長引く咳の原因は咳喘息?通常の気管支喘息との病態の違い、病院での診断基準について解説します!

咳の症状があると、まず多くの方は風邪などの感染症を疑うと思いますが、熱はないのに長引く咳の症状があるという場合、その原因は気管支喘息、または咳喘息と呼ばれる呼吸器疾疾患である可能性があります。

気管支喘息と咳喘息は、それぞれその病態に違いがあるだけで、その根本的な原因はどちらも気管支に慢性的に生じるようになってしまう炎症にあります。この炎症の影響によって気道が敏感な状態となり、タバコの煙や香水の香り、料理から立ち上る湯気にさえも気道が反応して収縮を起こすため、これらの病気を発症すると、慢性的に長引く咳の症状が表れるようになります。

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気管支喘息と咳喘息の違いは、先ほども言いましたようにその病態にあります。具体的には、気管支喘息の場合には、この長引く咳の症状に加えて、呼吸が困難になる発作や、喘鳴(気管支が細くなっていることによって聞こえるゼーゼー、ヒューヒューという音)の症状が見られることがありますが、咳喘息の場合はこのような症状は見られず、特徴的なのは長引く咳の症状のみであるといわれています。つまり、喘息という病気の中で、比較的症状が軽度であるものを咳喘息と呼ぶのです。

しかし、この咳喘息の症状も、そのままにしておくといずれ通常の気管支喘息の症状に移行してしまう可能性があるといわれているため注意が必要です。今回の記事では、この咳喘息と気管支喘息の概要や、その病態の違い、病院での診断基準などに関する情報について詳しくまとめていきたいと思います。

目次

長引く咳が続く気管支喘息、咳喘息ってどんな病気?その病態の違いはこちら!

気管支喘息、咳喘息は、近年その患者数が増加傾向にある呼吸器疾患です。発症すると、どちらも長引く咳、特に痰が絡まないような空咳(乾性咳嗽)が長期にわたって続くのがその特徴です。

これらの病気はある日突然に発症してしまう可能性もありますが、多くの方は妊娠、出産、重度の感染症などの、体調の急激な変化に伴って発症します。特に感染症に伴って発症してしまった場合、熱は治まったのに、長引く咳の症状、息苦しさが一向に治らず、病院で検査を受けたところ喘息と診断されたという方も少なくありません。このような場合、病院で診断を受ける前に急に重症化してしまうことも考えられますので、少しでも変だと感じたら早めに病院へ行って医師に相談をすることが大切です。

最初にも申し上げましたように、この喘息という病気は、その根本的な原因は気管支に慢性的に生じるようになってしまう炎症にあります。普通、気管支などの喉の炎症というのは、細菌やウイルスなどが感染した時に、それに対抗するために起きる免疫反応の結果見られる症状ですが、気管支喘息を発症すると、気管支において好酸球と呼ばれる免疫細胞の増加が起きることによって、気管支が慢性的に炎症を起こした状態となってしまうのです。

この炎症を起こした気管支は非常に敏感な状態となっているため、わずかな刺激にさえも反応して収縮を起こすことから、喘息を発症した患者では慢性的な長引く咳の症状が見られるようになるのです。また、最初に述べましたように、ひどい方だとこの咳に加えて、発作や喘鳴の症状が見られることがあります。

この病態の違いこそが気管支喘息と咳喘息の異なるところであり、気管支喘息の場合は、長引く咳に加えて発作、喘鳴の症状が見られますが、咳喘息の場合主な症状は基本的には長引く咳の症状のみであるといわれています。しかし、この咳喘息の症状も、そのままにしておくと数年以内に気管支喘息の症状に移行してしまう可能性が高くなるといわれているため、気管支喘息同様にしっかりとした治療を行っていく必要があります。

私自身気管支喘息を発症した経験があり、発症から約1ヶ月近くたってから喘息であるということが判明したのですが、それまではその原因が気管支喘息であるとは全く気が付きませんでした。ひどい風邪に伴って発症してので、風邪の治りかけかな、と自然に治るのを待っていたのですが、あまりにもつらい咳が続くため、病院で検査を受けたところ気管支喘息と診断されました。この約1ヶ月の間、確かに喉に違和感があるのですが、特に痛みなどはないため、当時の私は自然に治ると思い込んでいました。

私と同じように、喘息なのに、喘息であると気付いていないという方は少なくないと思います。この気管支喘息、及び咳喘息という病気は、いずれ自然に治るというものではなく、むしろそのままにしておくと、炎症を起こした気管支が損傷と収縮を繰り返すリモデリングと呼ばれる現象を起こして気管支の壁が厚くなってしまい、こうなると元の状態に戻すことは難しくなるといわれています。抗炎症剤気管支拡張剤などを使用した継続的な治療が必要となるため、もし現在原因のわからない長引く咳の症状があるという場合には、早めに病院へ行き医師に相談をするようにしましょう。

気管支喘息、咳喘息の診断の基準とは?病院で行われる検査はこちら!

その病態に違いがある気管支喘息、及び咳喘息ですが、この2つの病気は、病態が異なるゆえに、その診断の基準にも違いがあります。

まず、気管支喘息を診断するうえで重要となるのは、PEFピークフロー)と呼ばれるものになります。PEFとは、息を大きく吸い込み、一気にはき出した時の最大の速さのことを言います。

喘息を発症すると、気管支が炎症を起こしてむくみ、気管支が健康な方に比べて細くなっているため、それに伴いPEFの値も基準値より低くなります。この基準値は、その患者の性別や身長、年齢などから考えられる値を使用します。

また、PEFと関連して、気管支喘息かどうかを診断する基準になるものとして、FEV1という値もあります。これは、先ほどのPEFの値と似ているのですが、PEFが息を思いっきりはいたときの最大瞬間風速であるのに対し、FEV1は、息を思いっきりはいたときの最初の1秒間にはきだされる量のことを言います。気管支喘息を発症している場合には、PEFの値に加えて、このFEV1の値も予想値より低くなります。

私の場合は、PEFの値を2回ほど測定した結果、気管支喘息と診断されました。厳密には、PEFの値が基準値の80%未満であると気管支喘息を発症していると考えられるそうです。また、このPEF、FEV1の値以外にも、喘鳴が見られるかどうかなども気管支喘息の診断基準となります。

一方咳喘息の場合ですが、こちらは気管支喘息に比べるとその診断が難しい病気のようです。というのも、咳喘息の場合は、PEF、FEV1の値を調べてもそれが正常範囲内であることが多いためです。

しかし、もし長引く咳の原因が咳喘息である場合、その症状は気管支拡張薬を使用することによって改善されることが多いため、現在はこれを1つの診断基準としているようです。

何度も申し上げますが、この咳喘息もそのままにしておくといずれ通常の気管支喘息に移行してしまう可能性があります。早期発見、早期治療が大切ですので、もし気になる症状がある場合には早めに病院へ行って医師に相談してください。気管支喘息が疑われる場合には、呼吸器内科に相談するとPEFの値などを調べることが出来ます。

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気管支喘息、咳喘息の治療の方法とは?

気管支喘息、咳喘息は、それぞれその病態に違いがありますが、その治療の方法は基本的に同じです。先ほど、咳喘息の改善には気管支拡張薬が有効とご説明しましたが、もし気管支喘息、または咳喘息と診断された場合には、その治療においては吸入ステロイドと呼ばれる薬が第一選択で用いられます。

この吸入ステロイドには免疫の作用を抑え、炎症を鎮める作用があります。喘息という病気は、先にも申し上げていますように、気管支に慢性的に生じている炎症が根本的な原因であるため、喘息の治療においてはこの吸入ステロイドの継続的な使用によって、徐々に気管支の炎症を鎮めていくことが治療の基本となります。

また、それに加えて、先ほど説明した気管支拡張剤や、吸入ステロイドよりも強い抗炎症作用のある経口ステロイドなどを、症状の程度などに応じて適宜使用していくことになります。

喘息の治療に用いられる薬には、いくつか種類があります。以下の記事で詳しく解説していますので、気になりましたらご覧になってみてください。

【※喘息大人の治療に使われる薬の種類一覧はこちら】吸入ステロイドの効果とは?…

気管支喘息、咳喘息の治療の期間はどれくらい?

これから気管支喘息を治療していく方にとって、どのくらいの間治療が必要なのかということは非常に気になる点だと思います。

これは、その人の病態も大きく関係してきますので一概にこのくらい!ということは言えないのですが、最低でも2週間くらいは必要になると思います。少なくとも、この【喘息】という病気は、今日治療を始めて明日治る、というものではありません。

ちなみに、私の場合は、気管支喘息を発症したと分かってから、約1か月ほど吸入ステロイドによる継続的な治療を行った結果、長引く咳や息苦しさの症状は改善されました。しかし、気管支喘息という病気はいったん発症すると、また何かの拍子に症状が表れてしまう病気です。私の場合も、症状が落ち着いたのちに、また風邪を引いた結果気管支喘息の症状が表れてしまった経験があります。

気管支喘息、咳喘息を発症してしまった場合、その治療のゴールは完治というよりも、健常者と同じような生活が送れるようになること、と現在ではよく言われています。こう聞くと、治らないのかと不安に感じるかもしれませんが、私は現在では薬を使うことなく、普通の生活を送っています。むしろ、以前よりも感染症などの予防を徹底するようになったため、現在の方が健康的な生活を送っているともいえるほどです。

この気管支喘息は近年大人になってから発症する方が増えてきており、私もその1人ですが、最初は非常に驚いたり、不安になったりする方が多いと思います。しかし、しっかりと治療を行えば必ず症状は良くなりますので、もしこれから治療を行う方は、前向きに考えて治療に取り組むようにしましょう。(^^)

まとめ

今回の記事では、長引く咳の症状がある場合にその原因として考えられる気管支喘息、及び咳喘息について、その病態の違いや、病院での診断基準の違い、そして治療の方法などについてまとめました。

気管支喘息、咳喘息は、その病態に違いがありますが、その根本的な原因はどちらも気管支に生じている炎症にあります。この炎症は放置するとさらに喘息を悪化させる原因となりますので、長引く咳の症状がある場合には、早めに病院に行くようにしましょう。

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今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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