【※注意】口呼吸が腎臓病の原因に?「iga腎症」とは?…

iga腎症とは、腎臓において血液をろ過する役割を担っている糸球体(毛細血管が糸の玉のようになったもの)の毛細血管を繋ぎ合わせているメサンギウムと呼ばれる細胞に、igaと呼ばれる免疫グロブリンが沈着することによって、腎臓の機能が段々と低下してしまう病気です。

症状が進行していくと、いずれ糸球体毛細血管の破綻によって血尿などの症状がみられ、これが病気の発見につながるそうですが、血尿かどうか肉眼でわかるのは稀なことであり、多くは健診によって発見されるそうです。

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このiga腎症は、そのまま症状が進行していくと、いずれ人工的に血液をろ過する透析治療が必要になる場合もあります。ただ、以前はこのiga腎症は治療が困難であるとされていましたが、現在では早期に発見されれば根治も可能になってきているそうです。

この病気はそのメカニズムが少しずつ分かってきていますが、いまだにその病理メカニズムを完全に解明するまでには至っていません。また、この病気は難病にも指定されています。(指定難病66)この病気は遺伝する傾向もみられているそうですが、その他に、患者においてはある共通点が見られるということが分かってきています。その共通点とは「口呼吸」です。

この病気になったから口呼吸になってしまうということではなくて、普段から口呼吸をする癖がついていると、結果的にそれがこのiga腎症を発症させる原因になってしまう可能性があるということなんだそうです。これははたしてどういうことなのか。今回の記事では、口呼吸とiga腎症の関係について詳しくまとめていきたいと思います。

目次

iga腎症とは?

まずはじめに、iga腎症とはいったいどんな病気なのか。先ほど少し説明しましたが、改めて詳しく説明したいと思います。

iga腎症とは、免疫グロブリンの一種であるigaが免疫複合体を形成し、これが腎臓内部の血液ろ過装置である糸球体を繋ぎ合わせている、メサンギウム領域に蓄積することによって、段々とそのろ過機能が低下してしまう病気です。人工透析治療が必要になる腎臓病の2大疾患は、糖尿病性腎症慢性糸球体腎炎とされており、iga腎症は慢性糸球体腎炎の約半数を占める疾患です。

糸球体とは毛細血管がたまのようにぐるぐると丸まってできた器官であり、この血管に流れ込んだ血液は、それを通る間にろ過されます。

そして、免疫グロブリンとはいったい何かというと、これは簡単に言い換えると「抗体」のことであり、体が異物として認識したものに結合して排除する役割を担っています。免疫グロブリンにはigaの他、igg、igm、igd、igeの計5種類があり、それぞれが違った場所、時期に機能することによって、私たちの体を守ってくれています。

このうち、igeは特に皆さん一度は耳にしたことがあるのではないかと思いますが、ige抗体というと、アレルギー反応の原因として有名なものになります。

花粉症、ダニアレルギー、その他もろもろのアレルギー反応は、花粉やダニなどを抗原と認識して結合するige抗体が体内で産生され、それが実際に結合を起こすことによっておこります。ただ、このigeは、実際体内にある免疫グロブリンの量としては、他の4つに比べて非常に少ないんです。

そして、今回お話するiga腎症の原因となるigaは、主に人の腸管や気道の粘膜上に存在する抗体であり、体内に入ってきた細菌やウイルスなどの病原体が細胞に感染するのを防ぐ役割を担っています。細胞を守るように覆っているものが粘膜であり、その粘膜内でまさに病原体と戦っているのがigaということですね。(^^)

このigaが細菌やウイルスと結合したものが免疫複合体であり、これが糸球体周辺のメサンギウムに沈着してしまうのがiga腎症というわけなんですが、いったいなぜこのようなことが起こってしまうのか。本来ならば、このiga複合体も、それが形成された後はちゃんとろ過されて除去されるわけなんですが、これがちゃんとろ過されていないということはつまり、糸球体がろ過しきれないほどのiga複合体が流れ込んでいる可能性がある、ということを意味しています。これが、現在iga腎症発症の原因として最も有力ともいえる説なのですが、果たしてなぜこんなことが起きてしまうのか。実は、ここにiga腎症と口呼吸の関係性が隠れています。

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iga腎症は口呼吸が原因?iga腎症と口呼吸の関係とは?

口呼吸と鼻呼吸、この2つは同じ「呼吸」ではありますが、実は口呼吸は様々なデメリットを伴う間違った呼吸法であるとして、現在多くの医師がその改善に取り組むよう呼びかけています。

そして、その口呼吸のデメリットとしてまず挙げられるのが、感染症にかかりやすくなるということ。本来哺乳類は鼻で呼吸をするのが普通であり、基本的に人間以外の哺乳類は鼻で呼吸をしているそうですが、この鼻には、空気から異物をとのぞき、鼻の奥で加湿してから送り届けるというフィルターとしての役割があります。

しかし、口で呼吸をすると、それは口内を乾燥させ、細菌やウイルスをそのまま吸い込んでしまうことになるので、結果、感染症にかかりやすくなってしまうんだそうです。そして、実はこれが口呼吸がiga腎症の根本的な原因となっている可能性があるといわれている所以になります。

つまり、口呼吸をしている方は常に喉の奥にある扁桃腺(免役細胞が集まった場所)などが細菌やウイルスを多く含んだ乾燥した空気にさらされてしまい、結果炎症が起きやすく、それだけ、igaも鼻呼吸をする方に比べると沢山必要になってしまうということなんです。結果腎臓はそのiga複合体を処理しきれず、これがiga腎症の発症につながってしまうのではないかと考えられているのです。いわば、iga腎症は、扁桃腺付近が病巣になっていると考えられているのです。

もちろん、口呼吸がiga腎症と関係性があると考えられているのには、いくつかの理由があります。その1つ目は、その病巣となっているであろう扁桃腺を摘出したところ、iga腎症の症状が回復するというのが分かったということです。

また、これまでに2000人以上のiga腎症の患者を診てきた堀田修さんという医師の方の話では、その患者の多くにおいて、上あごの突出や、下あごの後退などの、口呼吸の方に多いといわれる特徴が診られたんだそうです。

全く知らない方からするとそれってどういうこと?という話になってしまいますが、実は、小さいころから口呼吸をする習慣が身についてしまうと、それは歯並びや顔の骨格にまで影響してくるということが分かっています。今述べたような上あごの突出、下あごの後退がまさにこれで、こういった顔立ちは、アデノイド顔貌とも呼ばれています。

アデノイド顔貌とは、特に5歳くらいまで大きくなる鼻の奥のアデノイドと呼ばれる組織が異常に肥大してしまい、結果口呼吸が誘発され、それが顔のつくりに影響してくるというものなのですが、これはその口呼吸の原因がアデノイドの肥大であった場合においてのみ起こるというものではありません。例えば、花粉症などによる鼻づまりによって口呼吸をしてしまうのも、結果アデノイド顔貌になる原因になりえます。

また、口呼吸になってしまう原因は、猫背などの姿勢も大きく関係しているそうなので、いずれにせよ、もし小さいお子さんがいる場合には、その子が口をあけて口呼吸をする癖がついていないか親が注意深く観察し、もししている場合には治すよう呼びかけてあげることが、健康的に成長させてあげるうえでは非常に重要になってきます。

今回ご紹介したiga腎症は、発症から約20年で、約40%の方が透析が必要な末期の腎不全になってしまうといわれています。比較的進行はゆっくりともいえますが、10代や20代でも発症することは珍しくないそうなので、30代で透析が必要になるかもしれない、と考えるととても怖いですよね(-_-;)是非、小さいお子さんがいる方は、その子が口呼吸になっていないかよく見てあげてください。また大人の方でも、自分は口呼吸かも、と思う方は、なるべく早くに改善に取り組むようにしましょう。

口呼吸がもたらすデメリットに関するさらに詳しい情報や、その改善方法は以下の記事で詳しくまとめています(^^)

【※ストップ】絆創膏を使って口呼吸悪化を防止する方法はこちら!

まとめ

今回の記事では、iga複合体の蓄積による影響によって腎機能が低下してしまうiga腎症と、口呼吸との関連性について詳しくまとめました。

口で呼吸をすることが、腎臓病の原因になる可能性があるなんて、普通なら絶対わかりませんよね。(-_-;)もし、いつの間にか口呼吸をしているかもしれない…と思う方は、早めに改善に取り組むようにしましょう。

今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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