咳が出ている時、それが熱や鼻水、痰を伴う典型的な風邪の症状である場合は、何科に行けばいいのか迷ったらまずは内科や耳鼻科を受診するのが基本です。病院によってその処置の仕方に多少の違いはありますが、ただの風邪であれば内科や耳鼻科を受診すれば普通は問題なく対処してもらえます。また、子供の場合には、小児科に連れて行く方も多いようです。小児科は当たり前ですが小さな子供を中心にみているので、色々と相談しやすいのも1つの利点です。
しかし、特に熱はないのに長引く咳の症状がある場合には、何科に行けばいいのかよくわからないという方も多いと思います。咳という症状は特に感染症の時に表れるイメージが強いですが、実は感染症以外に、気管支喘息、気胸、逆流性食道炎、貧血、ストレスなどによっても引き起こされることがあります。これらの詳細や、何科に行けばいいのかは後程詳しく説明したいと思います。
スポンサードリンク
また、熱や鼻水などの風邪のような症状が表れ、風邪だと思って安静にしているのに、いつまでたっても長引く咳の症状が治まらないという場合には、風邪以外の感染症を発症している可能性があります。特にそれが肺炎である場合は重症化してしまう可能性があるため注意が必要です。
今回の記事では、長引く咳の原因となる病気にはどのようなものがあるのか説明するとともに、それらの病気と思われる症状が表れた場合には何科に行けばいいのか詳しく説明していきたいと思います。
目次
熱はないのに長引く咳の原因は何?何科に行けばいいのかわからないという方はこちらをご覧ください。

熱はないのに長引く咳の症状があったら、その原因が気になりますし、不安になりますよね。また、原因が分からないので、とりあえず何科に行けばいいのかわからないという方もいらっしゃると思います。
咳というとどうしても感染症のイメージが強いですが、実は感染症以外にも咳が出てしまう病気というのは数多くあります。ここからは、熱はないのに長引く咳の症状がある方のために、その原因として考えられるものや、そのとき何科に行けばいいのかということについて詳しくまとめていきたいと思います。
気管支喘息

熱はないのに長引く咳の症状があるとき、その原因としてまず気管支喘息が考えられます。気管支喘息とは、何らかの原因によって気管支に慢性的に炎症が起こるようになってしまう病気です。
そして、気管支が炎症を起こすと、その影響から気管支がむくみを起こすため、この病気の患者はまず慢性的に息苦しさを感じるようになります。また、炎症を起こした気管支は非常に敏感な状態となり、わずかな刺激に対しても反応して収縮を起こすようになるため、気管支喘息の患者は慢性的に空咳(乾いた咳)の症状が表れるようになります。
また、この過敏になっている気管支がアレルギー反応、タバコの煙、お酒、運動などによって強い刺激を受けると、その影響から急激な収縮を起こし、呼吸が困難になってしまう可能性があります。これが気管支喘息における発作と呼ばれる症状であり、発作が起きてしまうと命にもかかわるほど重症化してしまうこともあるため注意が必要です。
特に、子供の場合はアレルギーを持っている方が気管支喘息を発症しやすいといわれています。アレルギーのある子供がケホケホ、と乾いた咳を慢性的にしているようでしたら気にかけてあげてください。
このような症状があてはまる場合、何科に行けばいいのか迷ったらまずは呼吸器内科の医師に相談をしてみるようにしましょう。気管支喘息は呼吸器の病気なので、呼吸器内科に行けば詳しい検査を受けることが出来ます。
気胸

熱はないのに長引く咳の症状があるとき、その原因として気胸も挙げられます。気胸とは、肺の一部に穴が開いてしまうことにより、空気が漏れ出してしまうようになる病気です。特にやせている男性に多い病気として知られていますが、女性の月経に伴って発症する女性ならではの気胸もあります。
気胸では、自然に穴が開いてしまうことがほとんどで、その時点では自覚症状はまだほとんどありません。しかし、肺から漏れ出した空気が胸腔と呼ばれる場所にたまると、この空気によって肺などが圧迫され、そこで初めて何らかの症状が表れるようになります。気胸の自覚症状として挙げられるのは、長引く咳の症状や、息苦しさ、肺の痛みなどです。
先ほども申しましたように、この気胸という病気は、10代の後半から30代くらいまでの、痩せている男性に多くみられる病気です。このような症状にあてはまる場合、何科に行けばいいのか迷ったら、こちらも呼吸器内科の医師に相談するとよいそうです。気胸は軽度のものであれば通院治療で大丈夫ですか、症状がひどいと入院の必要性もあります。
逆流性食道炎

熱はないのに長引く咳の原因として、逆流性食道炎も挙げられます。逆流性食道炎とは、胃と食道のつなぎ目の役割があり、普段は閉じているはずの下部食道括約筋と呼ばれる筋肉の機能が低下して、緩んでしまうことによって、胃酸を含む胃の内容物が食道の方に逆流を起こすようになってしまう病気です。この病気の原因は、脂質やタンパク質の多い食事や、お酒の飲みすぎ、たばこの吸いすぎなどの生活の乱れだといわれています。特に、最近は食事の内容が欧米化している影響から、この病気は若い患者が増えてきているそうです。
特に横になったときに喉の方まで胃酸が上がってくるような感覚がある方はこの逆流性食道炎である可能性が高いのですが、胃酸は非常に強い酸ですので、この症状が慢性的に起こるようになると、食道がただれて炎症を起こすことによって、長引く咳の症状が表れるようになります。また、このように胃酸が逆流を起こすと、食道がんのリスクが高くなるというデータもあるため注意が必要です。
このような症状にあてはまる場合、何科に行けばいいか迷ったら、内科や消化器科に行きましょう。逆流性食道炎は、PPT(プロトンポンプ阻害薬)と呼ばれる薬の服用で症状を改善するのが治療の基本です。
貧血

熱はないのに長引く咳の症状があるとき、その原因として貧血も挙げられます。貧血が咳の原因?と不思議に感じるかと思いますが、貧血を起こすと肺が酸欠状態になり、その影響から咳の症状が表れることがあるのです。
そもそも貧血とはどのような病気かというと、貧血にもいくつか種類があるのですが、その中で一番多いのが鉄分の不足によって酸素を全身に運搬するヘモグロビンが減少することによって発症してしまうものです。(ヘモグロビンは赤血球の内部にあり、鉄を成分として必要とするタンパク質で、酸素を運搬する役割があります。)
貧血が起きた時の症状は、長引く咳の症状の他、めまい、立ちくらみ、息切れ、動悸、頭痛、だるさ、耳鳴り、顔面蒼白などが挙げられます。特に、朝起きた瞬間からあだるさがあり、立ち上がると立ちくらみがひどいという場合には貧血が起きている可能性が高いです。
このような症状が表れた場合、何科に行けばいいか迷ったらまずは内科に行くようにしましょう。また、もし貧血が起きてしまった場合には、普段の食事の中で鉄分を豊富に含むものをとるようにすることも大切です。鉄分を多く含む食品には、レバーやもも肉、カツオ、マグロ、アサリ、シジミなどが挙げられます。ちなみにひじきや生揚げ、ほうれん草、小松菜、納豆、鶏卵などにも鉄分は多く含まれていますが、最初に挙げたレバーなどがヘム鉄と呼ばれるものを豊富に含むのに対し、後に挙げたものは非ヘム鉄というものを多く含む食品になります。もちろん、非ヘム鉄を豊富に含むものを食べるのも良いのですが、特にヘム鉄の方が吸収が良いので、貧血気味の方はヘム鉄を多く含む食品をとるようにすると良いでしょう。その中でも、レバーは断トツでヘム鉄を豊富に含んでいますので、もし苦手でなければ是非普段の食事の中に取り入れるようにしましょう。
ストレス

長引く咳の症状の原因としてストレスも挙げられます。ストレスによる長引く咳の症状は心因性咳嗽(しんいんせいがいそう)と呼ばれており、なかなか医師もその原因がストレスと判断しづらいものとして知られています。
心因性咳嗽はその原因がストレスであるため、このストレスをどうにかしないことには気管支拡張剤などを使っても症状は回復せず、呼吸器内科や内科などでは治療が難しいのが現状です。
ストレスというものに対して曖昧なイメージがあるかもしれませんが、私たちの体内では、ストレスを感じるとその影響による不安などを和らげるため、ストレスホルモンと呼ばれるホルモンが分泌されています。しかし、過度なストレスを慢性的に感じるようになったりすると、このストレスホルモンの過剰な分泌などが起こるようになり、これが体のいたるところの不調の原因になってしまうことがあるのです。
ストレスが原因となっておこる病気として、うつ病などが挙げられるように、ストレスは体の不調を引き起こす大きな原因の1つです。そのため、もし不安なことや悩みなどがある場合には、決して1人で抱え込まず、周りの人に相談をすることが大切です。
話は戻りますが、もし全く原因のわからない長引く咳の症状に悩んでいる方で、もしかしたらその原因はストレスかもしれないと感じる方は、心療内科の医師に相談をしてみると良いかもしれません。
普段から体をケアすることは言うまでもなく大切ですが、それと同じくらい心のケアも大切です。不安なことがあるときは、決して1人で悩まないようにしましょう。
スポンサードリンク
風邪だと思って安静にしているのに全然症状が良くならない…子供が熱を出したけどただの風邪とは違う気がする…その原因とは?

熱が出て咳の症状などが表れた時、まずほとんどの方は風邪を疑うと思います。しかし、その症状がなかなか治まらなかったりした場合には、その他の感染症、特に肺炎などを発症している可能性があります。
肺炎とは、細菌が肺の内部に感染することによっておこる病気であり、熱の症状の他、長引く咳の症状など、風邪とよく似た症状が表れます。しかし、このような症状が一向に良くならなかったり、長引く咳の症状などに加えて肺の痛みなどを感じる場合には、肺炎を発症している可能性があるため注意が必要です。
肺炎と一口に言っても、その原因には、肺炎の最も多い原因として挙げられる肺炎球菌の他、マイコプラズマやクラミジアニューモニエなども挙げられます。このうち、マイコプラズマの感染によって起こるマイコプラズマ肺炎は子供に多い感染症として知られており、特に5歳から10歳くらいまでの子供が発症しやすい病気として知られています。
マイコプラズマ肺炎は、時に中耳炎、副鼻腔炎、髄膜炎、脳炎などの合併症を起こす原因になってしまうことがあり、このように重症化してしまうと非常に危険です。もし、子供が熱をだし、胸の痛みなどいつもの風邪と違うような症状などを訴えた場合には、早めに病院に連れて行くようにしましょう。
また、このマイコプラズマ肺炎は子供に多い病気として知られていますが、もちろん大人でも発症することがあり、むしろ大人の方が子供より重症化しやすいということも言われているため注意が必要です。もしただの風邪だと思っていたのに、長引く咳の症状などがいつまでも治まらず、胸の痛みなどを感じる場合には早めに医師に相談をするようにしましょう。
先ほど、肺炎は風邪と似たような症状が表れるというふうに言いましたが、実はこの2つの病気は全くその本質が異なります。違う病気だから当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、この2つの病気は感染が起きる場所に加え、感染するものが異なります。
これはどういうことかというと、風邪というものは主にウイルスが上気道の細胞(最近は下気道まで含む)に感染する病気のことを指しますが、肺炎は、主に細菌が肺の内部の細胞に感染することによっておこる病気になります。ウイルスと細菌は、どちらも感染症の原因になることは間違いありませんが、この2つはその大きさや性質が全く異なります。
まず、ウイルスですが、これは細菌と比べると非常に小さく、タンパクの外殻の内部に遺伝子を持っているだけの存在であり、自分でエネルギーを作り出すことが出来ないため、細胞に感染してはじめて増殖を行うことが出来ます。細胞に感染すると、その細胞が自分たちを増殖させるようプログラムを変えてしまうのです。ちなみに、風邪の原因となるウイルスは細かく分類すると約200種類にも及ぶといわれており、つまり、風邪とは不特定のウイルスによる上気道、もしくは下気道への感染に伴う熱や咳などが表れる病気なのです。
一方、細菌はウイルスよりも大きく、1つの細胞からなる単細胞生物になります。細菌は自分たちでエネルギーを作り出すことができ、適切な環境下であれば細胞外であっても増殖を行うことが出来ます。
感染症を発症してしまったとき、しばしば抗生物質という薬を使用して治療を行うことがありますが、抗生物質は細菌にのみ効果を発揮する薬であるため、その原因の大半がウイルスである風邪の場合は基本的に抗生物質が処方されることはありません。処方されるのは、そこに細菌の二次感染が懸念されるときなどです。細菌による感染症は抗生物質による治療が有効ですが、現在どんなウイルスにも効く薬は存在していないため、風邪という病気は現在治す薬はありません。風邪を治すのは最終的に免疫の力であり、風邪をひいたときに処方される薬は風邪による鼻水、痰、長引く咳などの諸症状を緩和してくれる薬になります。
そもそも抗生物質って何?と思われる方もいるかもしれませんので説明しますと、抗生物質とは、もともとは細菌が体内で作り出していた成分で、自分たち以外の細菌が増殖するのを防ぐ働きのある物質になります。これはどういうことかというと、同じ環境に複数の細菌がいた時、これらの細菌の中には自分たちだけが優位に増殖を行うことが出来るように、その他の種類の細菌が増殖をするのを防ぐ働きのある物質を作り出しているものがいるのです。これを抗生物質と呼び、私たちは薬として利用しているのです。ちなみに世界で初めて発見された抗生物質はペニシリンと呼ばれるものであり、1928年にアオカビから発見されました。
話は戻りますが、もし長引く咳や熱の症状が治まらず、肺炎かもしれないと思い、何科に行けばいいか迷ったら、呼吸器内科や内科の医師に相談をするようにしましょう。そこで詳しい検査を受け、肺炎と分かった場合には、先ほど説明した抗生物質などによる治療が行われることになります。
まとめ

今回の記事では、長引く咳の症状があるときに、その原因として考えられるものや、そのとき何科に行けばいいのかということについてまとめました。
特に、長引く咳の症状があるのに、熱がない時というのはその原因がなんだか不安になりますよね。何科に行けばいいのか迷ったら、是非今回の記事を参考にして早めに専門の病院に行くようにしてください。
また、今回子供に多いマイコプラズマ肺炎について説明しましたが、子供は大人に比べると体力が少ないので、合併症などを起こしてしまう危険性もあります。もし自分の子供が熱をだし、ちょっといつもの風邪と違うなと感じたら、その子供を早めに病院に連れて行ってあげましょう。
また、肺炎は子供も注意が必要ですが、お年寄りの場合も注意が必要です。肺炎は、現在お年寄りの死因の第三位を占めている、重症化が非常に懸念される病気です。もしお年寄りの方が熱を出した場合は、それほどひどくないと本人などが感じていても必ず病院に連れて行ってあげるようにしましょう。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
スポンサードリンク
コメントを残す