が不足しやすいので、細菌が増殖しやすいそうですが、なんと朝起きた時、人の口の中では細菌が一兆匹近くまで増殖しているとも言われているんです。本当にすごい数ですよね^^;
人によって口臭の程度が異なるのは、その人の口内の細菌の量が大きく関係しているわけですが、皆さんも是非これからは口内を綺麗にしておくことを心がけ、口呼吸をしないように気を付けるようにしましょう(^^)
正しい舌の位置とは?口呼吸が舌の位置を変化させるってどういうこと?

皆さんは、自分の舌の位置というものを意識したことがありますか?実は舌の位置には正しい位置と誤った位置があり、いつも誤った位置に舌があると、それは睡眠時無呼吸症候群という病気を発症させる原因になってしまう可能性があるんです。
睡眠時無呼吸症候群とは、その名前の通り寝ている間に何度も無呼吸を繰り返してしまうようになる病気のことなのですが、この病気の怖いところは、症状をそのままにしておくとおくといずれ心不全や脳血管障害などの重大な病気の発症リスクが高くなってしまうと言われているところなんです。
では、なぜ舌が誤った位置にあるとそれが睡眠時無呼吸症候群を発症させる原因になってしまうのかということですが、そもそもその前に正しい舌の位置とはいったいどこなのかという話になりますよね。
ということで、是非皆さんにも正しいとされる舌の位置を覚えておいてほしいのですが、皆さんは今口をしっかり閉じた時に、舌はどの位置にあるでしょうか。もし舌が上の歯のすぐ後ろのところにあって、天井部分にピタッとくっついている方は、とりあえず安心していただいて大丈夫です。その位置がまさに本来正しいとされる舌の位置になります。
しかし、もし今口を閉じた時に、その舌が天井にくっついていない方は、低位舌と呼ばれる症状が進行してしまっている可能性が高いので要注意です。低位舌とは、その名称の通り、舌が低位、つまり喉の奥の方に落ちこんでいってしまう症状なのですが、これが特に進行してしまうのが夜寝ている時であり、仰向けになって口をあけて寝てしまうと、重力の影響も受けて、舌が段々と喉の奥に落ちてしまうようになると考えられているんです。
そして、この落ち込んだ舌が気道の閉塞を招くことが、いびきの原因になったり、先ほど申し上げた睡眠時無呼吸症候群の原因になってしまうと考えられています。睡眠時無呼吸症候群の患者の中には1分以上も呼吸が止まってしまう方もいるそうです(*_*)…とても怖いですし、体への負担も非常に大きそうですよね。
皆さんのご家族の中にもいびきをかいている方ってもしかしたらいるかも知れませんが、そういった方はおそら口開けて寝てしまっていませんか?もしこれに該当する方がいらっしゃいましたら、ぜひ早めに改善に取り組むようにしましょう。
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口呼吸が歯並びや顔つきにまで影響する可能性があるってご存知ですか?

ある意味これが一番怖い問題ではないかと思うのですが、最近では、慢性的な口呼吸が人の歯並びや顔つきにまで影響を与える可能性があるということが分かってきています。
口呼吸が骨格や歯並びにまで影響すると聞いてもいまいちピンとこないと思うのですが、実はこれにも、先ほど説明した舌の位置が大きく関係しています。
まず、先ほど舌は、上の歯のすぐ後ろにあって、天井にくっついているのが正しい位置であるという話をしたのですが、そのまま唾を飲み込むと、その舌に、天井を押し返すような力が入るということが分かると思います。
実はこれがとても重要で、この舌が天井を押し返す力は、正中口蓋縫合と呼ばれる上あごのつなぎ目を押し拡げる重要な役割を担っていると考えられています。
このつなぎ目は12歳位まではまだ柔らかく、容易に広がるそうなのですが、舌の力がこのつなぎ目を広げ、上あごを正しく成長させることによって、歯が並ぶスペースが確保されることが、綺麗な歯並びを作るためには非常に重要なことなんだそうです。正中口蓋縫合は以下の写真を参考にしてください。

人は1日に2000回近くものを飲み込むといわれており、そう考えると、この力がいかに重要なものであるかということはよくわかりますよね。
また、小さい頃から口呼吸が身についてしまった方は出っ歯になりやすく、顎が後退してしまい、その影響から、まるで顎が無いかのような、独特な顔つきに成長してしまう可能性があることが分かってきています。この顔つきはアデノイド顔貌と呼ばれているのですが、このアデノイド顔貌については以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。
→※アデノイド顔貌は治るの?その特徴や原因の口呼吸について解説します!
最近では、口呼吸が腎臓病との関連があるのではないかとの見方もあります!

口呼吸と腎臓病、この2つは全く関係が無いように思えますが、最近では口呼吸がiga腎症と呼ばれる腎臓病との関連があるのではないかという見方もあります。
このiga腎症とは、体内に存在するigaと呼ばれる抗体が抗原と結合して複合体を作り、それが腎臓内部の器官の一部分に蓄積することによって、段々と腎臓が機能不全に陥ってしまう病気です。この病気は、症状が進行すると透析治療も必要になります。
口で呼吸をすることが腎臓にまで影響するってどういうこと?本当に関係あるの?と、私も最初は思ったのですが、どうやらこの話に嘘は無いようで、口呼吸が確実に関係しているという証拠は無いようですが、この患者を2000人以上診てきたという堀田さんという医師の方によると、その患者の多くにおいて慢性的な口呼吸患者において見られる特徴が観察されたということらしいのです。これはいったいなぜなのでしょうか…
詳しくは以下の記事でまとめていますので、気になる方は是非読んでみてください。
口呼吸の改善方法とは?

では、こういった様々な問題との関連が指摘されている口呼吸はいったいどうやって改善したらいいのかということですが、口呼吸による問題が注目されるにつれ、現在ではこれを改善する様々なグッズなども販売されています。
では口呼吸の改善グッズにはいったいどんなものがあるのか、いくつかご紹介していきたいと思います。
1:口呼吸改善用テープ

口呼吸の矯正グッズの中で、定番中の定番とも言っていいのが、口呼吸をしないように口を固定しておくテープです。このようなテープタイプの商品はいくつかの会社から販売されています。
口で呼吸をしてしまうなら、口が開かないように固定してしまおう、という非常に原始的な考えに基づく商品と言えますが、口コミを見てみると、こういったテープタイプの商品によって口呼吸の改善を実感していらっしゃる方は結構いらっしゃるようです。
口呼吸改善テープを使用したという方の中には、絆創膏で十分という方もいらっしゃいましたが、中には絆創膏だと朝起きると取れてしまうという方もいらっしゃいました。なのでお勧めとしては、まずは市販の絆創膏で試してみて、それでだめなら専用のテープを使ってみる、というふうにするとよいのではないかと思います。
2:美呼吸マスク

この写真の商品は「美呼吸マスク」と検索していただくとヒットする商品なのですが、このようにマスクから鼻だけを出すようにすると、それも口呼吸の矯正には効果的であるといわれています。
家にあるマスクを鼻が出るように折りたたんで使用してみるのでもいいそうですが、ちゃんとこの方法を試してみたいなら、こういった美呼吸マスクのような商品を1つは持っていてもいいのではないかと思います。
3:マウスピース

この写真は三晴社という会社から販売されてるブレストレーナーと言う商品なのですが、最近では、口呼吸の矯正グッズとして、こういったマウスピースのような商品も販売されています。
ブレストレーナーは2000円前後で比較的安く買える商品であり、三晴社はこのほかにもテープなどの口呼吸の改善グッズを専門に取り扱っている会社なので、もしマウスピースのような商品を探している方にはお勧めの商品です。
また、マウスピース型の矯正グッズはこの他にも結構色々とあるようなので、自分に合ったものを是非探してみてください(^^)
起きている間はガムを噛もう!

上でご紹介した商品は、どれも寝ている間にしてしまう口呼吸を矯正するための商品ですが、起きている間に口呼吸をしてしまう癖を治す方法として、医師の方からも提唱されているのがガムを噛むという方法です。確かにガムを噛んでいるときは自然と口を閉じていますよね(^^)
また、このガムを噛む方法は、うえで説明した低位舌の解消にもつながるそうです。ガムを利用した低位舌の改善トレーニングは、こちらのサイトなどを参考にしてみてはいかがでしょうか?
まとめ

今回の記事では、口呼吸が引き起こす様々な問題に関する情報について詳しくまとめました。
口呼吸が唾液の乾燥を招くことなどは何となく想像がつきますが、これが舌の位置を変えてしまったり、果てには腎臓病との関連があるなんて、普通なら気がつかないですし、想像もしませんよね。
口呼吸の危険性については現在様々な医師の方から指摘されていますので、もし自分は口呼吸をしているかもしれない、と思う方は是非早めに改善に取り組むようにしましょう。
今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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