皆さんはマイコプラズマ肺炎という病気をご存知でしょうか?これは、マイコプラズマと呼ばれる病原性微生物の感染によって引き起こされる子供に多い肺炎として知られており、発症すると熱やなど咳の症状が表れます。子供が熱を出してしまうことは珍しくありませんが、その原因がこのマイコプラズマであった場合は、適切な治療を行う必要があるので、注意してください。
マイコプラズマは一年を通して感染する可能性がありますが、特に冬場の乾燥する時期にマイコプラズマ肺炎を発症する子供が多いといわれています。また、このマイコプラズマ肺炎は数年に一度流行する傾向にあるそうです。子供に多い肺炎として知られていますが、この病気は子供だけではなく大人でも発症することがあり、大人の方が重症化しやすい傾向にあるといわれているので注意が必要です。特に、自分の子供がマイコプラズマ肺炎を発症してしまった場合は、うつることが無いように気を付けなければなりません。
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このマイコプラズマ肺炎は発症すると熱や咳の症状が表れるといわれているのですが、この咳の症状に1つの特徴があり、マイコプラズマ肺炎によって引き起こされる咳は痰が絡むような咳ではなく、空咳の症状である場合が多いといわれています。そのため、子供が熱をだし、ケホケホ、と乾いた空咳をしている場合は、マイコプラズマ肺炎を疑った方が良いでしょう。
また、マイコプラズマ肺炎は熱や空咳の症状だけではなく、他にもいくつか特徴的な症状があるといわれています。それでは、このマイコプラズマ肺炎とはいったいどのような病気なのか、その詳しい症状や、治療ではどのような薬が用いられるのかといった情報についてわかりやすくまとめていきたいと思います。
目次
マイコプラズマ肺炎とは?子供が熱を出して空咳をしている場合は要注意!

マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマと呼ばれる病原性微生物の感染によって引き起こされる肺炎であり、特に子供に多い肺炎として知られています。感染してすぐに熱や空咳などの症状が表れるわけではなく、時には1か月ほどの長い潜伏期間を経て発症することもあるそうです。このマイコプラズマ肺炎は大人でも発症しますが、その患者の多くは5歳から10歳くらいまでの子供であるといわれています。
ちなみに、肺炎という病気の中で、特に多い病原菌として挙げられるのは、肺炎球菌と呼ばれる細菌です。そしてこの肺炎球菌に次ぐようにして、今回紹介しているマイコプラズマや、クラミジアニューモニエなどが挙げられます。
このクラミジアニューモ二エと呼ばれる菌によって引き起こされる肺炎はクラミジア肺炎と呼ばれており、熱の症状が表れずに、空咳の症状のみが続くことのある肺炎として知られています。クラミジアと聞くと性病のイメージが強い方もいるかもしれませんが、性病の原因となるものは、主にクラミジアトラコマティスと呼ばれるものになります。このクラミジア肺炎に関する情報はこちらの記事でまとめていますので、よろしかったらご覧になってみてください。
さて、今回その詳細についてご紹介しているマイコプラズマ肺炎ですが、これは子供に多いということ以外に、その症状に関してほかの肺炎とは少し異なる特徴があるといわれています。それは、肺炎における炎症の症状が起こる場所です。
これはどういうことかと言いますと、肺炎は肺の内部で炎症が起こる病気というのが一般的な認識だと思うのですが、更に詳しくみると、肺炎という病気ではそのほとんどが気管や肺胞と呼ばれる場所において炎症が生じるのに対して、マイコプラズマの感染によって起こる炎症は肺胞と肺胞の間にある間質と呼ばれる組織で起こるといわれています。そして、この間質性肺炎の症状は一般的な肺炎に対して発見がしにくいそうです。そのため、処置が遅れてしまい症状がひどくなってしまう場合が稀にあるといわれています。
このマイコプラズマ肺炎は通常はそれほど重症化せずに治る病気なのですが、時に合併症が引き起こされ重症化してしまうケースがあるといわれています。マイコプラズマ肺炎の合併症としては、中耳炎、副鼻腔炎、髄膜炎、脳炎などが挙げられます。また、マイコプラズマ肺炎の症状が原因となって気管支喘息を発症してしまう方もいるといわれています。もし子供が熱をだし、空咳をしていたら、すぐに病院に連れて行ってあげましょう。
マイコプラズマ肺炎の症状とは?熱や空咳以外にもこのような症状が挙げられます…
マイコプラズマ肺炎を発症してしまった場合、以下のようなものが主な症状として挙げられます。
熱が出る
まず、マイコプラズマ肺炎はその初期症状として急に熱が出ることが多いようです。38度以上の高い熱が出る方が多いそうですが、中にはそれほど高くない熱の症状がでる方もいるそうなので、なかなか熱の症状からマイコプラズマ肺炎かどうか見分けることは難しく、ただの風邪による熱と思われる方も多いかもしれません。しかし、熱はマイコプラズマ肺炎に見られる特徴的な症状の一つであるということは覚えておきましょう。
空咳が出る
マイコプラズマ肺炎の初期症状として特徴的といわれるのが空咳の症状です。空咳とは、痰などの出ない乾いた咳のことを言います。熱の症状が表れてから数日後に空咳の症状が表れた場合はマイコプラズマ肺炎を疑った方が良いかもしれません。特に人間の体は自律神経の働きにより夜間に咳が出やすくなっていますので、夜になると子供の空咳の症状がひどいという場合はマイコプラズマ肺炎による症状である可能性がありますので注意してください。
吐き気や下痢の症状が現れる
マイコプラズマ肺炎は、その症状として熱や空咳以外に吐き気や下痢の症状が表れることがあるようです。と言ってもこれは普通の風邪においても見られる場合がありますが、もし子供が熱や空咳に加えて吐き気や下痢をしていたら、体力の低下によって重症化してしまう可能性もありますので、早めに病院に連れて行ってあげるようにしましょう。
胸に痛みの症状が現れる
マイコプラズマ肺炎は、その症状として熱や空咳以外に、胸に痛みが生じる場合があるそうです。この場合、胸膜炎と呼ばれる症状を併発してしまっている可能性があるため、病院へ行った際には医師にしっかりとその症状を伝えるようにしましょう。
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マイコプラズマ肺炎の治療の方法とは?治療に有効な薬はこちらです。
マイコプラズマ肺炎の原因であるマイコプラズマですが、実はこのマイコプラズマは非常に特殊な性質をもった生き物であるといわれています。これはどういうことかと言いますと、普通、感染症の原因となるものは、その特長によって細菌、またはウイルスという2つのものに大別されるのですが、このマイコプラズマは、その細菌とウイルスの中間的な性質を持っているのです。
ちなみに、細菌というのは、人間のような沢山の細胞を持つ多細胞生物とは異なり、1つの細胞からなる単細胞生物です。そして、細菌の場合は栄養や水があれば自分でエネルギーを作り出すことが出来ます。
これに対して、ウイルスというのは、細菌に比べると非常に小さい微生物であり、タンパク質の外殻の内部に遺伝子を持っているだけの存在で、自分ではエネルギーを作ることが出来ず、細胞に感染することでのみ生命活動を行い、増殖することができます。
そして、マイコプラズマがこの細菌とウイルスの中間的な性質であるといわれる所以は、このマイコプラズマは、細菌が持っているような細胞壁をもっていないため、ウイルスのような存在なのに、細菌のように細胞外でも増殖が出来るということです。
そのため、特に細菌の細胞壁を破壊することで効果を発揮するペニシリン系やセフェム系の抗生物質は効果がなく、タンパクの合成を阻害することによって増殖を防ぐマクロライド系の抗生物質などが選択的に治療に用いられます。
ちなみに、このような抗生物質は細菌に対して効果を持つ薬のことであり、ウイルスに対しては効果を発揮しません。そのため、現在の段階ではウイルスを退治する薬というのは一部の例外を除いて存在していないのです。
風邪を治す薬は存在しない、ということを聞いたことがある方も多いのではないかと思いますが、実は一般に風邪と呼ばれているものはその原因がウイルスであるため、これを治す薬というものは存在していないのです。そのため、風邪をひいたときに処方される薬は、風邪を治すものではなく、風邪による諸症状を緩和する薬なのです。
まとめ
今回の記事では、子供に多く、空咳や熱の症状が特徴的なマイコプラズマ肺炎に関する情報についてまとめました。
マイコプラズマ肺炎は子供に多いといわれている病気ですので、親がその症状にいち早く気付いてあげることが重要です。もし子供が熱に伴い、ケホケホと空咳をしていたらマイコプラズマ肺炎を疑ってください。
マイコプラズマ肺炎は難治性の病気というわけではないので、それほど怖い印象を持つ必要はないのですが、合併症を起こしてしまう可能性があるため、10歳以下の子供がいる親の方はマイコプラズマ肺炎の存在は知っておいた方がよいでしょう。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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