※小児の気管支喘息、その症状と悪化の原因とは?

何らかの原因によって気管支に慢性的な炎症が生じるようになってしまう病気のことを気管支喘息といいますが、現在その国内における患者数は年々増加傾向にあるといわれており、具体的には、すでに500万人近い患者がいることがわかっています。

小さい子供が発症する気管支喘息のことを小児喘息と言ったりもしますが、その小児における気管支喘息と、大人の気管支喘息とでは、その主な症状が気管支における慢性的な炎症であるということには変わりありませんが、その特徴にはいくつかの違いがあることもわかっています。

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例えば、小児の気管支喘息と、大人の気管支喘息は、その症状の悪化が引き起こされる原因に違いがあるというのがまず1つ大きな違いとして挙げられています。具体的には、小児の気管支喘息では、その症状悪化の原因の8割以上がアレルギー反応であるといわれているのに対し、大人の気管支喘息においては、そのアレルギー反応が原因となって症状が悪化してしまう方に加えて、それ以外の原因によって悪化してしまうという方も少なくないのです。

中には、小児ではほとんどそれが原因になることはなく、ほとんど大人の患者でのみ原因になってしまうようなものもあります。そこで今回の記事では、気管支喘息という病気の概要や、小児の気管支喘息と大人の気管支喘息の違いなどについてまとめますとともに、その症状悪化の原因などについても詳しくまとめていきたいと思います。

気管支喘息ってどんな病気?

その患者かどうかにかかわらず、この気管支喘息という病気の存在を知らないという方はおそらくいないと思いますが、最初にも申し上げましたように、この気管支喘息とは何らかの原因によって気管支において慢性的な炎症が生じるようになり、その影響から呼吸機能に障害が表れてしまうような呼吸器疾患のことを言います。

普通、気管支などの喉の炎症というと、何らかの病原体がその部位の細胞に感染してしまった際に、それに対する免疫反応として表れるような症状のことを言いますが、気管支喘息を発症してしまうと、特にそのような病原体の感染がおこっているわけでもないのに、気管支において白血球の増加などがみられ、その部位が常に炎症を起こした状態になってしまうのです。

そしてそのような炎症を起こした気管支はむくみを起こし、気管支の壁は健康な方に比べて細くなってしまうほか、その炎症部位は様々な刺激に対して敏感に反応して収縮を起こしてしまうため、気管支喘息を発症してしまうと、その患者は常に息苦しさを感じるようになってしまいます。

また、ときには何らかの原因によってその気管支が急激な収縮を起こし、呼吸が困難になってしまうような場合もあり、これが俗にいう、気管支喘息における「発作」と呼ばれている症状になります。後程詳しく説明いたしますが、小児の気管支喘息と、大人の気管支喘息とでは、特にそのような症状の悪化を引き起こす原因などに特に違いがあるといわれています。

気管支喘息の治療方法とは?

気管支喘息という病気は、基本的には、吸入ステロイドというお薬を使った長期管理を行うことによって徐々にその症状の改善を目指していきます。

吸入ステロイドというお薬によって摂取することができる「ステロイド」と呼ばれる成分には抗炎症作用があるため、これを継続的に使用することによって、結果気管支喘息の患者における気管支の炎症を徐々に抑えていくことができるのです。もっと詳しく説明すると、気管支喘息という病気はいわば免疫システムが過剰に機能してしまっていることによって引き起こされている症状であるわけですが、そのステロイドには、作用した部分の免疫の働きを抑える働きがあるため、これを吸入によって直接気管支の炎症部位に作用させることによって、少しずつその免疫の作用を弱め、結果喘息症状を落ち着かせることができるのです。

なので、このような吸入ステロイドは「長期管理薬」とも言われているのですが、実は気管支喘息の治療薬には、その吸入ステロイド以外にもその用途の違いによって色々なお薬が存在しています。

具体的には、気管支喘息のお薬には、「長期管理薬」と「発作治療薬」という2つのタイプのお薬があり、吸入ステロイドは、そのうち長期管理薬の方に分類されるものの1つなのです。ちなみに、発作治療薬とは、その名前の通り、もしも喘息の発作が起きてしまった際にその発作を鎮めるために使うお薬になります。

基本的に長期管理薬として使う吸入ステロイドには即効性はなく、発作が起きてしまった際にその症状を鎮めるまでの効果は期待されないので、もしも発作が起きてしまった際には、すぐに効果が出る気管支拡張剤(β2刺激薬)などを使って、その症状の改善を図ります。

ただ、当然ですが、気管支喘息の治療においては、そういった発作が起きてしまわないように体調の管理に気を付けながら、吸入ステロイドをしっかりと継続的に使用することによって徐々にその症状の改善を目指していくというのが理想です。

ちなみに、その喘息の治療薬にはどのようなものがあるのか、ということにつきましては、以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方は是非一度目を通してみてください。

気管支喘息の治療薬に関する情報はこちら…

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小児の気管支喘息と大人の気管支喘息との違いとは?その症状悪化の原因がこちら!

気管支喘息というと、「子供の病気」というような印象を持っている方ももしかしたらいるかもしれませんが、最近では大人の気管支喘息の患者も増えてきているといわれていますので注意が必要です。かくいう私も、小さいころに治ったと思っていた気管支喘息の症状を、大人になってから再発させてしまいました。

その小児においてみられる気管支喘息と、大人の気管支喘息とでは、その症状の悪化の原因に特に大きな違いがあるといわれています。最初にも申し上げましたように、小児の気管支喘息の悪化の原因の8割以上は主にアレルギー反応であるといわれているのですが、大人の気管支喘息の患者においては、そのアレルギー反応に加えて、それ以外の原因(お酒、たばこ、運動、ストレス、感染症、気温や気圧の変化、解熱鎮痛剤など)によって症状が悪化してしまうという方も決して少なくないのです。

特に、解熱鎮痛剤によって症状が悪化してしまうケースは、ほぼ大人においてしかみられないことから、後天的に発症する可能性のある疾患として知られています。ちなみに、その解熱鎮痛剤とは、俗にいう痛み止めのお薬のことであり、私たちが良く知っているものだと、ロキソニンやバファリンなどがこれに該当します。

ちなみに、その解熱鎮痛剤の服用などによって気管支喘息が悪化してしまう症状は、「アスピリン喘息」などと呼ばれ、気管支喘息の患者が特に注意すべき症状の1つとして知られています。また、そのアスピリン喘息に関する情報は以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方は一度ご覧になってみてください。

アスピリン喘息に関する情報はこちら…

また、特に小児喘息の悪化の原因となるアレルギー反応についてですが、アレルギー反応が喘息症状の悪化につながってしまうのは、そのアレルギー反応が起きた際に体内に放出されるヒスタミンやろロイコトリエンなどのシグナル物質が、気管支の炎症の悪化や、その気管支の収縮の原因になってしまうためです。

特に、最近ではダニを吸い込むことによって症状が表れてしまうダニアレルギーの方も少なくないようなので、小児喘息の子供がいる家庭においては、こまめに掃除をして、なるべくダニが繁殖しないような環境を整えておくことが大切です。

また、その他小児の気管支喘息における重要なお話としては、小児の気管支喘息は、体の成長とともに回復していくようなケースが多いこともわかっていますが、決して、全員が全員そうなるかというとそうではないということです。

だからこそ、小児の気管支喘息は、大人になるまでその症状を引きずってしまわないように、その小児の段階でしっかりとした治療を行っていくということが重要であるといわれています。しかし、もちろん小児の子供は1人でその治療を行っていくというのは難しいので、もし自分のお子さんが気管支喘息になってしまった場合には、保護者の方がしっかりとサポートしながら、早くその症状が良くなりますように一緒に治療に取り組んであげるようにしてください。

まとめ

今回の記事では、気管支喘息の概要などについてまとめますとともに、その治療方法や、小児における気管支喘息と、大人の気管支喘息との違いなどについて詳しく解説しました。

まとめますと、小児の気管支喘息も、大人の気管支喘息も、その症状が気管支における慢性の炎症であるということには変わりありませんが、その症状の悪化の原因などに特に違いがあるといわれています。

ただ、小児の気管支喘息も、大人の気管支喘息も、吸入ステロイドを使って治療をしていくということには変わりはないのですが、小児喘息の患者が使える吸入ステロイドの種類は、安全性を示すデータなどがまだ少ないという影響などから、大人に比べると少し少ないようです。

では、小児喘息の患者でも使える吸入薬にはどのようなものがあるのかということなどにつきましては、以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方は一度ご覧になってみてください(^^)

※小児喘息の治療に使われる吸入薬の種類とは?

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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