口呼吸になってしまう理由とは?鼻呼吸が苦しい方は要注意です!

口呼吸と鼻呼吸、この2つは同じ「呼吸」ではありますが、実は口呼吸は非常に多くの問題を伴う危険な呼吸法であるということが分かってきており、現在多くの医師がその改善を呼びかけています。

口で呼吸をするか、鼻で呼吸をするか、たったこれだけの違いなのに、実は口呼吸は心不全や脳血管障害の発症リスクを高める可能性があるとも言われている睡眠時無呼吸症候群の原因になってしまうということが指摘されている他、最近ではiga腎症という腎臓病との関連もあることが指摘されているんです。

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ぼーっとしているときに、気が付くと口をぽかんとあけてしまって口呼吸をしてしまっていることがあるという方は要注意ですが、その改善に取り組む前に、まずは何故自分が口呼吸をするようになってしまったのか、その理由を一度よく考えてみるということもとても大切なことですよね。もし改善に取り組んでみても、その原因となっている理由をケアしないことには、せっかく治っても、また口呼吸になってしまうということにもなりかねません。

そこで今回の記事では、口呼吸が何故危険であるとされているのか、その理由である様々な問題について詳しくまとめますとともに、口呼吸になってしまう理由について考えていきたいと思います。

目次

口呼吸はどうしていけないの?その理由はこちら!

人間は口と鼻の両方で呼吸をすることができますが、本来哺乳類はみんな鼻呼吸をする生き物であり、口で呼吸をするのが一般化してしまっているのは言語を持つ私達人間だけであるとも言われています。

口呼吸の危険性については現在様々な医師も注目しているようで、特に多くの歯科医師の方々が口呼吸の改善を呼びかけています。

それでは、いったいなぜ口呼吸は危険な呼吸法であるといわれているのか、まずは口呼吸によって引き起こされる様々な問題に関する情報について詳しくまとめていきたいと思います。

1:感染症の発症リスクを高める

まず、口呼吸が慢性化してしまっている方は、鼻呼吸をしている方に比べて、感染症にかかるリスクが高くなるといわれています。

そもそも、口と鼻はどちらも呼吸ができる器官ではあるのですが、その本来の役割にはちゃんと違いがあり、鼻には、繊毛や粘液で異物を取り除くことで、空気をある程度綺麗にするフィルターとしての働きがある他、冷たい空気を加湿して温かい状態にしてから肺の方へ送る役割を担っています。

一方、口で呼吸をすると、冷たい空気を異物を多く含んだまま吸い込んでしまうようになるため、その影響から自然と感染症を発症するリスクは高くなってしまうそうです。

2:口臭や歯周病の原因になる

口呼吸が慢性化してしまうと、口臭が強くなったり、虫歯や歯周病がひどくなる可能性があるとされています。これは口呼吸によって口内が乾燥し、口内細菌の繁殖を抑える役割を担う唾液が不足してしまうのがその原因です。

知らない方も多いかもしれませんが、私たちの口内には、実に300種類もの細菌が存在しているといわれています。ただ、こういった細菌も普段は唾液の自浄作用によってその繁殖が抑えられているわけですが、口呼吸が慢性化してしまうと、乾燥した環境を好む細菌はここぞとばかりに増えてしまい、結果細菌の塊であるプラークなどもできやすくなって、これが歯周病や口臭の原因になってしまうのです。

3:睡眠時無呼吸症候群の原因になる

睡眠時無呼吸症候群とは、その名前の通り、睡眠中に息ができなくなり、10秒以上の無呼吸を何度も何度も繰り返してしまう病気です。中には、1分以上も呼吸が止まってしまう方もいるそうです(-_-;)

この病気の方は、無呼吸の影響から何度も夜中に脳が起きてしまうため、結果十分な休養が取れず、昼間に眠気が表れてしまうのがその主な症状として知られています。

しかし、この病気が近年注目されている理由はそこではなく、実はこの病気は、症状をそのままにしておくと、脳血管障害高血圧心不全などの重大な病気のリスクが高くなる可能性があるということが分かってきているんだそうです。

睡眠時無呼吸症候群はその多くの方がひどいいびきの症状を伴うそうなので、これにあてはまる方は注意が必要ですが、今回お話している口呼吸が睡眠時無呼吸症候群の原因になる可能性があるのは、口呼吸が低位舌と呼ばれる症状の原因になる可能性があるからです。

皆さんは普段、自分の舌の位置を意識することなんてほとんどないと思うのですが、口をしっかりと閉じて舌の位置を意識すると、舌は上の歯のすぐ後ろにあって、口の中の天井部分に軽くくっついているということが分かると思います。

これが、本来正しいとされている舌の位置なのですが、口で呼吸をするために口をぽかんとあけてみると、その舌は天井から離れてしまいますよね。このぽかん口で口呼吸をする習慣が身についてしまうと、いつの間にか舌は段々と喉の奥の方に落ち込んでしまうようになり、この症状を、低位舌と呼ぶのです。

そして、この低位舌の症状が特にひどくなるのが寝ている時であり、今起きている状態でも、口をあけて上を向くと、舌は何となく喉の方に落ち込んでしまうというのが分かると思います。そして、この低位舌の症状がひどくなると、寝ているときに喉に落ち込んだ舌によって呼吸が苦しくなり、その抵抗からいびきが出たり、睡眠時無呼吸症候群の症状が表れてしまうと考えられているのです。

4:骨格や歯並びにまで影響を及ぼす

実は、口呼吸が小さいころから身についてしまうと、それは顔の骨格や歯並びにまで影響してくるということが分かってきています。口呼吸が骨格や歯並びにまで影響すると聞いても、いまいちピンとこないと思うのですが、実はこれにも、先ほど説明した舌の位置が大きく関係しています。

まず、先ほど舌は、上の歯のすぐ後ろにあって、天井に軽くくっついているのが正しい位置であるという話をしたのですが、そのまま唾を飲み込むと、その舌に、天井を押し返すような力が入るということが分かると思います。

実はこれがとても重要で、この舌が天井を押し返す力は、正中口蓋縫合と呼ばれる上あごのつなぎ目を押し拡げる重要な役割を担っていると考えられています。

このつなぎ目は12歳位まではまだ柔らかく、容易に広がるそうなのですが、舌の力がこのつなぎ目を広げ、上あごを正しく成長させることによって、歯が並ぶスペースが確保されることが、綺麗な歯並びを作るためには非常に重要なことなんだそうです。正中口蓋縫合は以下の写真を参考にしてください。

人は1日に2000回近くものを飲み込むといわれており、そう考えると、この力がいかに重要なものであるかということはよくわかりますよね。

また、小さい頃から口呼吸が身についてしまった方は出っ歯になりやすく、その影響から、まるで顎が無いかのような、独特な顔つきに成長してしまう可能性があることが分かってきています。この顔つきはアデノイド顔貌と呼ばれているのですが、このアデノイド顔貌については以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。

※アデノイド顔貌は治るの?その特徴や原因の口呼吸について解説します!

5:腎臓病の原因になる可能性がある

まだあるのかよ!と思ってしまいますが、実は口呼吸は、iga腎症と呼ばれる腎臓病の発症リスクを高めてしまう可能性があるということが現在指摘されています。このiga腎症とは、体内に存在するigaと呼ばれる抗体が抗原と結合して複合体を作り、それが腎臓内部の器官の一部分に蓄積することによって、段々と腎臓が機能不全に陥ってしまう病気です。この病気は、症状が進行すると透析治療も必要になります。

口で呼吸をすることが腎臓にまで影響するってどういうこと?本当に関係あるの?と、私も最初は思ったのですが、どうやらこの話に嘘は無いようで、口呼吸が確実に関係しているという証拠は無いようですが、この患者を2000人以上診てきたという堀田さんという医師の方によると、その患者の多くにおいて慢性的な口呼吸患者において見られる特徴が観察されたということらしいのです。これはいったいなぜなのでしょうか…

詳しくは以下の記事でまとめていますので、気になる方は是非読んでみてください。

【※注意】口呼吸が腎臓病の原因に?「iga腎症」とは?…

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口呼吸になってしまう理由とは?鼻呼吸が苦しい方は要注意!

ここまで読んでいただいた方には、口呼吸がいかに多くのデメリットを伴うものであるかということが良くわかっていただけたと思うのですが、そもそも、人は本来鼻呼吸であるはずなのに、どうして中にはいつの間にか口呼吸になってしまう人がいるのでしょうか?次は、その理由として考えられるものをいくつかに分けてまとめていきたいと思います。

口呼吸になってしまう理由1:鼻呼吸が苦しいから

口呼吸になってしまう原因として、鼻呼吸が苦しいからということはまず第一に挙げられる理由ですよね。私も小さいころから花粉症に悩まされてきたので、春になると鼻づまりがひどく、鼻呼吸ができないほど苦しい時もあるので、そういう時はどうしても口で呼吸をするしかありません。

花粉症の症状がひどく、春は鼻づまりがひどくて苦しいという方は、マスクや薬を飲むなどの対策が必須になりますが、私もこれまでの経験から、本当に花粉の飛散量が多い時にはそんな対策が無意味に思えるほど症状がひどくなってしまうということもよくわかっています…。鼻水はだらだら出てくるのに、鼻づまりのせいで鼻をすすれないという非常に苦しい症状に悩まされたことがある方はきっと少なくないと思います^^;

当たり前ですが人は呼吸をしなければ生きていけないので、正直花粉症の方は春に口呼吸気味になってしまうことはある程度は仕方のないことかなと私は思います。しかし、大切なことは口呼吸を癖づけないことですので、その部分には気を付けてなるべく鼻呼吸を意識して生活をするようにしましょう。

また、原因はわからないけれど、一年を通して何となく鼻の通りがよくないと感じる方は、一度耳鼻科などで診てもらうようにしましょう。もし鼻茸(はなたけ:鼻にできるポリープ、副鼻腔炎の患者においてみられる)などができていて、それが原因で鼻づまりが起きている場合には、鼻茸の切除が必要になる場合もあります。

口呼吸になってしまう理由2:姿勢が悪いから

口呼吸になってしまう原因には姿勢も大きく関係しているそうで、猫背になってしまうと自然と人は口をぽかんとあけてしまう傾向にあるということが指摘されています。

このぽかん口が定着してしまうと人は口呼吸をしてしまうようになるそうなので、もし心当たりがある方はまずは姿勢から改善してみましょう。

また、特に小さいお子さんがいる場合には、その子が猫背になっていないか、ぽかんと口をあけていないかよく見てあげるようにしてください。

口呼吸になってしまう理由3:歯並びが悪いから

先ほど口呼吸は歯並びの悪化を招く可能性があるという話をしましたが、これとは逆に、歯並びが悪く、出っ歯などが原因で必然的に口が閉じづらくなってしまうと、それは口呼吸を誘発する原因になってしまうということが指摘されています。

歯並びが良い人なら特に口元に力を入れなくても自然と口は閉じていることができるわけですが、歯並びが悪かったり、出っ歯だったりすると、意識的に力を入れないと口が閉じられず、そのせいでいつの間にか口があいてしまい、口呼吸をしてしまうようになるということなんですね。

こればっかりは自分ではどうすることもできない問題なので、もし歯並びが原因で口呼吸になっている可能性がある場合には、できればなるべく早めに矯正治療を受けるようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、口呼吸によって引き起こされる可能性がある様々な問題について詳しくまとめますとともに、口呼吸をしてしまうようになる理由として現在考えられているものについて説明しました。

花粉症の症状がある方は春先から夏の初めころにかけて非常に鼻で呼吸がしづらく、苦しい日々が続くと思うのですが、その時期に口呼吸が癖になってしまわないように是非気を付けてください。

また、口呼吸の改善方法については以下の記事でまとめていますので、よろしかったらご覧になってみてください。

ガムテープ?マウスピース?口呼吸の矯正グッズはこちら!…

今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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