なんだか長引く空咳(乾いた咳)の症状、風邪かなと思って熱を測ってみたけれど、結果平熱で特に熱はない…
そのような場合、いつか咳も治まるかなとその症状をそのままにはせず、是非一度呼吸器内科の医師などに相談をしてみてください。平熱なのに長引くその空咳の症状は、もしかしたら気管支喘息の初期症状かもしれません。
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気管支喘息という病気は、近年大人の患者が増加傾向にあるといわれている病気であり、感染症に伴って発症したり、妊娠や出産、季節の変わり目などを機に急に発症してしまうことのある呼吸器疾患です。特に感染症に伴って発症してしまった場合、熱はひいて平熱に戻ったのに、いつまでも空咳が長引くので病院で検査を受けたところ気管支喘息と診断されるという方も少なくなく、このように風邪の治りかけと勘違いをして発見が遅れてしまうと症状がひどくなってしまう可能性もあるため注意が必要です。
今回の記事では、平熱なのに長引く空咳の症状がある方は特に注意すべき気管支喘息という病気について、その原因や症状、治療法などに関する情報を詳しく解説していきたいと思います。
目次
平熱なのに長引く空咳の症状がある方は要注意!その長引く咳は気管支喘息の初期症状かもしれません…

平熱なのに長引く空咳の症状があったり、常に何となく喉に違和感があるという場合、その方は気管支喘息という呼吸器疾患を発症している可能性があります。この気管支喘息とは、何らかの原因によって気管支が慢性的に炎症を起こすようになってしまう病気です。
普通炎症という症状は、ウイルスや細菌などが細胞に感染した時にその免疫反応として表れる症状ですが、気管支喘息を発症すると、ウイルスなどの感染が起きていないのに、気管支が慢性的に炎症を起こすようになってしまうのです。つまり、気管支喘息は免疫システムの誤作動ともいえる病気です。
気管支喘息の患者において、気管支が慢性的に炎症を起こすようになるとどうなるかというと、まず、炎症を起こした気管支はその炎症の影響によってむくむため、気管支が細くなり、気管支喘息の患者は慢性的に息苦しさを感じるようになります。また、炎症を起こした気管支は非常に敏感な状態となっているため、わずかな刺激にも反応してしまい、すぐに収縮を起こすようになります。これが気管支喘息における長引く空咳の原因であり、この長引く空咳の症状は炎症を抑えないことには治りません。
また先ほども言いましたように、気管支喘息の患者は気管支において炎症が生じていますが、ウイルスなどが感染しているわけではないため、熱は特に熱はなく平熱の状態で咳の症状が表れます。それゆえに、患者の中には気管支喘息の症状を軽度の風邪や、風邪の治りかけと勘違いをしてしまい、発症が遅れてしまうケースがあります。
気管支喘息という病気は、この炎症を放っておくと気管支が炎症と修復を繰り返すリモデリングと呼ばれる現象が起こり、治療が困難になるケースがあるほか、気管支の炎症が、アレルギー反応や、タバコの煙、運動、お酒などによって悪化すると、気管支の急激な収縮が起こり、呼吸が困難になるケースがあります。これがいわゆる発作と呼ばれる症状です。気管支喘息は発作が起こると命を落としてしまうケースもありますので、そうなる前に適切な治療を行う必要があります。
ここまでに気管支喘息の症状として、平熱なのに長引く空咳の症状を挙げましたが、実際に見られる症状が長引く空咳の症状のみである場合、その方は咳喘息と診断されることがあります。咳喘息とは、気管支喘息の中で比較的軽度なものを指し、基本的に発作などの症状が表れることはありません。しかし、それゆえに発見が遅れてしまうこともあり、この咳喘息の症状もそのままにしておくといずれ通常の気管支喘息に移行してしまう可能性があるため注意が必要です。もし平熱なのに長引く空咳の症状がある場合、早めに医師に相談をするようにしましょう。
では、咳喘息と気管支喘息の違いにはどのようなものが挙げられるかというと、気管支喘息を発症している場合、長引く空咳や息苦しさの症状に加えて、喘鳴と呼ばれる症状が見られる場合があります。この喘鳴とは、気管支が炎症の影響によって収縮し、細くなっていることによって、気管支から聞こえるゼーゼー、ヒューヒューという音のことを言います。もし呼吸をするたびにこのような音が聞こえる場合はいつ発作が起きてしまってもおかしくないため、早めに適切な治療を行う必要があります。
気管支喘息における気管支の炎症は、そのままにしていても良くなりませんし、むしろ悪化してしまう可能性があります。では、この気管支喘息はどのようにして治療を行うのか、詳しく説明したいと思います。
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気管支喘息の治療法とは?

気管支喘息の治療において重要なことは、気管支に生じている炎症を鎮めるということです。そして、この炎症を抑えるために気管支喘息の治療においては吸入ステロイド薬が第一選択で用いられます。
吸入ステロイド薬とは、その名の通り、吸入によって抗炎症作用のあるステロイドを炎症が起きている気管支に作用させるお薬になります。ステロイドには免疫の作用を抑える働きがあり、結果免疫の誤作動で表れている炎症を鎮める効果があるのです。
ステロイドと聞くとあまり良いイメージがないかもしれませんが、ステロイドはもともとは体内の副腎皮質と呼ばれる場所で作られているホルモンの一種であり、薬として使用するものはこれを人工合成したものになります。吸入ステロイド薬は、これを気管支に直接吹きかけるため、1回の使用量もごく少量で済むことから、それほど副作用について心配する必要もありません。
気管支喘息はこうした治療を早期に始めることが何よりも重要になります。症状が重症化してしまうと、治療もより長い間必要になったり、入院が必要になってしまうケースもあります。もし現在、平熱なのに長引く空咳の症状があったり、常に息苦しさを感じたりする場合には是非早めに呼吸器内科の医師などに相談をするようにしましょう。
まとめ

今回の記事では、平熱なのに長引く空咳の症状がある場合に発症している可能性のある気管支喘息に関する情報についてまとめました。
熱を測ってみて、結果平熱だと、咳の症状があってもいずれ治るだろうと油断してしまいそうですが、咳という症状は必ず何かしらの原因があって表れている症状ですので、もし長引く咳の症状がある場合には必ず早めに医師に相談をするようにしてください。
また、平熱なのに咳が長引いているという場合、その原因にはアレルギー反応、貧血、心臓病、気胸、肺がん、不整脈、逆流性食道炎なども挙げられます。これらに関する情報は別記事で詳しく解説していますので、是非そちらもご覧になってみてください。(病名をクリックするとご覧になれます。)
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。(^^)
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