皆さんは、最近口呼吸が慢性化してしまっている方が増えているということをご存知でしょうか?これを正確に調べたデータはありませんが、日本人の半数以上、中には日本人の8割は口呼吸をしていると言っている医師の方もいます。
特に寝ている間にいびきをかいてしまうという方は、つまり口呼吸をしてしまっているということになります。朝になると口の中の渇きがひどいという方も、いつの間にか口呼吸をする癖がついている可能性が高いそうです。
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口呼吸と鼻呼吸、この2つはどちらも同じ「呼吸」ではありますが、実は口呼吸は非常に様々なデメリットを伴う間違った呼吸法であるとして、現在様々な医師の方がその改善に取り組むよう警鐘を鳴らしています。哺乳類は基本的には鼻呼吸をする生き物であり、人間も本来は鼻呼吸をするはずなのですが、なぜいつの間にか口で呼吸をするようになってしまうのか、その原因にもいくつかあるそうですが、口呼吸になってしまうかどうかは、実は赤ちゃんの時に決まってしまう可能性があるんです。
そこで今回の記事では、口呼吸が引き起こす様々な問題についてまとめますとともに、口呼吸をするようになってしまう原因とはいったい何なのか、赤ちゃんの時から注意したい口呼吸に関する情報について詳しくまとめていきたいと思います。
目次
口呼吸はどうしていけないの?口呼吸によってひき起こされる問題とは…

激しい運動をすると、たくさん空気を吸うために皆さん自然と口で呼吸をしてしまうと思うのですが、普段の生活の中でもこの口呼吸をする習慣が身についてしまうと、それはいくつもの問題を引き起こす原因になってしまう可能性があるため、注意が必要です。
特に、この口呼吸をする癖が小さいころから身についてしまうと、それはその子の人生をも左右しかねない重大な問題を引き起こしてしまう可能性があるんです。これはいったいどういうことなのか、まずは、口呼吸が引き起こすデメリットについて詳しく説明したいと思います。
1:感染症の発症リスクを高める

まず、口呼吸が慢性化してしまっている方は、鼻呼吸をしている方に比べて、感染症にかかるリスクが高くなるといわれています。
そもそも、口と鼻はどちらも呼吸ができる器官ではあるのですが、その本来の役割にはちゃんと違いがあり、鼻には、繊毛や粘液で異物を取り除くことで、空気をある程度綺麗にするフィルターとしての働きがある他、冷たい空気を加湿して温かい状態にしてから肺の方へ送る役割を担っています。
一方、口で呼吸をすると、冷たい空気を異物を多く含んだまま吸い込んでしまうようになるため、その影響から自然と感染症を発症するリスクは高くなってしまうそうです。
2:口臭や歯周病の原因になる

口呼吸が慢性化してしまうと、口臭が強くなったり、虫歯や歯周病がひどくなる可能性があるとされています。これは口呼吸によって口内が乾燥し、口内細菌の繁殖を抑える役割を担う唾液が不足してしまうのがその原因です。
知らない方も多いかもしれませんが、私たちの口内には、実に300種類もの細菌が存在しているといわれています。ただ、こういった細菌も普段は唾液の自浄作用によってその繁殖が抑えられているわけですが、口呼吸が慢性化してしまうと、乾燥した環境を好む細菌はここぞとばかりに増えてしまい、結果細菌の塊であるプラークなどもできやすくなって、これが歯周病や口臭の原因になってしまうのです。
3:睡眠時無呼吸症候群の原因になる

睡眠時無呼吸症候群とは、その名前の通り、睡眠中に息ができなくなり、10秒以上の無呼吸を何度も何度も繰り返してしまう病気です。中には、1分以上も呼吸が止まってしまう方もいるそうです(-_-;)
この病気の方は、無呼吸の影響から何度も夜中に脳が起きてしまうため、結果十分な休養が取れず、昼間に眠気が表れてしまうのがその主な症状として知られています。
しかし、この病気が近年注目されている理由はそこではなく、実はこの病気は、症状をそのままにしておくと、脳血管障害、高血圧、心不全などの重大な病気のリスクが高くなる可能性があるということが分かってきているんだそうです。
睡眠時無呼吸症候群はその多くの方がひどいいびきの症状を伴うそうなので、これにあてはまる方は注意が必要ですが、今回お話している口呼吸が睡眠時無呼吸症候群の原因になる可能性があるのは、口呼吸が低位舌と呼ばれる症状の原因になる可能性があるからです。
皆さんは普段、自分の舌の位置を意識することなんてほとんどないと思うのですが、口をしっかりと閉じて舌の位置を意識すると、舌は上の歯のすぐ後ろにあって、口の中の天井部分に軽くくっついているということが分かると思います。
これが、本来正しいとされている舌の位置なのですが、口で呼吸をするために口をぽかんとあけてみると、その舌は天井から離れてしまいますよね。このぽかん口で口呼吸をする習慣が身についてしまうと、いつの間にか舌は段々と喉の奥の方に落ち込んでしまうようになり、この症状を、低位舌と呼ぶのです。
そして、この低位舌の症状が特にひどくなるのが寝ている時であり、今起きている状態でも、口をあけて上を向くと、舌は何となく喉の方に落ち込んでしまうというのが分かると思います。そして、この低位舌の症状がひどくなると、寝ているときに喉に落ち込んだ舌によって呼吸が苦しくなり、その抵抗からいびきが出たり、睡眠時無呼吸症候群の症状が表れてしまうと考えられているのです。
4:骨格や歯並びにまで影響を及ぼす

実は、口呼吸が小さいころから身についてしまうと、それは顔の骨格や歯並びにまで影響してくるということが分かってきています。口呼吸が骨格や歯並びにまで影響すると聞いても、いまいちピンとこないと思うのですが、実はこれにも、先ほど説明した舌の位置が大きく関係しています。
まず、先ほど舌は、上の歯のすぐ後ろにあって、天井に軽くくっついているのが正しい位置であるという話をしたのですが、そのまま唾を飲み込むと、その舌に、天井を押し返すような力が入るということが分かると思います。
実はこれがとても重要で、この舌が天井を押し返す力は、正中口蓋縫合と呼ばれる上あごのつなぎ目を押し拡げる重要な役割を担っていると考えられています。
このつなぎ目は12歳位まではまだ柔らかく、容易に広がるそうなのですが、舌の力がこのつなぎ目を広げ、上あごを正しく成長させることによって、歯が並ぶスペースが確保されることが、綺麗な歯並びを作るためには非常に重要なことなんだそうです。正中口蓋縫合は以下の写真を参考にしてください。

人は1日に2000回近くものを飲み込むといわれており、そう考えると、この力がいかに重要なものであるかということはよくわかりますよね。
また、小さい頃から口呼吸が身についてしまった方は出っ歯になりやすく、その影響から、まるで顎が無いかのような、独特な顔つきに成長してしまう可能性があることが分かってきています。この顔つきはアデノイド顔貌と呼ばれているのですが、このアデノイド顔貌については以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。
→※アデノイド顔貌は治るの?その特徴や原因の口呼吸について解説します!
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口呼吸になるかどうかは赤ちゃんの時に決まるって本当?口呼吸になってしまう原因とは?

本来人間は鼻で呼吸をするはずなのに、どうしていつの間にか口呼吸になってしまうのか、これにはいくつか原因があるのですが、実は口呼吸をするかどうかは、赤ちゃんの時に決まってしまう可能性があるんです。
実は、どの家の赤ちゃんも、生まれたばかりのころはみんな鼻で呼吸をしています。特に、母乳を飲んでいるくらいの頃は、母乳を飲む間は鼻で呼吸をする必要があるため、赤ちゃんはみんな鼻で呼吸をしているそうです。
では、なぜいつの間にか口呼吸をするようになってしまうのかというと、これはまさに、その乳離れの時期が関係していると言います。あまりに早くに母乳を飲ませるのをやめてしまうと、鼻呼吸がしっかりとまだ身についていないため、それが原因でいつの間にか口呼吸になってしまう可能性があるんだそうです。
また、日本は特に赤ちゃんの乳離れが早く、おしゃぶりも早めにやめさせてしまうため、欧米に比べて口呼吸をしてしまう割合が多いんだそうです。ちなみに、欧米では、3~4歳位まではおしゃぶりをさせている家庭も多いそうです。そのため、日本でも同様に3歳くらいまではおしゃぶりをさせるようにすると鼻呼吸を定着させるためには良いといわれているのですが、日本だとそのくらいの年齢でおしゃぶりをしている子ってあまり見ないですよね^^;
家にいる間はおしゃぶりをさせてあげるなど、鼻呼吸をしっかりと身に着けさせるための対策を早めにしてあげることが子供を健康的に成長させるためにはとても重要になってきますが、口呼吸になってしまうのは、この赤ちゃんの時の乳離れの時期だけがその原因ではありません。
最初に申し上げたように、マスクをして生活することも口呼吸を誘発する原因になりますし、寝ている間の喉の乾燥を防ごうと思ってマスクをすることも、口呼吸を誘発してしまいます。
また、花粉症や副鼻腔炎による慢性的な鼻づまりは、口呼吸を癖にしてしまう最も大きな原因ともいえますので、まずはそちらのケアを行うことも大切です。
あとは姿勢も口呼吸と密接な関係があるそうで、猫背になってしまう方は、自然と口呼吸になりやすいといわれています。もし子供が猫背になっていて、口をぽかんとあけてしまっているようなところを見たら、早めに改善させてあげるようにしましょう。
先ほど口呼吸によるデメリットのところでも書きましたが、口呼吸は子供の健康的な成長を妨げる大きな原因になってしまう可能性があります。特に口呼吸が歯並びや顔つきにまで影響を与えてしまうのは大きな問題なので、もし自分に赤ちゃんがいる方は、口呼吸をしていないかどうか、こまめにチェックしてあげるようにしましょう。
まとめ

今回の記事では、口呼吸が引き起こす様々なデメリットについて詳しくまとめますとともに、口呼吸をしてしまうかどうかは赤ちゃんの時に決まってしまう可能性があるのはどうしてなのか、ということについて詳しくまとめました。
小さいころに口呼吸をする癖が身についてしまうと、それは子供の成長にまで影響を与える危険があります。もし家に小さなお子さんがいる場合には、ちゃんと鼻で呼吸をしているかどうか、日ごろからよく見てあげるようにしましょう。
口呼吸の改善方法については以下の記事でまとめていますので、気になる方はご覧になってみてください。
→【※ストップ】絆創膏を使って口呼吸悪化を防止する方法はこちら!
今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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