鼻水、鼻づまりの症状と咳の症状というのはいつも密接な関係がありますよね。特に、鼻水は喉の奥まで落ち込むと、喉の粘膜に炎症を生じさせて咳を誘発する原因になるんです。
また、季節の変わり目や、乾燥する時期になると、空咳(乾性咳嗽)や痰が絡むような咳(湿性咳嗽)の症状が表れやすくなります。咳というのは胸を圧迫し、肋骨を折る原因にもなりますので、ひどいときには薬を服用することも大切です。
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また今回の記事では、鼻水、鼻づまりの解消方法について主にご紹介していきますが、これらを実践してもそれらの症状がなかなか解消されないという場合には、何か慢性的な病気を発症している可能性があります。
そこで今回の記事では、急な鼻水、鼻づまりの症状の解消方法に加えて、それらの症状が慢性的に続く場合の原因についても詳しくまとめていきたいと思います。
目次
そもそも鼻水、鼻づまりの症状はどうして起きるの?その原因やメカニズムはこちら!
まず、現在この記事をご覧になってくださっている方は今まさに鼻水、鼻づまりの症状に悩んでいると思うのですが、その症状が慢性的なものではなく、急に表れたものである場合、その原因としては次のようなものが考えられます。
風邪などの感染症

鼻水、鼻づまりの症状の原因としてまずはじめに挙げられるのが風邪などの感染症ですね。風邪という病気はあまりにも一般的過ぎて、この病気がどういうものなのか、またその原因は何なのかということをあまり皆さん意識したことが無いかと思いますが、風邪とは主にウイルスが上気道(鼻やのど)に感染することによっておこる感染症のことであり、このウイルスに対抗するために起こる免疫反応にによって、喉の痛みや咳、鼻水、鼻づまりなどの症状が表れる病気です。
ここまでなら、そんなこと知ってるよと皆さん感じると思うのですが、ここであえて何のウイルスなのか限定していないのは、風邪の原因となるウイルスは細かく分類するとおよそ200種類にも及ぶといわれており、何か特定のウイルスだけが原因となっているわけではないからです。また、ウイルスと同じくらい、「細菌」という言葉も耳にすることがあると思うのですが、細菌とウイルスはどちらも人間の細胞に感染するという点以外は、全く異なる性質を持った存在なんです。そして、風邪という病気はそのほとんどがウイルスが原因であり、細菌が原因になることはほとんどありません。
では、細菌とウイルスはどう違うのかと言いますと、まず細菌は1つの細胞からなる単細胞生物なのですが、ウイルスはタンパク質の外殻の内部に遺伝子を持っているだけの存在で、細胞を持っていません。また、細菌とウイルスの2つの大きさを比べると、ウイルスの方が圧倒的に小さいんです。
そして、しばしば感染症の治療には抗生物質と呼ばれる薬が使われるのを皆さんご存知だと思うのですが、この抗生物質は、細胞を持つ細菌にのみ効果を発揮する薬であり、ウイルスには効果を示しません。そのため、風邪をひいたときは抗生物質が処方されることはありません。抗生物質が処方される細菌による病気で有名なものには、肺炎球菌による肺炎や、結核菌による肺結核などが挙げられます。
また、「風邪を治す特効薬はない」、という言葉を皆さん一度は耳にしたことがあるのではないかと思いますが、これはその言葉通り、現在どんなウイルスにも効く薬、つまり風邪を治す特効薬はないのです。風邪をひいたときに病院で処方される薬というのは、風邪による喉の痛みなどの諸症状を緩和させる薬であり、風邪を治す薬ではないのです。
風邪を治すのは、最終的に体の免疫の力です。体の免疫の仕組みというのは、私たちが想像する以上に非常に複雑であり、とても秀逸です。何となく風邪をひくと薬を飲んだ方が良いんじゃないかと思ってしまうのですが、風邪をひいている時、私たちの体の免疫システムは非常に高度で複雑な働きをしているため、薬によってそのシステムの働きを阻害してしまうことは基本的には風邪の治りを遅くしてしまうことに等しいのです。そのため、風邪をひいているときには水分と栄養を取り、しっかりと休養をとることが一番の対策なのです。
しかし、喉の痛みや、咳がひどい場合や、あまりにも高い熱が出ている場合には、薬によってそれらの症状を緩和することももちろん大切です。こういった重篤な症状をそのままにしてしまうと、体の各所に二次的な被害が出てしまう可能性があるからです。特に、咳は胸に強い衝撃を与えますから、咳によって肋骨を折ってしまう方は少なくありません。
ちなみに、熱が高いと脳に影響があるのでは?と思っている方もいるかもしれませんが、熱そのものが脳に影響を及ぼすことはほとんどないといわれています。ウイルスによる感染症によって、脳に影響が出てしまう場合というのは、そのウイルスが脳にまで達して脳で炎症を起こしてしまった場合です。この症状は脳炎と呼ばれ、特にインフルエンザの患者では稀に脳炎の症状が起きてしまうことがあります。
ちなみにインフルエンザ関連の話をしますと、今説明したインフルエンザ脳炎と似ているものでインフルエンザ脳症と呼ばれる症状もあり、こちらも脳に障害を残す原因となったり、最悪命を奪う怖い症状です。しかし、脳炎と違って、この脳症の症状は脳へのウイルス感染ではなく、体の免疫システムが過剰に反応してしまうことによっておこります。
また、なぜ今この話をしたのかと言いますと、実はこのインフルエンザ脳炎、脳症の症状は、解熱剤を飲んでしまうと重症化を招く恐れがあるといわれているからなんです。そのため、インフルエンザを発症してしまったときにはロキソニンなどの強い解熱剤を飲んでしまうことは禁忌であり、解熱剤が処方される場合には、解熱剤の中でも特に優しい作用を示すカロナールが処方されるのが一般的であるといわれています。カロナールとロキソニンはどう違うのか、詳しいことはこちらの記事でまとめていますので、気になる方はご覧になってみてください。
長々とした説明になってしまいましたが、つまり何が言いたかったかと言いますと、感染症にかかったときにはとりあえず薬を飲むのではなく、その薬を何のために飲むのか、自分自身でよく考えたうえで飲んだ方が良いということです。
アレルギー反応

鼻水、鼻づまりの症状が急に表れてしまう場合、その原因としてアレルギー反応も挙げられますね。アレルギー反応によって鼻水、鼻づまりの症状が起きてしまう時、この症状はアレルギー性鼻炎と呼ばれます。
アレルギーの原因は人それぞれですが、その原因の中でも特に多いのが花粉やダニです。特に春のスギ花粉は花粉症の方にとっては非常につらいですよね。
また、特に夜寝ていると鼻づまりが起きやすいという方はダニによってアレルギー反応が起きている可能性が高いです。というのも、布団というのは適度に湿度が保たれていますし、ダニの餌となる人間のフケなどが多いので、ダニにとっては非常に住みやすい場所なんです。
そして、実は目には見えないだけで布団には数十万匹以上のダニがいるといわれています。なかなかダニを駆除するというのは容易ではないので仕方のないことなんですが、こんなにたくさんのダニに囲まれていたらアレルギー反応が出てしまうのも仕方ない気がしますよね。
ちなみに、布団を干すことはダニを駆除するという点においてはあまり意味がありません。ダニを本当に根本的に駆除したい場合には、熱を加えることが効果的です。よく電気マットにはマットを高熱にするダニ駆除機能がついていたりしますが、ダニは日光にはめっぽう強いのですが熱を加えると比較的簡単にしんでしまうのでこのような機能がついているんですね。しかし、本当に確実にダニを退治したいのであれば、コインランドリーにおいてある大型の乾燥機に入れて加熱することが1番良い方法だそうです。
また、花粉もダニもアレルギーの原因になり、このようにアレルギー反応が起きると鼻水、鼻づまりの症状が起きる、ということはどなたも知っているも思うのですが、実際それらのアレルゲンを吸い込んでしまったときに体の中ではどのような反応が起きているのかを簡単に説明したいと思います。
まず、ある方にとって特定のアレルゲン物質があったとします。その物質は、本来ならば体に害のない物質なのですが、体の免疫システムが以前それを異物として認識してしまっていると、体の中にはそのアレルゲン物質に対する抗体が作られています。この抗体は、igE抗体と呼ばれます。
そして、このigE抗体は、普段肥満細胞と呼ばれる免疫細胞の表面に付着しているのですが、アレルゲンの原因となる物質が体内に入ってくると、このigE抗体がその物質に結合し、その信号を肥満細胞へと伝えます。
すると、その信号を受けた肥満細胞は、ロイコトリエンやヒスタミンといった化学物質を放出し、その結果これらの化学物質の作用によって炎症が起きたり、粘膜の分泌、つまり鼻水や鼻づまりの症状が起きるのです。また、これらの化学物質はしばしば気管支の収縮の原因にもなるため、気管支喘息の患者ではアレルギー反応が発作の原因になります。
アレルギー反応はその人の体質なので、鼻水、鼻づまりの原因がアレルギー反応である場合は、それを解消するためにはアレルゲンとなる物質を生活の中からできるだけ排除するのが一番の対策方法です。
寒暖差

また、鼻水、鼻づまりの原因として寒暖差も挙げられます。よく寒いところから急に暖かいところに来ると鼻水、鼻づまりの症状が起きてしまうことってありませんか?
この症状は寒暖差アレルギーといわれており、人間の自律神経が急な気温の変化に対応できていないことによっておこります。自律神経は更に交感神経と副交感神経という2つに分けられ、私たちの体内器官はこの交感神経と副交感神経の働きのバランスによって制御されているのですが、気温が7度変化するとこれらの神経の働きのバランスが崩れてしまうそうです。
また、特に気温の急激な変化というのは季節の変わり目に起きやすいので、季節の変わり目には体調を崩さないように注意が必要です。急に温度が変化すると風邪などをひいてしまうことがある方も多いのではないかと思いますが、これはまさに温度変化によって自律神経の働きが乱れ、免役の働きまで乱れてしまうことがその原因の1つとして考えられます。
鼻水、鼻づまりの解消方法とは?即効使える方法はこちら!
それでは次に、急な鼻水、鼻づまりの症状が起きてしまったときにどのように対処すれば良いのか、その解消方法についてまとめていきたいと思います。
解消方法1:ペットボトルを脇に挟む

鼻水、鼻づまりの解消方法、1つ目は「ペットボトルを脇に挟む」です。
これはテレビでも紹介された方法なのですが、500mlペットボトルを脇に挟むことによって交感神経が刺激され、鼻づまりなどの解消につながるといわれています。この交感神経は先ほども説明しました自律神経のことです。
しかし、ここで1つコツがありまして、この方法で鼻づまりの解消が期待されるのは、ペットボトルを挟んだ脇と反対側の鼻だそうです。つまり、右の鼻が詰まっている場合には左の脇にペットボトルをはさみ、左の鼻が詰まっている場合には右の脇にペットボトルをはさめば良いということです。
簡単な方法ですので、もし鼻づまりの症状が起きてしまった場合には是非この解消方法を試してみてください。(^^)
解消方法2:息を止める

鼻水、鼻づまりの解消方法、2つ目は「息を止める」です。
このやり方のコツとしては、まずは大きく深呼吸をして、その後息を吐き切ります。
その後、鼻をつまんで、息をとめたまま約2秒くらいのペースで天井と床を交互にみます。
これを苦しくなるまで続けてから手を放してみてください。鼻の通りがよくなっていないでしょうか?
この解消方法は即効性がありますので、鼻づまりの症状が起きた時などには是非試してみたい方法ですが、息を止めますので、あまり無理はしないように気を付けて行ってください。
解消方法3:鼻うがいをする

鼻水、鼻づまりの解消方法、3つ目は「鼻うがい」です。
この鼻うがいの方法としては、実際によく鼻うがいをして効果を実感している方の話を例にしますと、まず、250ccの水に対して2gほどの塩を加えたぬるま湯を用意します。
その後、このぬるま湯を飲まないように鼻から流し込み、その後口から吐き出すそうです。慣れないうちは少し大変な方法かもしれませんが、鼻水、鼻づまりの症状が解消され、その効果が半日ほど続くそうです。
やってみる価値は十分にありますので、もし鼻水、鼻づまりの症状に悩んでいる場合には是非この解消方法を試してみてください。
解消方法4:蒸しタオルをあてる

鼻水、鼻づまりの解消方法、4つ目は「蒸しタオルをあてる」です。
この方法は非常に簡単で、濡らしたタオルを電子レンジで温め、これを鼻やほほのあたりにあてておくだけです。そうすると、少し時間がたつと鼻づまりの症状が改善され、鼻がかみやすくなるそうです。
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鼻水、鼻づまりの症状が慢性的に続いている方へ…その症状慢性副鼻腔炎(蓄膿症)かもしれません!

もし、鼻水、鼻づまりの症状が慢性的に続いているという場合、その原因は慢性副鼻腔炎と呼ばれる病気かもしれません。この慢性副鼻腔炎は蓄膿症とも言われます。どちらかというと蓄膿症という名前の方が聞いたことがあるという方も多いかもしれません
この慢性副鼻腔炎は、一般的には細菌の感染によって、鼻の粘膜において炎症が起きることによって発症します。鼻水、鼻づまりの症状が起きるのが主な特徴です。またこの鼻水が喉の奥にまで落ち込むこと(後鼻漏)によって、慢性副鼻腔炎の患者では喉の炎症も起き、それによって咳が誘発されることもあります。
そして、この慢性副鼻腔炎の患者は、しばしば鼻の粘膜が腫れてポリープが出来てしまうことがあり、このポリープは鼻茸(はなたけ)と呼ばれます。鼻茸が出来てしまった場合には鼻づまりの症状がさらにひどくなり、手術によって取り除く必要があります。
鼻茸が出来ていない場合、この慢性副鼻腔炎の治療方法としては、最近ではマクロライド系の抗生物質の長期投与、通称マクロライド療法が有効であるとされています。このマクロライド療法による抗生物質の投与は、細菌の働きを抑えるということ以外に、鼻水などの分泌量を減らすという目的があります。
これはどういうことかと言いますと、本来抗生物質というのは細菌の増殖を抑えることを目的とした薬なのですが、この抗生物質には免疫の際に働く白血球の働きを抑える作用があります。
そして、もともと鼻水などの粘膜は白血球などの免疫細胞が働いて炎症が起きることによって分泌されやすくなるため、抗生物質の働きによって白血球などの免疫細胞の働きが弱まると、結果炎症も和らぎ粘膜の分泌量も少なくなるのです。
なんかややこしい話だと感じるかと思うかもしれませんが、つまり鼻水というのは、いらなくなった白血球を外に追い出す働きをしてると考えればわかりやすいかもしれません。つまり、白血球が働けば働くほど、それを排出する鼻水の分泌量も増えるのです。ちなみに、感染症の際に出る色のついた粘り気のある鼻水は、白血球や細菌の死骸によって着色されたものなんだそうです。
慢性副鼻腔炎の症状はちゃんと治療しないと鼻茸が出来て症状がどんどん悪化してしまうことも考えられますので、もし慢性的な鼻水、鼻づまりの症状に悩んでいるという場合には、一度耳鼻科で医師に相談をしてみるようにしましょう。
一緒に覚えておいてほしい咳のあれこれ!空咳が出る方は要注意!

鼻水、鼻づまりの症状と密接に関係している症状として、咳が挙げられるということはもはやいうまでもありませんね。特に風邪をひいてしまったときには、鼻水、鼻づまりの症状に加えて、痰が絡むような咳の症状が表れる方がほとんどだと思います。
この鼻水、痰というのはどちらも免疫細胞や細菌の死骸を排出するためのものであり、感染症の場合は細菌の感染によって喉や鼻が炎症を起こすことによってこのような粘膜の分泌が起こるというお話は先ほどしましたね。また、咳の症状はこの痰を排出するために起きている反応でもあります。
しかし、もし痰はでないのに、空咳だけがいつまでも治らないという場合、それってすごく不自然なことだとは感じませんか?
実はある病気を発症すると、このように乾いた空咳の症状だけが慢性的に続いてしまうことがあるんです。その病気とは気管支喘息です。
気管支喘息は私とは関係ないとは思わずに、どうか最後まで読んでみてください。
今この記事を読んでくださっている方の中には、気管支喘息は子供に多い病気、という認識の方ももしかしたらいるかもしれませんが、実はこの気管支喘息という病気は、近年大人になってから発症する方が増加傾向にあるといわれています。そして、大人になってから発症する気管支喘息の方が重症化しやすい傾向にあるといわれているのです。
そして、なぜ気管支喘息の患者では空咳が出ることがあるのかということへの説明ですが、実はこの気管支喘息は、細菌などの感染が起きていないのに気管支において炎症が生じ、喉が過敏性になってしまう病気なのです。
そして、この炎症を起こして敏感になった気管支が何らかの刺激を受けて収縮を起こし、その結果表れてしまうのが空咳の症状なのです。そして症状がひどい患者では、空咳だけではなく呼吸が困難になるほど気管支が収縮してしまうこともあり、この症状を発作と呼びます。
知らない方も多いと思いますが、この気管支喘息という病気は、現在も年間約2000人近い方が亡くなっている病気です。この気管支喘息の関するさらに詳しい情報はこちらの記事でまとめていますので、よろしかったらご覧になってみてください。
まとめ
今回の記事では、主に鼻水、鼻づまりの原因や、その解消方法などに関する情報についてまとめました。
もし鼻水、鼻づまりの症状が起きてしまったときには是非今回ご紹介した解消方法を試してみてください。
しかし、もし慢性的に鼻水、鼻づまりの症状が続いている場合、その原因が慢性の副鼻腔炎であった場合はそういった解消方法を実践してみても根本的な解決にはなりませんので、早めに病院へ行くようにしましょう。
また、今回の記事では空咳の症状が続く場合に発症している可能性のある気管支喘息についても少しご紹介しました。
気管支喘息という病気はいつどのようなタイミングで発症してしまうのかわからない病気です。私も大人になってから気管支喘息を発症してしまいましたが、それまではまさか自分が気管支喘息を発症してしまうとは思いもしませんでした。
特にこの気管支喘息という病気は、感染症や妊娠による体調の変化に伴って発症しやすいといわれています。感染症を患い、熱はひいたのにいつまでの空咳が治らないという場合は気管支喘息を発症している場合も多いので、是非気を付けてください。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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