空咳とは、痰が絡まないような乾いた咳のことです。喉が乾燥したり、敏感になることによってこのような空咳の症状が表れることがあります。
一般的な咳という症状は、風邪などの感染症を患ったときに起こりやすく、このような場合痛みを伴い、痰が絡むような咳であることが多いですが、もし最近原因もわからないのによく空咳が出るという方も注意が必要です。
また、その空咳の症状に加えて、慢性的に息苦しさを感じたり、呼吸をすると喉からヒューヒューという音が聞こえるという方は特に注意をしてください。もしかしたら、そのような方は気管支喘息を発症しているかもしれません。
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近年、大人になってから急に気管支喘息を発症してしまう方は増加傾向にあり、この気管支喘息は子供よりも大人の方が重症化しやすいということも言われています。また、大人の気管支喘息患者だからこそ発症してしまう合併症もあります。気管支喘息という病気は近年でも年間2000人近い方が亡くなっている病気であり、発作が起きてしまうとこのように命に係わるほど重症化してしまうこともあります。
今回の記事では、空咳が出たり、喉からヒューヒューと音が聞こえる場合に発症している可能性のある気管支喘息について、その概要や、どのような時に発症しやすいのかなどなど様々な情報について詳しくまとめていきたいと思います。
目次
気管支喘息ってどんな病気?ヒューヒューとなる音は危険を知らせるサインです!

まず最初に、この気管支喘息という病気はどのような病気であるのか、その概要についてわかりやすくまとめていきたいと思います。
気管支喘息は発作が起きてしまう病気、というイメージを持っている方が多いのではないかと思いますが、この気管支喘息という病気の根本的な原因は、気管支に慢性的に生じるようになってしまう炎症にあります。
普通、炎症というものは細菌やウイルスが体に感染した時に、それに対抗するための免疫反応として表れる症状ですが、気管支喘息の患者は、何らかの原因によって気管支が慢性的に炎症を起こすようになってしまうのです。つまり、この気管支喘息という病気は、免役の誤作動によって引き起こされてしまう病気ともいえます。
このようにして気管支に慢性的に炎症が生じるようになると、その影響から気管支はむくみ、気管支喘息の患者は慢性的に息苦しさを感じるようになります。
また、炎症を起こした気管支は非常に敏感な状態となっていますので、少しの刺激でさえもを気管支を収縮させる原因となり、この病気の患者では慢性的に空咳の症状が表れるようになります。
また、更に症状がひどくなると、気管支が細くなることによって、ゼーゼー、ヒューヒューという音が聞こえるようになります。この、ヒューヒューという音は喘鳴(ぜんめい)と呼ばれ、気管支喘息の患者に特有の症状といわれています。
このヒューヒューという音は、非常に状態が悪いということを知らせるサインでもあります。そのままにしておくと発作が起き、重症化してしまう可能性がありますので、もし、喉からヒューヒューと音が聞こえて変だなと感じたらすぐに呼吸器内科等の医師に相談をするようにしましょう。
気管支喘息を発症してしまうのはどんな時?

気管支喘息は大人になってから発症してしまう方も多くいらっしゃいますが、それではどのような時に発症しやすいのかということについてご説明していきたいと思います。
まず、この気管支喘息という病気は、感染症に伴って発症してしまうことが多いのですが、その場合は風邪の治りかけと勘違いをしてしまい、発見が遅れてしまう場合があるので注意が必要です。もし、風邪などをひいて、熱はひいたのに、いつまでも息苦しさが残り、空咳が出たり、喉からヒューヒュー音が聞こえる気がするという方は、そのままにはせず早めに医師に相談をするようにしてください。
また、気管支喘息という病気は、女性の場合、妊娠や出産による体調の変化に伴い発症してしまう方も多くいらっしゃるそうです。もし、出産後に息がしづらかったりした場合は、そのままにしておくとさらに症状がひどくなってしまうことも考えられますので、早めに対処するように気をつけましょう。
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気管支喘息の患者がよくアレルギー反応で発作を起こしてしまうのは何故?

気管支喘息の患者が発作などの症状を起こしてしまう時、その根本的な原因は先ほども申し上げましたように気管支の炎症であるわけですが、この炎症が起きて敏感になった気管支を刺激し、実際に発作を誘発する原因となるものは人それぞれです。
気管支喘息の発作を誘発する原因となるものには、タバコの煙、香水、運動、お酒、そしてアレルギー反応などが挙げられます。タバコの煙や香水の香りは、気管支喘息の患者でなくても、慣れない方が吸うとうっと息苦しくなりますよね。気管支喘息の患者ではそのような刺激が気管支を収縮させ、呼吸を困難にさせる原因となってしまうことがあるのです。
また、今挙げた例の中でも、特にアレルギー反応によって発作が起きてしまうという方は多数いらっしゃいます。では、なぜアレルギー反応が起こると発作が起きてしまうのか、またそもそもアレルギー反応とはどのようなメカニズムによって起こるのかということを詳しく説明したいと思います。
まず、アレルギー反応というものは、起きてしまう方と、そうでない方がいらっしゃいますが、アレルギー反応が起きてしまう方というのは、体がある特定のものを異物として判断してしまうのがその原因です。
例えば花粉症を例にとりますと、花粉というものは特に吸い込んだからと言って特別体に害を及ぼすものではありませんが、花粉症の方はその花粉を異物として認識し、排除しようとします。そして、そのような判断の結果、体はその異物を排除するために、その異物に対して特異的に結合するigE抗体と呼ばれるものを生成し始めます。
このigE抗体は、体の中で多数生成されると、その後免疫細胞である肥満細胞と呼ばれるものの表面に結合し、また異物が体の中に入ってくるのを待ちます。そして、今回は花粉をその例としていますので、花粉が体に入ってくると、この抗体が花粉に結合子、その信号を肥満細胞へと伝えます。
すると、この肥満細胞は、ロイコトリエンやヒスタミンなどの化学物質を体内に放出するのですが、まさにこれらの化学物質が花粉症に代表される鼻水、鼻づまりの症状や目のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こす原因となります。また、これらの化学物質には気管支の炎症を悪化させ、収縮を促す強い作用がありますので、もともと気管支に炎症が起きていて気管支が敏感になっている気管支喘息の患者は、これらの化学物質の影響によって急激な気管支の収縮が起き、発作が引き起こされてしまうのです。
また、先ほど挙げた発作を引き起こす例の他にも、気管支喘息の患者の中には、ロキソニンやバファリンなどの、薬局で普通に販売されている解熱鎮痛剤によって発作が引き起こされてしまう方もおり、この症状はアスピリン喘息と呼ばれています。
この症状は大人の気管支喘息の患者の約10%ほどに見られるもので、逆に子供の患者はほとんどいないことから、大人の気管支喘息の患者特有の合併症として知られています。そして、特に大人になってから気管支喘息を発症してしまった方に多い病気と言われています。
また、言い換えるとこのアスピリン喘息という病気は大人になってから後天的に発症してしまう病気なので、それまではロキソニンなどを普通に服用できていた方でも、気管支喘息の発症をきっかけにロキソニンなどの鎮痛剤に対して過敏に反応してしまう体質になってしまうということもあり得るのです。
そのため、もし大人になってから気管支喘息を発症してしまった方は、解熱鎮痛剤を服用する際には十分注意してください。このアスピリン喘息に関するさらに詳しい情報はこちらの記事で解説しています。
気管支喘息の治療法とは?

気管支喘息は気管支に生じている炎症が根本的な原因ですので、気管支喘息の治療ではこの炎症を鎮めてあげることが基本となります。
この抗炎症治療において、第一選択で用いられるのが、吸入ステロイド薬です。吸入ステロイド薬とはその名前の通り、抗炎症作用のあるステロイドを吸入することによって、炎症が起きている気管支に直接的に作用させるお薬です。
喘息の治療においては、この吸入ステロイド薬を継続的に使用し、徐々に炎症を抑えていくことが基本となります。このように、継続的に用いることによって喘息の症状をコントロールするお薬は、コントローラーと呼ばれます。
この他、気管支喘息の患者には、発作が起きてしまったときの緊急のお薬として、経口ステロイド薬と呼ばれる、吸入ステロイドよりも強い抗炎症効果のある薬も処方されます。このように、発作が出た時だけ使用する薬は、先ほどのコントローラーに対して、リリーバーと呼ばれます。
気管支喘息の治療においては、その患者に合わせて処方される薬が変わることがあります。気管支喘息の治療に使われる薬に関する詳しい情報はこちらの記事でまとめていますので、気になる方はご覧になってみてください。
気管支喘息は人によって症状が異なりますので、どのくらいの期間治療が必要になるのかということも人によって異なります。しかし、私も大人になってから気管支喘息を発症してしまい、吸入ステロイドによる治療を行っていましたが、一ヶ月ほどの治療でほとんど症状はなくなりました。しっかりと治療を行えば必ず症状は良くなりますので、もし現在治療を行っている方や、これから治療を行うという方は、継続的な治療を怠らず、症状がきっと良くなると前向きに考え治療を頑張ってください。(^^)
まとめ
今回の記事では、息苦しさを感じ、空咳が出たり、喉からヒューヒューと音がする場合に発症している可能性のある気管支喘息について、その概要や治療の仕方などについて詳しくまとめました。
特に、喉からヒューヒューと音がする喘鳴の症状が見られる場合には、そのままにしておくと重症化してしまう可能性もありますので、早めに病院へ行って医師に診てもらうようにしてください。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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