※気管支喘息の発作の危険性とは?薬による治療方法がこちら!

近年、気管支喘息の国内における患者数は増加傾向にあるといわれており、具体的には、この日本国内だけでも、その患者数はなんとおよそ450万人もいるといわれています。また、その割合的には、大人の3%、小児全体の6%が気管支喘息を患っているといえるそうです。

この気管支喘息の最も怖いところは、なんといっても、症状が悪化すると呼吸が困難になる「発作」が起こってしまうことがあるということです。気管支喘息における発作は、早めに対処しないと命に係わるほど重症化してしまう方もおり、中には入院治療が必要になるケースや、実際に命を落としてしまうようなケースもいまだにあります。

今でこそ、治療方法の進歩などからこの気管支喘息によって亡くなる方はだんだんと減ってきてはいるのですが、それでもいまだに国内だけでも年間2000人近い方々が気管支喘息によって命を落としてしまっています。ちなみに、西暦2000年ころまでは、年間なんとおよそ6000人もの方々がこの気管支喘息によって命を落としていました。

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治療方法が進歩し、命を落としてしまう方が減ってきているとは言え、この気管支喘息という病気がいまだに命を落とす可能性もある注意すべき病気であるということは、その患者、および患者の近親者なら必ず覚えておいた方が良いでしょう。そういうことを覚えておき、常に危機意識を持つようにしておくことが大切です。

とは言え、その治療方法がこの数十年で大きく進歩したのは事実であり、今では、専用の薬を使って治療をすれば、そういう症状を重症化させることなくコントロールすることは可能になってきています。その症状の重症度による部分もあるので、絶対に治るとは一概には言えませんが、健常者と同じような生活を送ることも十分に可能なほど治療は進歩してきているのです。

そして、その気管支喘息の治療の薬といえば「吸入ステロイド」が非常によく知られていますが、気管支喘息を治療する薬には他にも色々な種類のものがありますし、そもそも、その吸入ステロイドがどのようなものなのかということについて、いまいちよく知らないという方も中にはいるかもしれません。

そこで今回の記事では、気管支喘息という病気の概要についてまとめますとともに、その発作が起こる原因や、治療に使われる薬に関する情報などについて詳しくまとめていきたいと思います。

目次

気管支喘息とは?その発作が起きる原因がこちら…!

私も以前、大人になってから、重度の風邪をひいてしまったことをきっかけに、子供のころに治ったと思っていた気管支喘息の症状を再発させてしまったのですが、この気管支喘息とは、わかりやすく説明すると、何らかの原因によって、気管支に慢性的な炎症が生じるようになってしまう呼吸器疾患のことを言います。

一般的に、気管支などの喉の炎症というと、それこそ風邪をひいたときなどに、その原因となっている病原体に対する免疫反応として表れるような症状のことを言いますが、気管支喘息を発症してしまうと、その気管支において好酸球などの免疫細胞の増加が確認され、そこが常に炎症を起こした状態になってしまうのです。

そして、その炎症の影響から気管支の壁はむくみを起こし、健康な方に比べてその気管支は常に細くなってしまう他、その炎症部位は様々な刺激に対して敏感に反応して収縮を起こしてしまうため、気管支喘息を発症してしまうと、その患者は常に息苦しさを感じるようになり、咳などの症状が頻繁にみられるようになってしまいます。

ちなみに、私が気管支喘息と診断されたときもそのような症状が続いており、ご飯から立ち上る湯気でさえも喉を刺激し、咳を誘発する原因になってしまっていました。

また、この気管支喘息という病気は、特にアレルギー症状のある方に多い疾患であると考えられており、事実、小児の気管支喘息の場合には、その8割以上の患者においてアレルギー反応がその症状悪化の原因になってしまうという報告もあります。また、具体的には、最近では布団などに潜んでいるダニによるアレルギー反応がその症状悪化の原因になる方が多いそうです。

しかし、中には特にそういったアレルギー体質であるとは判断できないのに、やはり気管支において同様の炎症がみられるというような患者もおり、アレルギー症状があるということがわかっている気管支喘息の患者のことをアトピー型というのに対し、そのようなアレルギー体質であると確認できないような患者のことを、非アトピー型であるというような言い方をします。

ちなみに、アレルギー反応はその気管支喘息の症状の悪化を招き、発作などにつながってしまう大きな原因として知られているのですが、それ以外で発作を招く原因としては、お酒、たばこ、運動、感染症、ストレス、気温や気圧の変化、解熱鎮痛剤(痛み止めの薬)などが挙げられます。

ちなみに、解熱鎮痛剤によって喘息症状が悪化してしまうケースは、「アスピリン喘息」などともいわれており、特に重症化が心配されるため、気管支喘息の症状がある患者においては特に注意すべき症状の1つとして知られています。

その解熱鎮痛剤とは、薬局でも簡単に手に入る、ロキソニンや、バファリンなどの痛み止めの薬がこれに該当するのですが、こういった薬を普段からよく使うという方は特に注意が必要です。

というのも、実はこのアスピリン喘息の症状はほとんど大人の気管支喘息の患者にしか見られないことから、後天的に発症する可能性のある疾患であると考えられているため、気管支喘息の患者であれば、ある日を境にして急にそういった薬に過敏な体質になってしまうこともあり得るのです。

ちなみに、ではなぜ気管支喘息の患者の中には、痛み止めの薬を飲むとその症状が悪化してしまう方がいるのか、そのメカニズムに関する情報は以下の記事でまとめていますので、気になる方は一度目を通してみてください。

アスピリン喘息に関する情報はこちら…

気管支喘息の治療方法とは?

それでは次に、気管支喘息を治療する方法についてお話ししていきたいと思います。

最初にも申し上げましたように、気管支喘息の治療薬と言えば「吸入ステロイド」がよく知られていますが、今現在、気管支喘息の治療方法としては、その吸入ステロイドを1日複数回使用し、それを長期にわたって続けることで、徐々にその症状を抑えていくという長期管理が基本となります。

ちなみに、その吸入ステロイドの主成分である「ステロイド」とは、もともとは体内の副腎で作られている副腎皮質ステロイドというものを人工的に合成したものであり、この成分には、免疫の働きを抑制する効果が認められています。

先に申し上げましたように、気管支喘息とは気管支において慢性の炎症がみられる病気、つまり気管支において慢性的に免疫が過剰に働いてしまうようになる病気なので、その炎症部位にステロイドを作用させることによって、その免疫の働き、つまり炎症を徐々に鎮めていくというのが、現時点での気管支喘息の治療方法なのです。

ちなみに、私も以前その吸入ステロイドを使用していましたが、私の場合は、それを1~2か月ほど使用しましたところ、息苦しさがとれ、呼吸が楽になりました。

また、その吸入ステロイドは、吸入によって炎症部位である気管支に直接作用させるため、その使用量もごく少量で済むことから、全身的な副作用はほとんど表れないといわれており、実際、私も何らかの副作用を感じたようなことはありません。

ただ、吸入ステロイドを使う上では1つ注意しなければならないことがあり、それは、これを吸入した後には、必ずうがいや口をゆすぐなどして、口内に残った余分なステロイド成分を洗い流さなければならないということです。

先に申し上げておりますように、吸入ステロイドという薬は免疫の作用を抑える働きがあるものなので、実は口内にその成分が余分に残ってしまっていると、口内の免疫まで働きが弱くなり、結果口内の感染症を発症してしまうということがあるのです。その中では、口腔カンジダ症などがよく知られていますが、こういった被害を防ぐためにも、吸入ステロイドの使用後には必ずうがいをしなければなりません。

ちなみに、このうがいをするということは吸入ステロイドを使う上での非常に基本的な注意点なので、処方される時には必ず指示があるとは思いますが、もし今現在それを使っているという方がいましたら、今一度、その使用方法についてよく確認しておくようにしておきましょう。

さて、ここまで吸入ステロイドについて詳しくまとめましたが、実際に気管支喘息を治療するために使われる薬は、実はその吸入ステロイドだけではありません。

なので、次にその吸入ステロイドも含めて、気管支喘息を治療するために使われる薬に関する情報について詳しくまとめていきたいと思います。

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気管支喘息の薬にはどんなものがあるの?

気管支喘息のには、その用途の違いから色々な薬があるのですが、そういった薬は、「長期管理薬」と「発作治療薬」という2つのタイプのものに大きく分けることができます。

これは、説明は不要かもしれませんが一応言っておくと、「長期管理薬」というのが、つまり長期にわたって使用することによって、その喘息症状をコントロールするための薬であり、「発作治療薬」というのが、もし発作が起きてしまったときに、その発作を鎮めるための薬になります。ちなみに、先ほど説明していた吸入ステロイドは、このうち長期管理薬の方に分類されるものになります。

長期管理薬の薬としては、先ほど説明した吸入ステロイドの他には、

  • 抗アレルギー薬
  • 長時間作用型β2刺激薬(LABA)
  • テオフィリン徐放製剤
  • 抗コリン薬

などが挙げられ、発作治療薬としては

  • 経口ステロイド
  • 短時間作用型β2刺激薬(SABA)

などが挙げられます。

β2刺激薬というのは、言い換えると「気管支拡張剤」のことであり、これを使用すると、収縮した気管支平滑筋が弛緩して、気道が広がり、呼吸が楽になります。気管支拡張剤は、吸入ステロイドと同じく、吸入タイプのお薬です。

ちなみに、β2刺激薬にはLABAとSABAという2つのタイプのものがありますが、LABAは長時間効果が持続するものの、使用してその効果が表れるまでに時間がかかるのですが、SABAは作用時間は短いものの、使用してすぐにその効果を発揮するという特徴があります。

つまり、比較的症状が安定しているときには遅効性でも効果が長く続くLABAの方が使用に適しているのですが、発作が起きてしまったときには、作用時間は短くてもすぐに呼吸を楽にしてくれるSABAの方がその使用に適している、という特徴があるのです。

また、最近では、ステロイド成分と一緒に、そのβ2刺激薬(LABA)を一緒に摂取することができる合剤の薬を使用するというのが治療の主流になってきています。

そういった合剤の薬としては、アドエア、レルベア、シムビコート、フルティフォームなどが知られており、ちなみに私はそのうちフルティフォームを使って治療に取り組んでいました。

吸入ステロイド、特に合剤の薬を使用しながら気管支の炎症を鎮めていき、もしも発作が起きてしまった際には、発作治療薬の方に分類されるお薬を使ってその症状の悪化を抑える、というのが、その気管支喘息の現在の治療の基本的な流れになります。

もちろん、発作治療薬を使わなくても済むように、長期管理薬の方をしっかりと使ってその症状をコントロールすることが理想的です。また、人によっては、アレルギー反応による症状悪化を防ぐために、抗アレルギー薬が処方されるようなこともあります。

ちなみに、ここでは説明していない、先ほど挙げた薬のさらに詳しい情報は以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方は是非一度ご覧になってみてください。

気管支喘息の治療薬に関する情報はこちら…

まとめ

今回の記事では、気管支喘息の概要についてまとめますとともに、その発作が引き起こされる原因や、治療に使われる薬に関する情報などについて詳しくまとめました。

ちなみに、今回の記事では合剤の吸入薬に関する情報などについてもまとめましたが、いくつか挙げたうち、小児の気管支喘息の患者でも使えるものは、「アドエア」という薬だけのようです。

このように、小児の気管支喘息の患者においては、まだその安全性を確立するための十分なデータがそろっていないというような理由から、治療に使うことができる吸入ステロイドの種類も、大人に比べると限られてきます。

もちろん、そうはいっても小児でも使える薬も優れたものばかりですが、そういう部分もあるということは是非覚えておくと良いのではないかと思います。

ちなみに、その小児の気管支喘息の患者でも使える吸入薬の種類については以下の記事でまとめております。

小児の気管支喘息の患者が使える吸入薬の種類に関する情報はこちら…

それでは今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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