空咳と胃痛の症状、一見あまり関係がないように思える2つの症状ですが、実は、ある病気を発症してしまうとこれらの症状が同時に現れてしまう場合があるといわれています。
その病気とは、逆流性食道炎です。この病名を聞いたことがあるという方も多いのではないのでしょうか?逆流性食道炎とは、胃酸が食道の方まで逆流してくることによって、胃痛に加えて、胸やけや喉の違和感、そして吐き気を催すえずくような空咳の症状が引き起こされてしまう病気です。
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実は最近、食生活が欧米化している影響もあり、逆流性食道炎の患者数は年々増加傾向にあるといわれています。胃痛や胸やけ、そしてえずくような空咳の症状が増えてきた場合、それは逆流性食道炎が原因かもしれません。
今回の記事では、胃痛やえずくような空咳の症状の原因となる、逆流性食道炎に関する情報についてお伝えしていきたいと思います。
目次
胸やけ、胃痛、空咳、それらの原因は逆流性食道炎かも!

逆流性食道炎とは、胃の内容物や胃酸が食道に逆流してしまうのが主な症状です。これにより、食道が炎症を起こすことによって、胸やのどに不快感を感じたり、えずくような咳の症状が誘発されたりします。
また、逆流性食道炎を発症すると、胃液が必要以上に多く分泌されてしまい、これが胃を傷つけてしまうために胃痛の症状が表れてしまいます。
この胃痛の症状は、放置すると胃に穴があくこともあるそうです。また、逆流性食道炎の症状を放置することは胃がんや食道がんのリスクも高めてしまうようですので、早めの対応が重要になります。
物を食べた後に、口の方まで酸っぱい液が上がってきたり、胃痛やえずくような空咳の症状が現れたりした場合は逆流性食道炎の疑いが強いと思われますので、このような症状が現れた場合は一度医師に診てもらった方が良いでしょう。
そして、この逆流性食道炎は以前は高齢者に多くみられていた症状でしたが、現在は若い方も十分発症する可能性があります。これは、食生活が欧米化してきたことによって、脂肪の多い食事が増えたことがその原因として挙げられます。脂肪の多い食事は、下部食道括約筋と呼ばれる筋肉を緩め、これが胃液などの逆流の原因となるのです。
若い方でも、食後に辛い胃痛の症状が現れるようになってきたら、酷くなる前に病院へ行くようにしましょう。
胃痛の症状が特徴的な逆流性食道炎、その治療法とは?
では、実際に胃痛やえずくような空咳の症状が現れ、逆流性食道炎と診断された場合、どのように治療を行っていくかについてまとめていきたいと思います。
まず、逆流性食道炎の治療では、主にPPIと呼ばれるお薬を使って治療を行うことが第一となります。PPIとはプロトンポンプ阻害薬と呼ばれる薬の略称であり、胃液の分泌を抑制する効果があります。
しかし、このPPIは根本からこの症状を完治させるものではなく、あくまで飲んでいるうちは症状を抑えることが出来るというもののようで、飲むのをやめてしまうとまた症状が現れてしまうそうです。
そのため、特に若いときに逆流性食道炎を発症してしまった場合は、その後一生薬を用いなければならないため、体への負担が大きくなってきてしまいます。
しかし、近年では、このPPIを用いた薬物療法に対して、内視鏡を用いた手術療法も進歩してきています。逆流性食道炎の治療で行われる手術は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と呼ばれ、粘膜の下層部分を少しずつ剥離して炎症部位を取り除くのが大まかな手術内容になります。この手法はもともと胃がんや食道がんの治療のために用いられていたそうです。
このESDは非常に効果が高いそうで、手術後は順調に回復し、逆流が治まる方がほとんどだそうです。また、再発率も低く、手術自体もそれほど難しいものではないそうなので、しっかりと治したいという方は内視鏡手術を受けた方が良いでしょう。
しかし、逆流性食道炎の治療として内視鏡手術が行われ始めたのはつい最近のことであり、このESDの手術はまだそれほど一般的ではないようです。そのため、この手術が行われているのは、国内ではまだ大阪医科大学と昭和大学だけのようで、保険の適用にもなっていないようです。しかし、莫大な費用がかかるというわけでもないようですので、もし興味のある方は一度病院の方に問い合わせてみてはいかがでしょうか?
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逆流性食道炎になった際に注意すべきこととは?
逆流性食道炎になった際、胃痛を悪化させたり、吐き気を感じてえずくことを避けるために、注意しなければならないことがいくつかあるため、それらについてまとめていきたいと思います。
猫背にならない
猫背になると腹部にかかる圧力が強くなり、胃酸が逆流しやすくなってしまいます。これが吐き気を誘発し、えずく原因となってしまいますので、なるべく背筋を伸ばすよう意識するようにしましょう。
食べ過ぎない
食べ過ぎは、胃酸の分泌を促す大きな原因の一つです。決して食べ過ぎないようにしましょう。それに加えて、脂肪分の多い食事もなるべく控えるようにしましょう。
お酒を飲まない
飲酒も脂肪分の多い食事のように下部食道括約筋の働きを弱め、それに加えて胃酸の分泌を促してしまう働きがあるようです。なるべく飲酒は控えるようにしましょう。また、アルコールを含まない炭酸飲料も胃酸の逆流を起こしやすくしてしまうそうなので、こちらもなるべく控えるようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、胃痛やえずくような空咳の症状を引き起こす原因となる逆流性食道炎に関する情報についてまとめました。
胃痛を感じたり、喉まで胃酸が上がってきて、えずくような空咳の症状が現れてしまう場合は、逆流性食道炎の疑いが強いと考えられます。放置してしまうと胃がんや食道がんになってしまう可能性もあるため、なるべくひどくならないうちに病院へ行き治療を受けるようにしましょう。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。(^^)
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