※気管支喘息の症状をチェックする方法とは?

近年、気管支喘息の患者数は増加傾向にあるということが指摘されていますが、この気管支喘息とは、一言でいうと、何らかの原因によって気管支において慢性の炎症がみられるようになってしまう呼吸器疾患のことを言います。

現在、その国内の患者数はおよそ450万人もいるといわれており、割合的には、小児の6%、成人の3%が気管支喘息であるとされています。また、この病気は年々治療方法が進歩していることなどから、亡くなってしまう方の数はぐっと少なくなったのですが、実は今でも、年間2000人近い方々がこの気管支喘息によって命を落としてしまっているのです。

この病気の怖いところは、なんといっても、その炎症を起こした気管支が様々な刺激に対して敏感に反応し、急激な収縮を起こすことによって、結果「発作」と呼ばれる症状が起きてしまうことがあるということです。この発作が起きてしまうと、呼吸が困難な状態になり、ここで早急に対処を行わないと、結果入院治療が必要になったり、最悪の場合は命を落としてしまうということになってしまいます。

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だからこそ、この気管支喘息と言う病気は、その症状の悪化の前兆をいち早く察知することが非常に大切になってくるのですが、今この記事をご覧になってくださっている方の中には、なんだか最近ちょっと喉がおかしいんだけど、それが気管支喘息の症状なのかチェックしたいという方や、もうすでに気管支喘息とはわかっているけれど、自分の症状が今悪化しているのかどうかチェックしたいという方など、いくつか違う目的の方がいらっしゃるのではないかと思います。

そこで今回の記事では、そもそも気管支喘息とはどのような病気なのか、その概要についてまとめますとともに、気管支喘息の症状、及びその程度をチェックする方法について詳しくまとめていきたいと思います。

目次

気管支喘息ってどんな病気?その概要がこちら!

最初にも申し上げましたが、気管支喘息という病気は、何らかの原因によって気管支において慢性の炎症がみられるようになってしまう呼吸器疾患のことを言います。

普通、気管支などの喉の炎症というと、何らかの病原体などが感染したときにその免疫反応として表れる症状であるようなイメージがありますが、気管支喘息を発症してしまうと、その気管支において好酸球などの免疫細胞の増加がみられ、その部分が常に炎症を起こしているような状態になってしまうのです。

そして、この病気を発症すると、その炎症の影響から気管支の壁はむくみを起こし、気管支は健康な方に比べて細くなってしまうほか、その炎症を起こした気管支は様々な刺激に対して敏感に反応して収縮を起こしてしまうため、その患者は、常に息苦しさを感じるようになってしまいます。

ちなみに、私も以前成人を迎えてから、子供のころに治ったと思っていた気管支喘息の症状を再発させてしまったのですが、その時には、常に息が苦しくて、ちょっとした刺激にも敏感に喉が反応して、咳が止まらなくなってしまいました。具体的には、ご飯から立ち上る湯気にさえも喉が反応し、咳が出てしまうので、ご飯もよく冷ましてからではないと食べられませんでした。

ちなみに、私は重度の風邪をひいてしまったことをきっかけに気管支喘息を発症させてしまったのですが、そのように、風邪などの感染症に伴って気管支喘息を発症させてしまうという方は少なくないそうです。

なので、もし今この記事をご覧になってくださっている方の中に、風邪をひいて、熱はひいたのに咳と息苦しさの症状だけが続いているというような方がいらっしゃいましたら、それは気管支喘息の疑いを持つべき重要なチェックポイントであるといえます。

さて、ではこの気管支喘息という病気なのですが、この病気は、特にアレルギー症状をお持ちの方に多い疾患として以前からよく知られています。気管支の炎症にも、そのアレルギーが大きく関係していると考えられているのです。

ただ、一般にアレルギー反応といえば、それはIgE抗体という抗体と、その抗原となる物質が体内で結合することによって引き起こされる一連の反応のことを言うのですが、このようなIgE抗体が体内から検出されるような喘息患者をアトピー性であるというのに対し、そのようなIgE抗体が検出されないような場合を、非アトピー性であるといいます。

アレルギー反応は、気管支喘息の症状を悪化させる大きな原因の1つであると考えられており、実際、小児の気管支喘息の場合にはその8割以上がアレルギー反応がその悪化の原因になるとも言われているのですが、非アトピー性の場合には、そのアレルギー反応以外の原因、例えば、お酒、たばこ、運動、ストレス、感染症、気温や気圧の変化、解熱鎮痛剤(ロキソニンなどの痛み止め)などが特にその症状悪化の原因になると考えられています。

ちなみに、解熱鎮痛剤、すなわち、市販の薬としても簡単に手に入るロキソニンなどの痛み止めのお薬によって気管支喘息の症状が悪化するケースは、アスピリン喘息と呼ばれており、これは、ほぼ大人の気管支喘息の方に特有の症状として知られています。

つまり、逆にいうと、大人の方で、痛み止めのお薬を飲んだ後などに息苦しさの症状などがひどくなるという方は、アスピリン喘息の疑いがあり、かつ気管支喘息の疑いが強いということにもなりますので、これも、大人の場合には喘息かどうか判断する重要なチェックポイントであるといえるでしょう。

ちなみに、このアスピリン喘息とはいったいどのようなメカニズムによって起こるものなのかということにつきましては、以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方はぜひ一度ご覧になってみてください。

アスピリン喘息に関する情報はこちら…

もしかしたらこの症状気管支喘息かも…!自分が喘息かどうか知るために重要なチェックポイントとは?

まず、1番最初に申し上げておきますが、自分が気管支喘息かどうか不安な場合は、1番は医師に相談をすることが大切です。自分の中で解決してしまうのはすごく危ないことなので、もし少しでも自分が気管支喘息かもしれないと思うのであれば、このチェック方法についてお読みになった後に、呼吸器内科の医師の方などに相談をしてみてください。

まず、自分が気管支喘息かどうか判断するうえで重要なチェックポイントとしては、息苦しさの症状と咳の症状が挙げられます。

これは、まさしく私がそうだったのですが、気管支喘息を発症してしまうと、その気管支が炎症を起こし、細くなる影響から、息苦しさを感じ、様々な刺激に対して気管支が敏感に反応して咳が出るようになってしまいます。私は、風邪の熱がやっと治まったのに、その後咳と息苦しさだけが1週間も2週間もとれなかったので、医師に相談をして詳しい検査を受けましたところ、気管支喘息との診断を受けました。

また、気管支喘息というと発作のイメージが強いのではないかと思いますが、気管支喘息の患者によくみられる症状としては、喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる症状も挙げられます。これは、気管支が細くなってしまう影響から、その気管支を空気が通る際になるゼーゼー、ヒューヒューと鳴る音のことであり、この喘鳴の症状まで見られる場合には、重症度の高い気管支喘息の疑いがありますので、早急に医師に相談をすることが大切です。

また、自分が気管支喘息かどうかをチェックするポイントとしては、アレルギー体質であるかということと、親族にそういった気管支喘息の患者がいないかというところも重要です。実は、この気管支喘息と言う病気は、遺伝する可能性のある疾患としても知られているのです。

何はともあれ、自分が気管支喘息かどうか判断するポイントとしては、やはり喉に違和感があるかどうかという部分が1番大きいでしょう。もし、なんだか喉がずっとおかしいと思うような場合には、それが重症化しないうちに、早めに医師に相談をするようにしてください。

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気管支喘息の重症度をチェックする方法とは?

それでは次に、既に気管支喘息であるとわかっている方が、なんだか喘息がひどいかもというときも含めて、その日その日の体調をチェックする方法についてまとめていきたいと思います。

まず、特に何か特別な装置を使わなくても、その日の体調をチェックするために重要なポイントは、やはり息苦しさや、それに伴う喘鳴などの症状であるといえるでしょう。ちょっといつもより息苦しいかもと感じたり、喉からヒューヒュー音がするような場合には、喘息の症状が悪くなっている可能性が高いので、ひどいと感じるような場合には早めに医師に相談をすることが大切です。

そして、ここからがチェック方法としてはより具体的なものになるのですが、気管支喘息の症状がひどいかどうかチェックする方法に、パルスオキシメーターを使ったサチュレーション(血中酸素飽和度や、SPO2とも言います。)の測定が挙げられます。パルスオキシメーターとは以下の図のようなもので、指先に着けて使います。

そのサチュレーションとは、わかりやすく説明すると、指の中の動脈を流れている全ヘモグロビンのうち、どのくらいのヘモグロビンが酸素と結合しているのかを表している数値のことで、動脈とはつまり肺や心臓から全身に酸素を運ぶために送り出されている血液のことなので、通常であれば、その数値は96%~99%の間に収まるといわれています。つまり、動脈中を流れている血液中のヘモグロビンは、ほとんど酸素と結合しているというわけです。

しかし、気管支喘息の症状が悪化し、なんだか呼吸が苦しいというような時にこのサチュレーションの値を測ってみると、その酸素がうまく取り込めていないという影響から、サチュレーションの値が健康な方に比べて下がってしまっていることがあるのです。具体的には、その値が90%を切ってしまっているような場合だと、その患者は呼吸不全に陥っているということができます。

また、血管には、全身に向かって血液を流すための「動脈」と心臓や肺に血液を戻すための「静脈」という2種類あるということはご存知の方が多いと思うのですが、その動脈と静脈を流れている血液の色には違いがあります。

そして、その色の違いというのが、まさにヘモグロビンが酸素と結合しているかどうかの違いであり、ほとんどのヘモグロビンが酸素と結合している動脈中の血液の色は、鮮やかな鮮紅色を示し、酸素とヘモグロビンが結合している割合が低い動脈中の血液は、暗赤色という位色になってしまうのです。

そして、つまり気管支喘息の症状が悪化し、動脈中の血液のサチュレーションの値が下がるということは、つまりその動脈中の血液の色が、暗赤色に近づいていくということでもあります。そして、その影響から気管支喘息の患者においては、その症状の悪化に伴って指先が紫のような色になってしまうことがあり、このような症状はチアノーゼと呼ばれて知られています。

まとめますと、装置を用いた気管支喘息の重症度をチェックする方法として、まずはパルスオキシメーターを使ったサチュレーションの計測が挙げられるのですが、その値が90%に近かったり、それを切るような値になってしまうと、それは気管支喘息の症状がひどくなってしまっているということができます。また、そのような場合には、指先の色などが変わってしまう場合があり、それもまた気管支喘息の症状が悪化しているということを示す重要なサインです。

そして、その他、装置を用いた気管支喘息の重症度をチェックする方法としては、ピークフローメーターという装置を用いた、ピークフローという値の測定も挙げられます。ピークフローメーターは以下の図のようなもので、口にくわえて使用します。

そのピークフローとは、わかりやすく言うと、息を大きく吸い込んで、思いっきり吐き出した時の最大瞬間風速(最大呼気流量)のことであり、気管支喘息の患者においては、その症状の悪化によって気管支が細くなってしまっていると、その値が健康な方に比べて低くなってしまう傾向にあります。これも、パルスオキシメーターと同様に、気管支喘息の症状の重症度をチェックする方法としては非常に重要です。

このパルスオキシメーターや、ピークフローメーターは、一般の方でも普通に購入が可能ですので、もしこういった装置を使ってしっかりと管理したいという方は、どちらか1つでも持っておくと少し安心なのではないかと思います(^^)

まとめ

今回の記事では、気管支喘息の概要などについて詳しくまとめますとともに、気管支喘息かどうかチェックするためのポイントや、気管支喘息の重症度をチェックする方法などについて詳しくまとめました。

特に、後半で説明した装置を使った気管支喘息の重症度をチェックする方法については、その症状が悪化しやすい方にとっては非常に重要なポイントになるのではないかと思います。

そういう装置を1つ持っておくと、その症状の管理もよりわかりやすくなりますし、特に、自分の症状をよく把握できない小さい子供が気管支喘息であるという場合には、パルスオキシメーターなどが非常に役に立つのではないかと思います。是非、参考にしてください。

それでは今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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