※喘鳴の原因が心不全?喘鳴を引き起こす喘息以外の原因とは?

喘鳴とは、特に気管支喘息の患者によく見られる症状の1つであり、気管支が細くなる影響から、そこを空気が通る際に生じてしまう、ゼーゼー、ヒューヒューというような音のことを言います。

ここで、気管支喘息とはいったいどのような病気なのかというと、この病気は一言でいうと、何らかの原因によって気管支に慢性的に炎症が生じるようになってしまう病気のことを言います。アレルギー体質の方に多いという特徴がある一方で、特に大人になってから喘息を発症した方においてはアレルギー体質ではないという方もおり、また、その症状が悪化してしまう原因も人それぞれであることから、その根本的な原因は未だによくわかっていないというのが現状です。

しかし、その患者では気管支における慢性炎症の症状がみられるという点においては共通していることが分かっており、この炎症部位がむくみを起こしたり、何らかの刺激を受けて収縮し、気管支のどこかで狭窄が起きてしまうと、そこを空気が通る際に喘鳴の症状が生じてしまうようになります。

このように、喘鳴の症状は気管支喘息の症状の程度を把握するうえでは非常に重要な要素の1つであるわけですが、実は、喘鳴という症状自体は気管支喘息に特有の症状というわけではありません。

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何となく、喘息と喘鳴という言葉を聞くと、どちらにも同じ「喘」という言葉が使われているため、喘鳴という症状が喘息に特有のものであるというふうに思ってしまいそうですが、実は何らかの原因によって呼吸器のどこかが狭くなってしまっていると、やはりその部位を通るときに同様の音が生じてしまうことがあり、こういった症状も同じく喘鳴と呼ばれます。

すなわち、喘鳴という症状は気管支喘息かどうかを判断する重要な症状の1つであることには間違いないのですが、喘鳴が起きているからと言って気管支喘息であると決まったわけではないのです。

では、気管支喘息以外で喘鳴を引き起こしてしまう病気にはどのようなものが挙げられるのかというと、なんと、呼吸が苦しくなり、喘鳴が生じている場合には、その原因として心不全が起こってしまっている場合もあると言います。心不全というと心臓の病気なのに、どうしてこれが呼吸器の狭窄を引き起こす原因になってしまうのでしょうか。

そこで今回の記事では、心不全と喘鳴との関係について詳しくまとめていきたいと思います。

気管支喘息の患者によくみられる喘鳴の症状、心不全でも聞こえることがあるのはどうして?

喘鳴の症状は、特に気管支の慢性炎症を特徴とする気管支喘息の患者によくみられるということに間違いはないのですが、実は、心不全が起きてしまうと、気管支喘息の時と同様に喘鳴の音が聞こえてくることがあると言います。

そのため、このような症状は心臓喘息とも言われているのですが、それではなぜ心不全が起きてしまうと喘鳴が聞こえてしまうのか、とその前に、まずはそもそも心不全とはいったいどういう症状のことをいうのかというところから説明していきたいと思います。

まず、心不全というのは、ある特定の1つの原因によって引き起こされる病気のことを言うのではなく、その原因がいくつか考えられる中で、何らかの原因によって心臓の機能が低下してしまった状態のことを言います。

虚血性心疾患や、心筋梗塞、心臓弁膜症などの様々な原因によって、心臓のポンプ機能が低下してしまった状態のことを心不全と呼ぶのであり、いわば心不全という言葉は、症候群としての意味を持っています。

症候群という言葉はたびたびこうした複数の原因が考えられる場合に用いられる言葉であり、例えば「風邪」という病気も、何らかのウイルスや細菌によって、主に上気道における急性炎症をさしてよばれる病名なのですが、実際には「風邪症候群」と言う名前が正しい呼び方です。

話は戻りますが、その心不全という病気自体も、実は大きく2つのものに分類できることができます。心臓は、左心と右心の2つの部屋に分けることができることができるということはご存知の方も多いかもしれませんが、その心不全の症状も、左心で異常が起きているのか、右心で異常が起きているのかの違いによって、左心不全右心不全とに分けることができるのです。

では、その左心と右心は実際その働きにどのような違いがあるのか、ということは以下の図を参考にしてください。

この図からもわかりますように、左心は肺から血液を受け取り、それを体へ送り出しているのに対して、右心は体から血液を受け取り、それを肺へと送る役割を担っています。

血液の主な役割は体の隅々に酸素を送り届けることですが、左心はその酸素を多く含んだ血液を肺から受け取って体へと送り出し、逆に右心は酸素が少なくなった血液を体から受け取り、再び酸素を含ませるためにそれを肺へと送り出すのです。

この心臓がちゃんと機能しているからこそ私たちは生きていけるわけですが、このうち、今回お話しする喘鳴の症状は、主に左心不全が起きてしまうと、それに伴って生じることがあるといわれています。それでは、なぜ左心における心不全が起きてしまうと、それが喘鳴や呼吸困難を引き起こす原因になってしまうのでしょうか。詳しく説明していきたいと思います。

まず、先ほどの図の左心に注目していただきたいのですが、この左心はまず肺から血液を受け取るという重要な役目を持っています。しかし、もし左心の機能が低下、すなわち左心不全が起きてしまうと、この血液を上手く受け取ることができなくなってしまいます。

すると、肺には行き場をなくした血液がどんどんたまってしまい、このような状態を肺うっ血と呼びます。これが非常に危険な状態であるということは皆さんも何となくわかると思うのですが、このような状態が続くと、その血液に含まれていた水分が、肺の毛細血管から肺胞やその周囲の間質に向けてしみだしていきます。すると、段々とその水分が肺にたまっていってしまい、このような症状を肺水腫と言います。

また、こういった体内の水分が抜けだすとその周囲にむくみが起こり、気管支もその影響を受けて収縮を起こしてしまうほか、肺に水がたまっている影響から呼吸が苦しくなってしまい、これが呼吸困難や喘鳴などの、気管支喘息によく似た症状を引き起こす原因になってしまうのです。ここまでが、心不全によって喘鳴などが起きてしまう心臓喘息の主なメカニズムになります。

その症状は気管支喘息の症状によく似ているといわれているのですが、肺水腫が起きている場合にはピンク色の泡のようなものが混じった、いつもとは違うような痰がでることがあり、それが心臓喘息であるかどうかを見分ける1つの特徴になるといわれています。

ただ、心臓喘息であれ、気管支喘息であれ、どちらも重症化すると命に係わる病気であるということには変わりはありません。もし、原因不明の息苦しさを感じるような場合には、ためらわずに救急車を呼ぶようにしましょう。

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気管支喘息ってどんな病気?頭痛薬で重症化するアスピリン喘息とは?

ここまでは、心不全によって呼吸困難や喘鳴が生じてしまう、俗に心臓喘息と呼ばれている症状についてまとめてきましたが。ここからは、じゃあそれに対して気管支喘息とはいったいどんな病気なのかということや、その気管支喘息の患者の一部にみられるアスピリン喘息と呼ばれる症状についてまとめていきたいと思います。

気管支喘息とは、気管支に慢性的に炎症が生じるようになってしまう呼吸器疾患のことであり、その炎症の影響から気管支の壁がむくみ、これが原因となって、その患者は慢性的に息苦しさを感じるようになってしまいます。

また、その炎症部位は非常に敏感な状態となっているため、そこに何らかの刺激が与えられると気管支が急激に収縮を起こしてしまうことがあり、こういった症状が喘鳴の症状を引き起こしたり、呼吸困難、いわゆる発作の症状を引き起こしてしまうことがあります。

喘息の症状を悪化させてしまう原因は人それぞれであり、アレルギー反応、お酒、たばこ、運動、ストレスなどがその原因として挙げられています。しかし、中には頭痛薬や生理痛約などの痛みを抑えるための解熱鎮痛剤を服用した結果重度の発作が引き起こされてしまう患者もおり、この症状は気管支喘息の症状の中でも特に注意すべき症状であるとされ、アスピリン喘息と呼ばれています。

このアスピリン喘息の名前の由来にもなっている「アスピリン」とは、アセチルサリチル酸と呼ばれる成分を主成分とするお薬のことで、現在数ある痛み止めのお薬の中でも非常に歴史の古いものになります。

しかし、実際はこのアスピリン喘息の症状自体は、アスピリンだけではなく、ロキソニンやバファリンなど、現在販売されている解熱鎮痛剤はそのほとんどがその症状を誘発する原因になってしまいます。これは一体なぜなのかというと、様々な解熱鎮痛剤は、その主成分の構造は異なれど、どれもがだいたい同じメカニズムによって痛み止めとしての効果を発揮するからなんです。

そして、今お話しているアスピリン喘息の症状は、その痛み止めが実際に効果を発揮するときの作用メカニズムが関係して引き起こされる症状であるということが分かってきています。では実際どのようなメカニズムによって喘息の症状が悪化してしまうのかというのは、別の記事で詳しく解説していますので、気になる方は是非一度ご覧になってみてください。

【※気管支喘息とアスピリン喘息の違いとは?】その症状や原因、薬による気管支喘息の治療に関する情報はこちら…

気管支喘息の症状は下気道の慢性炎症がその原因となっているため、その治療においては、抗炎症作用のある吸入ステロイドを用いた継続的な治療がその基本となります。

炎症部位では免疫システムが過剰に働いてしまっているためにその炎症が生じてしまっているのですが、ステロイドという成分にはその免疫の働きを抑える作用があるため、これを継続して使用していくことによって、徐々に軌道の炎症を鎮めていくことができるのです。

これに対して、先ほど説明した心臓喘息の症状は、主に体の水分を抜くための利尿剤を使用した治療や、心肺機能を高めるための強心剤などを用いた治療がその基本となるそうです。

同じ喘息という言葉が使われてはいますが、気管支喘息と心臓喘息は全くの別物。しかし、どちらも注意すべき病気であるということには間違いありませんので、もし原因のわからない息苦しさを感じるようになったら、早めに医師に相談をするか、つらいと感じたら迷わずに救急車を呼ぶようにしてください。

まとめ

今回の記事では、心不全が原因となって起こる心臓喘息の症状について詳しくまとめますとともに、気管支喘息の症状についても合わせて詳しくまとめてみました。

また、心臓喘息と気管支喘息はどちらも喘鳴を生じさせる原因となってしまいますが、実はその喘鳴を生じさせる原因はこの2つだけではありません。特に、小さい子供の場合は、まだ呼吸器も成長途中であるという影響から、気道の感染症によっても喘鳴が生じてしまうことがあると言います。また、赤ちゃんの場合には、先天性の原因によっても、喘鳴の症状が表れてしまうことがあるんです。

しかし、既に大人になっているという方で、特に熱はないのに喘鳴の症状がみられるという場合には、心不全によるものか気管支喘息の症状を疑った方が良いでしょう。(実際には、肺水腫自体は腎臓や肝臓の異常によってもみられることがあります。)この2つはどちらも重症化してしまうと命にも関わってくるとても注意すべき病気なので、なんだか喉がヒューヒューするという場合には、もし周りに人がいない時には迷わずに救急に電話して事情を説明するようにしましょう。

今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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