【ストップ】空咳や微熱の症状が続くクラミジア肺炎とは?その抗体検査の詳細や、治療に使われる抗生物質について解説します…

クラミジアと聞くと、ほとんどの方がまず性病の原因として思い浮かぶのではないかと思います。しかし実はクラミジアという細菌にはいくつかの種類があり、その中には肺に感染することによっては肺炎を引き起こすものもあります。

クラミジア科に属す細菌のうち、主に性病の原因となるものはクラミジアトラコマティスと呼ばれる種類のものであり、肺炎を引き起こすものは主にクラミジアニューモニエと呼ばれる種類のものです。クラミジアトラコマティスは普通は肺炎の原因になりませんが、新生児においては稀に肺炎の原因になってしまうことがあります。

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クラミジアニューモニエという名前について、あまり聞いたことが無いという方も多いと思いますが、実はこのクラミジアニューモニエは決して珍しいものではありません。実は、大人の約6割はクラミジアニューモニエの抗体を持っているとされており、つまり、自覚症状がない方も含めると、約6割の大人が一度はクラミジアニューモ二エの感染経験があるとされています。感染しても発症しないケースも多いのですが、中にはこのクラミジアニューモニエの感染が肺炎などの症状などにつながってしまうことがあるのです。

クラミジア肺炎は、クラミジアニューモニエという細菌による感染症ですので、その治療においては抗生物質を使用します。(風邪という病気はその原因のほとんどがウイルスであるため、抗生物質は使用しません。細菌とウイルスの違いはこちらの記事で解説しています。→【ストップ】長引く咳は細菌感染症が原因かも!細菌とウイルスの違いや抗生物質に関する情報はこちら…

それでは、このクラミジア肺炎とはどのような病気なのか、その症状や原因、検査の方法や治療法について詳しくまとめていきたいと思います。

目次

クラミジア肺炎の原因は【クラミジアトラコマティス】と【クラミジアニューモニエ】の主に2種類!しかし感染経路が異なります…

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クラミジア肺炎は、主にクラミジアトラコマティスクラミジアニューモニエという2種類の細菌によって引き起こされます。

このうちクラミジアトラコマティスは主に性感染症の原因となるものであり、通常は肺炎の原因にはならないのですが、新生児の場合は肺炎などの原因になりえます。この場合は、母親がクラミジアトラコマティスに感染していて、産道を通る際に感染するのがその原因として考えられています。

そして、新生児に関係なく、幅広い年代の方に感染する可能性のあるものが、クラミジアニューモニエと呼ばれる種類のもので、こちらが主に肺炎の症状を引き起こす原因となります。クラミジアニューモニエは咳などによる飛沫感染が主な感染経路であるとされています。

クラミジア肺炎の症状とは?微熱や空咳が続く方は要注意!

それでは、クラミジア肺炎を発症するとどのような症状が表れるのか、詳しくまとめたいと思います。

まず、クラミジア肺炎は、同じ肺炎と言っても、肺炎球菌性肺炎や、マイコプラズマ肺炎などと比較すると熱の症状が表れることはあまりないといわれています。表れたとしても微熱程度ですむそうです。

ちなみに、市中肺炎(普段の生活の中で罹患する可能性のある肺炎)の中では肺炎球菌性肺炎が最も患者数の多いものであり、マイコプラズマ肺炎やクラミジア肺炎が、それに次いで多い肺炎として知られています。このマイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマと呼ばれる細菌の感染によっておこるもので、特に10歳以下の子供に多い肺炎として知られています。詳しくは以下の記事でまとめていますので、よろしかったらご覧になってみてください。

熱や空咳(乾いた咳)から始まる子供に多いマイコプラズマ肺炎とは?その症状や治療に有効な薬に関する情報はこちらです…

また、このクラミジア肺炎という病気も、その患者の多くは4歳以下の子供や、60歳以上の高齢者などの免疫の弱い方であるといわれています。3から4週間ほどの潜伏期間を経て発症に至り、発症すると特徴的な症状として、空咳や微熱の症状が表れるといわれていますが、先ほども言いましたように熱は表れないこともあるそうです。

そのため、なかなかその症状からクラミジア肺炎かどうか自己判断することは難しいので、原因のわからない空咳の症状が続いていたり、胸に違和感がある場合には、早めに病院(呼吸器内科など)へ行き検査を受けるようにしましょう。

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クラミジア肺炎の検査方法とは?クラミジア肺炎かどうかは抗体検査を受けることによってわかります!

それでは、クラミジア肺炎の症状が疑われる場合、どのような検査が行われるのか説明したいと思います。

クラミジア肺炎が疑われる場合、まずは症状の確認を行った後に、胸部X線写真による確認を行うのが一般的です。この時点で、肺に影が見られた場合は肺炎とみなされます。

そして、肺炎と診断された場合は、その後血液検査によってクラミジアによるものかどうかの確認が行われます。血液検査では、通常血液中に、IgAや、IgGといった抗体と呼ばれる抗体ができているかどうかの確認が行われます。しかし、小児の患者の場合はIgMと呼ばれる抗体の有無によって診断がされます。

IgM、IgA、IgGなど少しややこしいですが、まずIgMは初感染において多く産生される抗体のことを指します。(3週間ほどおくれてIgAやIgGの産生も始まります)小児の患者は初感染の可能性が高いので、このIgMの値を基準に判断します。このIgMは、産生されてから数カ月で減少していきます。

一方、IgAやIgGは主に再感染した場合に増加する抗体であり、大人の場合は主にこれらの抗体の量を基準に判断されるようです、というのも、実は大人は自覚症状がないだけで、それまでにクラミジアが感染している場合が多いため、これらの値を基準に判断されるのです。(再感染の場合はIgMの増加はおこりません)

今、抗体についてIgM、igA、igGという3つのものを挙げましたが、私たちの体内には、この3つの他、igE、igDという抗体もあり、合わせて5つの抗体が存在しています。このうち、花粉症などのアレルギー反応に関与する抗体は主にigE抗体であり、これは他の4つの抗体に比べると非常に微量しか存在していません。

ちなみに、クラミジア肺炎は1度発症したとしても、そのときできた抗体はその後防御機能を果たすことはないそうで、何度でも発症してしまう可能性があるそうです。感染症の中には1度発症してしまうともう2度と発症しないものもありますが、クラミジア肺炎は何度でも発症する可能性があるため注意が必要です。

クラミジア肺炎の治療法とは?マクロライド系の抗生物質が有効です!

クラミジア肺炎は、主にクラミジアニューモニエという細菌の感染が原因となって発症につながる細菌感染症ですので、その治療においては抗生物質が用いられます。抗生物質とは、細菌の特徴を利用した薬のことであり、細菌には効果を示しますが、ウイルスには効果を示しません。最初にも申し上げましたが、風邪という病気はそのほとんどがウイルスの感染によるものであるため、その治療という目的で抗生物質が処方されることはありません。風邪をひいたときに抗生物質が処方された場合、それは細菌による二次感染などを防ぐためです。

抗生物質にもそのメカニズムの違いによっていくつかの種類のものがありますが、クラミジア肺炎においては、主にマクロライド系の抗生物質が処方されます。マクロライド系の抗生物質は、細菌がタンパク質を合成できなくするように働く抗生物質であり、その結果細菌の増殖を防ぐことができます。

クラミジアはいったん感染すると繁殖力が比較的強いため、基本的には2週間ほどの投薬が必要になるそうです。空咳の症状が落ち着いてきても、抗生物質の服用をやめてしまうとまた症状が表れてしまう可能性があるため、必ず医師に言われた期間は抗生物質を服用するようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、発症すると空咳の症状が続くのが特徴的なクラミジア肺炎に関する情報についてまとめました。

このクラミジアは、感染しても肺炎に発展することは珍しいのですが、感染自体は珍しいことではないので、もし熱はないのに空咳の症状が続いているという場合は気を付けてください。胸に違和感が生じている場合は炎症が広がっている可能性もありますので、そのような場合は早めに病院へ行くようにしましょう。

また、よろしかったらこちらの記事もご覧になってみてください。

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今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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