長引く咳が筋肉痛や肉離れの原因に!咳のしすぎで起こる背中の痛み、首やお腹の痛みについて解説します…

風邪などをひいたときに、長引く咳の症状があると本当につらいですよね。こうした長引く咳の症状というのは、痰を排出しようとしたり、炎症を起こして敏感になっている喉が外からの刺激を受け、気管支平滑筋が収縮を起こすことによって表れるものなのですが、こういった咳の症状は自分の意思とは無関係に表れることも多いですので、急に出る咳が体に与える影響は決して小さなものではありません。

まず、咳の症状というものは、長く続くと体力の低下を招きます。まず、風邪などの感染症をひいていて、激しくつらい咳の症状などがあるときには、なかなか食欲もわかないということもあると思いますが、成人が1日に必要な摂取カロリーは約2000kcal(性別、年齢により多少変化します)といわれている中で、咳の症状は、1回行うのに2kcalのエネルギーを消費するといわれています。例えば、咳や熱の症状がひどく、なかなかご飯も満足に食べられない時に、この咳の症状が朝から晩まで続くと考えると、それがいかに体力に影響を与えるものかということはすぐにわかりますね。

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また咳の症状は、単純にその衝撃が体に強い負荷を与えるものですので、これによって胸が締め付けられた結果、肋骨にヒビが入ってしまうということも珍しくありません。また、長引く咳の症状は、体の様々な部位の筋肉にも影響を与え、筋肉痛肉離れを引き起こし、首の痛みお腹の痛み背中の痛みなどを引き起こします。

咳は最初にも言いましたように、痰を排出するために表れている生理的な反応でもありますので、我慢をすることは良くありませんが、咳のしすぎも体への影響を考えると良いことではありません。また、なぜ咳のしすぎは、筋肉痛、肉離れなどを引き起こすのか、今回の記事では、長引く咳によって引き起こされる筋肉の痛みについて詳しく解説していきたいと思います。

目次

長引く咳の症状、その原因とは?

長引く咳の症状があるとき、その原因がただの風邪であるとは限りません。まず、長引く咳に加えて、熱の症状があるときには、何らかの感染症を患っていることはほぼ間違いありませんが、長引く咳と熱が特徴的な病気には、風邪の他、肺炎結核百日咳なども考えられ、肺炎の中にも、肺炎球菌が原因のものや、クラミジアニューモニエマイコプラズマが原因となっているものなど、様々な場合が考えられます。

今述べた【風邪】と【肺炎結核百日咳】という3つの病気には、ある大きな違いがあります。それは、風邪という病気が主に不特定のウイルスによる感染症であるのに対し、それ以外の3つの病気は、特定の細菌の感染が原因となって起こる病気であるということです。

ウイルス細菌、この2つは感染症を取り上げると必ず耳にする名前ですが、実はこの2つはその性質、大きさが全く異なります。ちなみに、よく感染症の治療薬として用いられる抗生物質抗生剤という薬は、細菌にのみ効果を発揮する薬であり、ウイルスには効果を示しません。ウイルスによる感染症、特に風邪という病気は、安静にしていれば普通は重症化することもなく、免役の働きによって自然に治る病気です。

しかし、ウイルスの中にも、インフルエンザウイルスロウイルスhivヒト免疫不全ウイルス)など、時に重篤な症状を引き起こすものもあります。特にhivは長い年月をかけて人の免疫システムを破壊していき、エイズを発症させる原因となり、エイズを発症してしまうと数年で命を奪うこともある非常に恐ろしいウイルスです。

この、細菌とウイルスの違いに関する情報や、hiv感染症に関する情報は以下の記事でまとめています。

【ストップ】長引く咳は細菌感染症が原因かも!細菌とウイルスの違い抗生物質に関する情報はこちら…

【※ストップ】hiv感染症の初期症状は空咳?感染経路や感染率、検査の方法から治療法まで詳しく解説します!…

しかし、もし長引く咳の症状があるのに、全く熱の症状がない場合、感染症以外でそのような症状を誘発するものとして、可能性が高いものは【気管支喘息】です。これは、気管支において好酸球と呼ばれる免疫細胞の増加が起きることにより、気管支が慢性的に炎症を起こした状態となってしまう呼吸器疾患です。

普通気管支の炎症というものは、先ほど述べた感染症のように、ヒトの免疫細胞が、細胞に感染したウイルスや細菌と闘うために起こる免疫反応の結果見られる症状ですが、気管支喘息を発症すると、なぜか好酸球と呼ばれる免疫細胞が常に気管支において炎症を起こす原因となってしまうのです。

炎症を起こした部位は非常に敏感な状態となっているため、気管支喘息を発症すると、タバコの煙や香水の香り、料理から立ち上る湯気でさえも気管支を刺激する原因となり、慢性的に長引く咳の症状が表れるようになります。

先日私の友人が、気管支喘息が原因で咳をし続けた結果、肋骨にひびが入ってしまったと嘆いていました。あまりにも身近で起きたためびっくりしましたが、このように咳のしすぎは体に悪影響を与えてしまいますので、もし長引く咳の症状がある場合で、その原因が分からない場合には、早めに医師に相談をするようにしましょう。気管支喘息の症状が疑われる場合には、呼吸器内科を受診すると詳しい検査を受けることが出来ます。

この気管支喘息は、近年大人になってから発症する方増えてきています。この気管支喘息に関する詳しい情報は以下の記事でまとめておりますので、よろしかったらご覧になってみてください。

【※気管支喘息とアスピリン喘息の違いとは?】その症状や原因、薬による気管支喘息の治療に関する情報はこちら…

咳のしすぎが体に与える影響とは?筋肉痛や肉離れによる首やお腹、背中の痛みについて解説します

咳のしすぎは、体力の低下を招いたり、胸に強い衝撃を与えるほか、筋肉痛や肉離れを引き起こして、首やお腹、背中の痛みなどを引き起こす原因となることがあります。これは、咳が無意識的に体の様々な部位の筋肉の収縮運動を引き起こすためであると考えられます。

肉離れとは、私たちが筋肉痛と呼ぶ症状の中で、特に症状がひどいものを指す呼び方です。それでは具体的に筋肉痛とはどのようにして引き起こされるのか、また、一般的な筋肉痛と肉離れの違いはなんなのか詳しく説明していきたいと思います。

まず、一般的に想像される筋肉痛ですが、これは筋繊維に微細な損傷が起き、これを再生するときに起こる炎症反応がその原因であると考えられています。厳密には、この炎症反応にはブラジキニンや、プロスタグランジンなどの化学物質が関与しており、これらの物質が筋肉を包んでいる筋膜を刺激してそれが痛みとして脳に伝わると考えられています。

以前は、乳酸と呼ばれる物質が、運動を行った部位に蓄積することが筋疲労、筋肉痛の原因として考えられていましたが、現在ではこの説はほとんど否定されています。というのも、この説が提唱されたのは今から約1世紀も前のことなのですが、この時点では、運動を行った体の特定の部位において、乳酸の増加が見られるというだけで、この乳酸が疲労の原因として考えらえ、それがどのような作用をするのかということは詳しくは述べられていませんでした。

当時の技術では、乳酸が蓄積されるということが分かっただけでも大きな功績ではあったのですが、現在は数多くの研究によって、それが誤りであること、そして、この乳酸は逆に疲労を回復させるために蓄積していることなどが分かってきています。

筋肉痛は運動した直後ではなく時間をおいてから表れますが、これは筋肉の繊維そのものには痛みを感じる神経というものはなく、先ほども言いましたように、損傷の回復を行う時に、炎症が筋膜に達して初めて痛みが脳に伝わるためです。

ちなみに筋肉痛を和らげるために、特に運動を行う人はサロンパスなどの湿布薬を使用する方も多いのではないかと思いますが、このような湿布薬に含まれる有効成分は、先ほど説明した発痛物質であるプロスタグランジンの生成を抑えるよう働くことによって炎症を鎮め、その結果痛みを和らげることが出来ます。

基本的に【痛み】という症状には炎症が関わっており、例えば頭痛薬としてロキソニンなどを服用される方もいると思いますが、このロキソニンも、その有効成分がプロスタグランジンの生成を抑えることによって炎症を鎮め、痛みの症状を緩和することが出来ます。またこの他、ペントイル錠という鎮痛剤は、それに含まれるエモルファゾンと呼ばれる成分が、発痛物質であるブラジキニンの働きを抑えることによって痛みを抑える鎮痛剤として知られています。

話は戻りますが、肉離れという症状は良くスポーツ選手に見られるものですが、咳のしすぎによって、脇腹などでこの肉離れが起きてしまう方もいるそうです。この肉離れは、簡単にいうと筋肉痛の中で特に症状が重いもののことを言います。

具体的には、通常私達が考える筋疲労による筋肉痛は、筋繊維の微細な損傷のことを言いますが、肉離れでは、筋肉の繊維、筋膜の一部において断裂が見られるものを言います。つまり、広義では肉離れも筋肉痛に含まれるのですが、その中でも特に症状がひどいものを肉離れと呼ぶようです。

基本的に筋肉痛の原因となる筋繊維の損傷は、筋肉の収縮とは反対の方向に負荷がかかることによって生じます。咳のしすぎによって筋肉痛が生じ、首やお腹、背中の痛みなどが生じるのは、咳によって無意識的に痛みが生じる部分の筋肉の繊維が引っ張られているためであると考えられますね。こういった症状を起こさないようにするためには、咳をしすぎないように咳止めの薬などを上手く利用するようにしましょう。以下の記事で市販薬の咳止めの中でお勧めのものをご紹介していますので、よろしかったら参考にしてみてください。

【長引く咳に効く!】市販薬で迷ったらアネトン咳止めZ液がおすすめです!…

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長引く咳に伴う胸や背中の痛み…筋肉痛以外にこんな原因も…!

原因のわからない長引く咳の症状に加えて、胸や腰、背中の痛みがあるとき、それは肺がんの症状として表れている可能性もあります。肺がんは、がんの中で男女合わせて最も死亡数の多いものになります。

これは決して胸や腰、背中の痛み≒がん、というわけではありませんので、必要以上に怖がることはありませんが、肺がんは転移などが起こると、長引く咳に加えて、今述べたような胸や背中の痛みや、腰回りに違和感が起こることがあるそうです。んとなく咳が続いているな、という症状がある場合には決してそのままにはせず、早めに詳しい検査を受けた方が良いでしょう。

現在、がんが国民の死因の1位であることは皆さんご存知だと思いますが、このがんとはいったいどのような病気なのか、またなぜがんの症状が進行すると命を落としてしまうのか、皆さんはご存知でしょうか?

このがんとは、一言でいうと、体からの制御が効かなくなり、自律的に行動するようになった細胞集団のことを言います。そして、このがんという細胞集団を構成している細胞の1つをがん細胞と呼びます。

基本的に、人間の体はおよそ約60兆個というすさまじい数の細胞から成り立っているのですが、この数は大きく変動することはありません。私たちの体の中の細胞というのは、細胞分裂を行うことによって、古くなったものを日々新しいものに置き換えているのですが、この際体はその細胞分裂の割合を調整することによって、細胞が増えすぎたり、減りすぎたりするのを防いでいるのです。つまり、私たちの体は、常に細胞1つ1つの行動を制御しているというわけです。

しかし、この細胞分裂という活動では、時に、遺伝子の変異などが原因となって、体からの制御をきかないような細胞が出来てしまうことがあります。これが、先ほどご説明したがん細胞と呼ばれるものです。

実は、このがん細胞が出来ること自体は全く不思議なものではなく、むしろ、私たちの体内では日々数千個ものがん細胞が出来ているといわれています。これは知らない方が聞くと非常に驚くことだと思いますが、このようにしてできたがん細胞は、基本的にすべて体の免疫システムが排除してしまうため、これだけの数が出来ていてもこれががんという腫瘍になるまで大きくなることはありません。

しかし、タバコやお酒、加齢などが原因となり、この免役の働きが衰えてしまうと、中にはこの免疫の目をかいくぐってしまうがん細胞も表れ始めます。このがん細胞はその後、血流やリンパの流れにのって様々な部位に移動する転移を起こし、その先で他の細胞に侵食して、その細胞を自分と同じがん細胞に変えることによって仲間を増やし、集団化していきます。

このようにしてできたものが、私たちが良く知るところの【がん】と呼ばれる腫瘍です。がんができると命を落としてしまうのは、例えば主要な内蔵ががん化してしまうと、それが通常の役割を果たせなくなってしまい、体が生命活動を維持できなくなるためです。

がんは、生涯を通して考えると、国民の2人に1人はなるといわれている病気です。これは、先ほども言いましたように、人間の免疫の働きが、加齢とともに弱くなっていくこともその原因の1つとして考えられます。しかし、もちろんがんを若くして発症してしまう方もいるということも事実です。決してがんは珍しいものではないということを、今の説明から再認識していただけたのではないでしょうか?

もし、長引く咳に加えて胸や腰、背中の痛みがある場合には、是非早めに医師に相談をして、詳しい検査を受けるようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、咳のしすぎによっておこる筋肉痛や、この筋肉痛やがんなどが原因となって起こる背中の痛みなどに関する情報についてまとめました。

咳のしすぎによる筋肉痛は、起きる前に咳止めの薬を飲むなどの対処をすることが大切です。最初にもご説明したように、咳のしすぎは肋骨などにも影響を与える可能性がありますので、つらくなる前に対処するようにしましょう。

また、よろしかったらこちらの記事もご覧になってみてください。

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今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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