妊婦の方は体の免疫が弱くなるということをご存知でしょうか?この免疫の低下によって、妊婦の方はウイルスなどの感染が起こりやすくなるため、風邪などをひきやすくなります。
妊婦の方で咳が止まらないという悩みを抱えている方は少なくありません。この止まらない咳の原因は、今説明しましたようにウイルスの感染によって引き起こされている感染症である場合もあれば、咳喘息と呼ばれる免疫性疾患を患っている方も多いようです。一般にこの咳喘息、及び気管支喘息という病気は、妊娠をきっかけに発症する妊婦の方も多いといわれています。
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ちなみに咳喘息とは、特徴的な症状がなかなか止まらない空咳(乾いた咳)の症状のみである病気で、気管支喘息の中ではまだ比較的症状の軽いものを咳喘息と呼びます。しかし、この咳喘息は放置していたら治るものではなく、むしろ放っておくと悪化して、発作が起こる可能性のある通常の気管支喘息の症状に移行してしまう可能性があるため、もし妊婦の方で空咳が止まらない場合は我慢をしてはいけません。
妊婦の方で咳が止まらない場合、そこには少なからず免疫の低下が関係しています。それでは、なぜ妊婦の方は免疫の能力が低下してしまうのか、また咳が止まらない原因はなんなのかわかりやすくまとめていきたいと思います。
目次
妊娠すると免疫が低下する3つの原因とは?

妊婦の方は少なからず皆妊娠をきっかけに免疫の能力が低下するといわれています。免疫が低下するということはすなわち感染症などの病気に罹患しやすくなるということですので、まだ生まれてさえいない子供を守る立場の親としてはあまりよい状態とは言えないですよね。それでは、なぜ妊婦の方は妊娠をきっかけに免疫の低下が起きてしまうのでしょうか?この原因について3つご説明していきたいと思います。
①ホルモンバランスが崩れるため
まず妊婦の方で免疫の低下が起きてしまう1つ目の原因はホルモンバランスの乱れです。
まず、私たちの免疫の能力というのは、普段様々なホルモンの働きによって保たれています。例えば、プロゲステロンというホルモンには免疫の能力を抑制する効果がありますし、プロラクチンというホルモンは免疫の反応を強化する働きがあります。体の中にはこのほかにもさまざまなホルモンが存在しており、こうしたホルモンがバランスよく作用することによって、私たちの体は免疫の機能を正常な範囲で保っているのです。(免疫の能力は高ければ良いわけではなく、免役が反応しすぎてしまうことで起こる病気というものもあります。あくまで、正常な範囲で働くことが大切なのです。)
そして、妊娠というものは、体の中で新しい命を存在させ、それをまた育てるわけですので、女性の体とっては普段経験のない反応が起こることになります。すると、その影響からそれまでのホルモンのバランスが崩れ、これが免疫の低下につながるといわれています。例えば、妊娠するとプロゲステロンやエステロゲンと呼ばれるホルモンの分泌が盛んになるといわれているのですが、プロゲステロンは先ほども書きましたように、免役の機能を抑制する働きがあります。もちろん免疫の低下がこのプロゲステロンというホルモンのみによって引き起こされているわけではありませんが、まず、免役の低下にはホルモンバランスの乱れが関係しているということを覚えておいてください。
②赤ちゃんを守るため
妊婦における免役の低下の理由、2つ目は赤ちゃんを守るためです。
これはいったいどういうことかと言いますと、実は赤ちゃんが誕生して、女性の体の免疫が必要以上に働いてしまった場合、この赤ちゃんを免疫によって排除すべき対象としてみなし、攻撃してしまうことがあるそうです。アレルギー反応も、特に害のない花粉などを異物とみなし、免役が過剰に反応することによって起きてしまう症状ですが、この対象として赤ちゃんも含まれてしまうことがあるそうです。
自分の子供なのにおかしな話だと思われるかもしれませんが、赤ちゃんはその半分が父親のDNAによって構成されていますし、血液型も自分とは異なる場合がありますよね。もし母親とは異なる血液型の子供をおなかに宿した場合、母親は自分とは性質の異なる命を育てるわけですから、免役が反応しないとは言い切れませんよね。こうしたリスクを排除するために、妊婦の方の体では免疫の機能が低下する傾向にあるそうです。
③ストレスによるホルモンバランスの乱れが起こるため
①の理由と近いですが、妊娠すると妊婦の方は様々なことに気を使わなければいけなくなますし、こうしたストレスが原因となって妊婦の体内においてホルモンバランスが乱れ、免疫の低下が起こる可能性があります。
ストレスというと目に見えないものですので、あまり実感がわかないかもしれませんが、人間の体はこうした精神的なストレスにも対処できるように、体内では様々な反応が起きています。そして、人間は慢性的にストレスを感じるようになると、コルチゾールと呼ばれるホルモンを過剰に分泌してしまうようになり、これがホルモンのバランスを崩して免疫の機能を低下させると考えられています。
妊婦の方にとってストレスを感じたまま我慢してしまうことは良くありません。是非悩みごとや心配ごとがある場合は周囲の方に相談するようにしてください。
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妊婦の方で咳が止まらない原因とは?空咳が止まらない場合は注意してください

ここまでに、妊婦の方はどうして妊娠をきっかけに免疫の低下が起きてしまうのかということについてお伝えしてきましたが、妊婦の方は咳が止まらないという悩みを抱えている方も多いようです。
そして、そういった方が病院に行き診断される病気は、咳喘息という病気であることが多いそうです。実はこの咳喘息は、こうした妊婦の方が妊娠をきっかけに発症しやすいといわれているのです。
ではこの咳喘息とはいったいどのような病気なのか説明していきたいと思います。
まず、この咳喘息という病気より、気管支喘息という病気の方が一般的かもしれませんが、この咳喘息と気管支喘息はその症状の程度に違いがあるだけで、根本的な原因はどちらも、気管支の炎症であると考えられています。
普通気管支の炎症というものは、ウイルスの感染などによって引き起こされる免疫反応ですが、気管支喘息や咳喘息の患者では、ウイルスの感染などが起きていなくても、慢性的に気管支が炎症を起こすようになってしまいます。そのため、これらの病気は免疫の誤作動が原因で起こると考えられており、妊婦が発症する場合、そこには少なからず先ほど挙げたような免疫機能の乱れが関係しているものと考えられています。
そして、これらの病気の患者の気管支において炎症が生じると、この炎症の影響によって気管支は非常に敏感な状態となるため、少しの刺激にさえも反応して収縮を起こしやすくなります。そして、重度の気管支喘息の患者では、アレルギー反応やたばこの煙などによって気管支が刺激を受けると、急激に収縮を起こし、呼吸が困難になってしまう場合があります。これが発作と呼ばれる症状です。
そして、気管支喘息の患者の中でも比較的症状が軽度であり、特徴的な症状がなかなか止まらない空咳の症状のみである場合、これが一般的に咳喘息と呼ばれているものになります。このなかなか止まらない咳はウイルスによる炎症によって引き起こされているものではないため、痰が絡むような咳ではなく、乾いた空咳の症状になります。
咳喘息の症状は、その特徴的な症状がなかなか止まらない空咳の症状のみであるため、患者はその原因が咳喘息であるとはなかなか気が付きにくいといわれています。しかし、咳喘息、及び気管支喘息の症状は、自然に治ることは基本的にはなく、しっかりと治療を行わなければ治りません。
それに、なかなか止まらない咳の症状をそのままにしておくと、お腹の中の胎児にも影響が生じてしまう可能性があるため、もし妊娠してから空咳がではじめ、それがなかなか止まらないという場合は、一度呼吸器内科の医師などに相談をしてみるようにしましょう。
また、なかなか咳が止まらない場合、喘息以外にも、気管支炎を患っている場合もあるそうです。妊婦は免疫の機能が低下しているため、こうした感染症にもかかりやすくなるので、自己管理には気を付けるようにしてください。
また、こちらの記事では、感染症予防にも効果的な食べ物などをご紹介しています。もしよろしかったらご参考にしてみてください。
まとめ
今回の記事では、妊婦の方の体において免疫の機能が低下してしまう理由や、なかなか空咳などの咳が止まらない場合に考えられる原因についてまとめました。
咳喘息は熱が出ることはなく、特徴的な症状はなかなか止まらない空咳の症状のみなので、その原因に気づかなかったり、我慢をしてしまう方も多いのですが、この咳喘息は症状をそのままにしておくといずれ悪化して気管支喘息に移行してしまうとも言われていますので、是非早めに対応するようにしましょう。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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