咳の症状が続くとき、その原因として真っ先に考えられるのがかぜですね。熱が続くことに加え、痰が絡む咳や鼻水が出たり、喉の痛みが出るなど、典型的なかぜの症状が表れた場合は、近くにある内科の病院や耳鼻科で十分診てもらえます。もし風邪だなと感じ、何科に行くか迷ったらまずは近くにあるこれらの病院に行くようにしてみると良いでしょう。
しかし、咳が続く病気はかぜだけではありません。もし、特に熱が出ているわけではないのに咳だけが続く場合や、その咳が痰が絡むような咳ではなく、空咳(乾いた咳)である場合は、かぜ以外の病気によってその症状が引き起こされている可能性があります。
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もし、何らかの咳の症状があるときに、それが普通のかぜではないと感じたら何科を受診するべきなのでしょうか。もちろん、咳が出たら一度内科や耳鼻科の医師に相談してみても良いのですが、普段から咳の症状が表れる原因にどのようなものが考えられるのか把握しておくと、病院選びもスムーズに行えるかもしれません。
それでは、もし何らかの咳の症状が続くとき、私たちは何科を受診すれば良いのでしょうか。咳の症状が続く場合に考えられる原因についてまとめていきたいと思います。
目次
咳が続く一番の原因はかぜ!でも、何科の病院でもかぜを治す薬はないってご存知ですか?

もしかぜだと感じたら、先ほども言いましたように、内科や耳鼻科を受診すればちゃんと診てもらえますという話をしましたが、実は何科の病院に行っても、かぜを治す薬は処方してもらえないということをご存知ですか?風邪を治す薬はない、という言葉を聞いたことがあるという方もいるかもしれませんが、これがどういいうことなのかわかりやすくまとめていきたいと思います。
まず、咳が続くので内科や耳鼻科を受診し、かぜと診断されて薬を処方してもらう場合、その薬は、かぜによって続くのどの痛みや、熱、鼻水などの症状を緩和する薬であって、かぜの原因となるウイルスを退治してくれる薬ではないのです。それに、かぜという病気は非常に一般的ですが、このかぜという病名自体、非常に曖昧なものであるとは感じないでしょうか?
例えば、肺結核という病気は、結核菌によって引き起こされるものなので、その病名から原因がなんの菌なのかわかりますが、かぜという言葉は、そこから何が原因で熱や咳の症状が引き起こされているのか全く分かりませんよね。
実はかぜとは、何らかのウイルスなどによって上気道において炎症が見られる疾患の総称のことを言います。正確には、かぜ症候群と呼ばれており、近年では上気道の炎症に加えて、気管支付近の下気道においての炎症も合わせてかぜ症候群とされているそうです。
そしてこのかぜは、その原因の80~90%がウイルスであり、そのウイルスを細かく分類していくと200種類以上にも及ぶといわれています。かぜはごくごく一般的な病気ですが、その原因にはこれほどたくさんの原因が考えられるんですね。
ここで、原因の80~90%がウイルスなら、残りの約10%はいったい何?と思われると思うのですが、この残りの10%は、主に細菌になります。
あまり考えたことが無かったという方も多いかもしれませんが、実は、細菌とウイルス、という2つのものには明確な違いがあるということをご存知でしょうか?
まず、主にかぜの原因となるウイルスですが、これはタンパク質の外殻の内部に遺伝子を持っているだけの存在であり、自分でエネルギーを作り出すことはできないため、ヒトや動物の細胞に寄生して初めて増殖を行うことが出来ます。
これに対して、細菌というのは細胞を持つ単細胞生物であり、自分でエネルギーを作り出すことが出来るため、ヒトや動物の細胞外においても生命活動を行うことが出来ます。また、最近はウイルスに比べると大きいという特徴があります。
よく、抗生物質が何かの病気の治療において処方されたりしますが、抗生物質は主に細胞を持つ細菌にのみ効果を発揮する薬であるため、ウイルスには効果を発揮しません。そのため、結核菌によっておこる肺結核などは抗生物質による治療が有効であっても、かぜはそれを治す薬というものはないのです。
とは言え、かぜはしっかりと栄養と休養をとれば、自分の免疫だけで十分に対処できます。もしかぜをひいてしまった場合は無理をせずに、よく休んで免疫が良く働くようにしましょう。
熱はあるけれど痰が絡むような咳じゃない…熱と空咳が続く場合はマイコプラズマ肺炎かもしれません!

もし、急に38度前後の熱の症状が表れ、その後表れた咳の症状が空咳である場合、その方はマイコプラズマ肺炎という病気を発症している可能性があります。
マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマと呼ばれる病原性微生物によって引き起こされる肺炎なのですが、マイコプラズマによって引き起こされる肺炎は、肺胞と肺胞の間で炎症が起こる間質性肺炎である場合が多いといわれています。
では、マイコプラズマ肺炎を発症してしまった場合は何科を受診したら良いのかと言いますと、マイコプラズマ肺炎の場合は内科で治療に効果のある薬を処方してもらえるようです。もし自分の症状がマイコプラズマ肺炎の症状に似ており、何科を受診するか迷ったらまずは内科を受診してみるとよいでしょう。
また、このマイコプラズマ肺炎は抗生物質による治療が有効なのですが、マイコプラズマは細菌とウイルスの中間的な性質を持つという少し特殊な特徴があります。マイコプラズマ肺炎に関する情報は以下の記事でまとめていますので、よろしかったらご覧になってみてください。
マイコプラズマ肺炎に関する情報を知りたい方はこちらの記事をご覧ください…
熱はないけれど咳が出る、原因のわからない空咳が続く場合は気管支喘息かもしれません。

もし、特に熱はないのに、原因のわからない空咳だけが続くという場合、その方は気管支喘息を発症している可能性があります。
気管支喘息は発作が起きる病気、という認識の方も多いかもしれませんが、この病気の根本的な原因は気管支に慢性的に生じる炎症です。このように炎症が起きた気管支は非常に敏感な状態となっているため、その影響によって空咳が出たり、重症化すると発作が出たりします。
もし気管支喘息のような症状が表れた場合何科を受診するべきかというと、気管支喘息は呼吸器に炎症が起きる病気ですので、呼吸器科、呼吸器内科を受診すればまず問題なく対処していただけます。また、呼吸器内科等以外にも、アレルギー科でも対処していただけるそうです。実は、気管支喘息はアレルギーの症状がある方に多い病気なのです。
もし自分の症状が気管支喘息に似ており、何科に行くか迷ったら上記のような科の病院の医師に相談してみましょう。気管支喘息に関する詳しい情報はこちらの記事でまとめています。
気管支喘息に関する情報を知りたい方はこちらの記事をご覧ください…
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つらい咳の症状に加えて胸や背中の痛みがある…その原因はもしかしたら肺がんかもしれません

よく原因のわからない咳の症状が続いており、胸や背中の痛みもあるという場合、もしかしたらそれは肺がんによるものかもしれません。
熱と咳に加えて胸の痛みがある場合、その原因としては肺炎も考えられるのですが、特に熱がない場合や、背中の痛みがある場合は、がんの転移によって引き起こされている可能性もあるので早めの対応が大切です。
肺がんの検査は先ほど気管支喘息の項でも書きました呼吸器内科で受けることが出来るそうです。もし原因のわからない咳が続くことに加え、胸や背中の痛みがある場合は呼吸器内科の医師に相談をしてみましょう。
肺がんに関する情報は次の記事でまとめています。
肺がんに関する情報を知りたい方はこちらの記事をご覧ください…
昼間は特に咳が出ないのに、夜になると空咳が出る。その原因は布団にいるダニかもしれません。

もし、夜寝ているときだけ息苦しさを感じ、空咳が出てしまうという場合、その原因は布団にいるダニによって引き起こされるアレルギー反応かもしれません。実は、このダニアレルギーは現在国民の4人のうち1人に見られるとも言われており、決して珍しいものではないのです。
もし昼間は全く咳が出ないのに夜になると空咳が続く場合はアレルギーの可能性があります。この咳に加えて、鼻水が出たり、目のかゆみがあったりしてアレルギーかなと感じたら、アレルギー科の医師に相談をしてみましょう。
ダニアレルギーに関する情報は以下の記事でまとめています。ダニって実はすごい生命力が強いんです。
ダニアレルギーに関する情報を知りたい方はこちらの記事をご覧ください…
原因のわからない咳が続くので、色々な医師に診てもらって薬ももらったのに効果がない!そんな方はこちらをご覧ください…

もし、原因のわからない咳が続くので、何科を受診すれば良いのかよくわからず、色々な科で診てもらって薬ももらって使ってみたけれどまったく効果がないという場合、それはストレスによって引き起こされる心因性咳嗽(しんいんせいがいそう)という症状かもしれません。
この心因性咳嗽は、特に身体的な異常がなくても咳が出てしまうので、薬を使っても症状の改善は見られないそうです。そして、咳がこのように心因性(ストレスが原因)である場合、内科や呼吸器内科でもその原因を特定することは難しいといわれています。
そのため、もし長く続く咳の原因が全くわからず、何科を受診したら良いかわからないという場合は、心療内科を受診してみるのも良いかもしれません。もし、現在このような悩みを抱えている場合は、一度心療内科の医師に相談してみましょう。
この心因性咳嗽に関する情報は以下の記事でまとめています。
心因性咳嗽に関する情報を知りたい方はこちらの記事をご覧ください…
まとめ
今回の記事では、咳が続く場合に、その咳やその他の症状から何科を受診したら良いのかという情報についてまとめました。
もしいつもの風邪と違うな、と感じた時に、何科を受診するかわからない場合は是非参考にしてみてください。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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