空咳が続く方にお勧めの漢方はこれ!

風邪が治ったのに、空咳(乾いた咳)の症状だけが続くという方は、喘息になりかけている可能性があるというのをご存知でしょうか?

空咳が続くのが特徴的なこの症状は咳喘息と呼ばれており、ここでしっかりとした治療をしておかないと発作などの症状が起こる気管支喘息の症状に移行してしまうと考えられています。

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もちろん、空咳のすべてが咳喘息からくるものではありません。夜間は自律神経の働きから気道が狭くなっているため、昼間に比べて咳が出やすくなっているというのも空咳の原因として挙げられます。また、冬場の乾燥も気管支を敏感にして空咳を誘発する原因となりますからね。

今回の記事では、様々な原因によって空咳が続く方のために、空咳の症状を抑えるのに効果のある漢方を紹介していきたいと思います。

目次

漢方とは?

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漢方とは、生薬といわれる自然由来の資源を組み合わせて作られたお薬のことです。奈良時代に日本へ伝えられた中国医学が、日本で独自の進化を遂げたのが漢方の生い立ちであるといわれています。

漢方に使われる生薬として、現在は草の葉や根などが用いられるのが一般的ですが、以前は動物や鉱物由来の成分も用いられていたそうです。

漢方の中でも特に葛根湯は有名ですね。風邪のひき始めに飲むという方も多いと思います。

この葛根湯には葛根、麻黄、桂皮、芍薬、甘草、大棗、生姜という7つの生薬が含まれており、このうちの葛根の名前をとって葛根湯と呼ばれています。

この7つの生薬は葛根湯だけではなくその他の漢方にも含まれており、漢方はその組み合わせの違いによって異なる効果を発揮するお薬となっています。生薬それぞれに異なる効用があり、例えば葛根湯の名前の由来にもなっている葛根には解熱作用がありますし、麻黄には気管支の拡張作用などがあります。

今回はそのような生薬の組み合わせによって作られている漢方の薬の中から、長く続く空咳の症状を抑えるのに効果的な漢方をご紹介したいと思います。

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空咳が続く方にお勧めの漢方3選!

それでは、数ある漢方の中から、長く続く空咳の症状を抑えるのに効果的な漢方を3つご紹介したいと思います。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

空咳が続く方にお勧めの漢方、1つ目は麦門冬湯です。

麦門冬湯には麦門冬、半夏、人参、粳米、大棗、甘草の6つの生薬が含まれており、これらが乾燥した喉を潤して、空咳の症状を鎮めてくれるといわれています。

生薬それぞれの効果も説明したいと思います。

まず、名前の由来にもなっている麦門冬はユリ科のジャノヒゲと呼ばれる植物の根のことであり、糖類やステロイドサポニンなどを含有しているといわれています。解熱消炎作用や、咳を鎮めたり痰を除去したりする効果があるといわれています。

半夏には鎮咳作用があるほか、胃を強くする効果があるといわれています。半夏はサトイモ科のカラスビシャクと呼ばれる植物の根茎です。

生薬として用いられる人参は、オタネニンジンと呼ばれる植物の根を乾燥させたものになります。疲労回復や免疫の亢進作用などがあり、新陳代謝の改善にも働くといわれています。

粳米とはすなわち玄米のことを指し、主に滋養作用などを示します。

大棗はクロウメモドキ科のナツメと呼ばれる植物の果実であり、胃腸の機能の調節や、強壮作用、鎮静作用、利尿作用などを示すといわれています。

そして、甘草は、マメ科のカンゾウを乾燥させたものであり、抗炎症作用や鎮痛作用、また、咳を鎮め痰を取り除く作用などがあります。そのため風邪薬としても効果的に働くそうです。

麦門冬湯は、これら6つの生薬の力によって、空咳を効果的に鎮めてくれるお薬となっています。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

空咳が続く方にお勧めの漢方、2つめは小青竜湯です。

小青竜湯には麻黄、桂皮、芍薬、半夏、五味子、細辛、乾姜、甘草の8種類もの生薬が含まれています。先ほどの麦門冬湯には含まれていない生薬も多く含まれていますね。小青竜湯には気管支拡張作用があるため、空咳の改善に効果的に働きます。

生薬の説明をしたいと思います。まず、麻黄はマオウ科の植物の茎の部分を指します。麻黄は喘息の症状などに用いられる生薬であり、発汗作用や鎮咳作用などを示すといわれています。また、痰を取り除く効果もあります。

桂皮はクスノキ科のケイや、同属植物の樹皮を乾燥させたものを指します。シナモンとも呼ばれます。発汗、発散作用や、健胃作用、解熱鎮痛作用などを示します。

芍薬は筋肉の痛みをとり、その緊張を緩める効果があります。また、芍薬は血液に滋養を与えたり、血液を活性化させたりする働きがあることから、月経痛の改善によく用いられるそうです。

五味子は、モクレン科のチョウセンゴミシと呼ばれる植物の果実のことを指します。気管支炎や喘息などの症状の改善に効果を発揮する生薬で、鎮咳作用、滋養作用、止汗作用などを示します。

細辛はウマノスズクサ科の植物などの根や茎を指します。鎮痛、鎮静作用や、抗菌作用などを示します。

乾姜はその名の通り生姜を蒸した後に乾燥させたものにまります。解熱鎮痛作用や鎮咳作用など、その他にもさまざまな効果を示します。

*半夏、甘草は麦門冬湯の方での説明をご参照ください。

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

空咳が続く方にお勧めの漢方、3つ目は麻杏甘石湯です。

麻杏甘石湯には気管支を拡張したり、痰を排出しやすくする効果などがあります。この麻杏甘石湯には、麻黄、杏仁、甘草、石膏の4つの生薬が含まれています。

このうち、杏仁はバラ科の杏子の種子のことを言います。鎮咳作用や去痰作用、潤腸作用などを主に示します。

また、石膏は含水の硫酸カルシウムのことを指します。初めて植物由来以外の生薬が登場しましたね(^^)石膏には解熱作用や消炎作用などがあり、利尿作用などもあるそうです。

*麻黄、甘草の説明は麦門冬湯と小青竜湯での説明をご参照ください。

咳喘息とは?

冒頭でもお伝えしましたが、風邪が治ったのに、空咳の症状だけが続くという場合、その症状は咳喘息である可能性があります。

咳喘息の症状では、通常の気管支喘息のような発作が起こることはなく、気管支喘息に特有な、呼吸時の喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)の症状はみられません。そのかわり、空咳の症状が長く続くのですが、何度も申しますように風邪と併発して発症する場合が多いため、なかなか症状に気が付きにくいといわれています。

咳喘息の症状も気管支喘息と同様に、その原因は気管支に生じている炎症ですので、気管支拡張剤や吸入ステロイドなどによる治療が効果的であり、この治療を行うことによって気管支喘息への移行を予防することが出来るといわれています。まず、長く続く空咳の症状に異変を感じたら、医師に診てもらうようにしましょう(^^)

まとめ

今回の記事では、空咳が続く方にお勧めな漢方などに関する情報をお伝えしていきました。

空咳の原因にも様々ありますが、咳喘息の場合はまずは医師の指示に従って治療を行うのが第一です。しかし、夜間はどんな方でも自律神経の働きから咳が出やすい状態にあり、また気圧の変化なども空咳を誘発する場合もありますから、そういったときにあまり喘息の薬を使用したくない場合はこれらの漢方を用いるようにしてみては良いのではないかと思います。いざというとき家に漢方を置いておくと安心です(^^)

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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